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カテゴリー: 生物

ナメクジの話

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 宇高 寛子 、 出版 偕成社
 なぜか、わが家の台所にドデーンとナメクジが鎮座ましますのを発見することがあります。本当に不思議です。外から侵入してくる経路はそんなにないはずなのですが…。
 というわけで、ナメクジとは、いったいいかなる生物なのかを知りたくて読んでみました。
 とても分かりやすいナメクジの話です。でも、実のところナメクジは謎だらけの生物だということが分かりました。カラー写真がありますので、わが家のナメクジは記憶に照らしあわせると、日本古来のナメクジだと思います。
 日本にずっといるナメクジは、全体的に太くて、灰色。この本の著者が主として研究しているのは、チャコラナメクジ。背中に2本から3本の黒い線がある。
 ナメクジは貝の仲間で、タコやイカと同じ、軟体動物。ナメクジには殻はない。そして陸にすんでいるのに「貝」。陸にいる貝のうち、大きな殻をもつのをカタツムリと言い、殻をもたないのをナメクジと呼ぶ。
 ナメクジにも人間と同じように顔があり、皮膚の下には、脳・心臓・肺などがある。顔は、ふだんは体のなかに隠している。
 ナメクジの目は、明るいか暗いかが分かるだけ。においを感じる能力のほうが強い。
 ナメクジは、なんでも食べる雑食。ミミズや昆虫も食べる。
 口には、大根おろし器のように小さい歯がたくさんついた「歯舌」(しぜつ)があり、これをエサに押しあてて、ゴリゴリと削って食べる。
ナメクジは、1匹のなかにオスとメスの両方の機能をもっている。しかし、ほかの個体と交尾することによって、初めて卵をつくることができる。ナメクジは交尾したあとしばらくして卵を産む。
 ナメクジのべたべた粘液は乾燥から身を守っている。また、粘液の上で腹足を波打つように動かして前進する。だから上下に波打ったり、くねくねする必要がない。ただし、ナメクジは前にしか進めない。後退できないのですね。
 ナメクジの寿命は、短くて数ヶ月。長いものは2~3年ほど。そんなに生きるのですか…。
 ナメクジに塩をかけても溶けているのではない。水分を失って、身が小さくなるだけのようです。
 ナメクジには光周性がある。
 ナメクジを飼って育てるにはタンパク質が必要。金魚のエサや固形のドッグフードも買って与える。
 ナメクジへの多くの人々の反応は、「ギャアア…」が多い。そこで、やはり「敵」の実体を知っておくべきなのですよね、きっと…。面白い本でした。
(2022年9月刊。税込1650円)

カタニア先生は、キモい生きものに夢中!

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 ケネス・カタニア 、 出版 化学同人
  鋭い感覚の奇妙な鼻をもつホシバナモグラが真っ先に登場します。
なに、何、このイソギンチャクみたいな鼻が、いったい何のために地中を掘って生活するモグラにあるのかな…。こんなヒラヒラするものが鼻の先について、地中を掘り進むのに、いったい邪魔にならないのかしらん。うむむ、どう考えても不思議だ、フシギ。
ホシバナモグラは、モグラの一種なのに泳ぎが得意。北アメリカのもっとも寒い地域で、冬眠もせずに生活している。
ホシバナモグラの鼻の「星」は嗅覚器官ではなく、触覚受容器。ホシバナモグラの鼻の先の星には、ヒトの手の触覚神経線維の6倍が集中している。
ホシバナモグラは、恐らく、地球上でもっとも高感度であり、高解像度の触覚系だ…。
ホシバナモグラは、世界一食べるのが速い哺乳類。これはギネス世界記録として認められている。ホシバナモグラは、小さくしてじっとしている獲物を、瞬時に見つけて食べる。しかし、高速移動する相手を追いかけて捕まえるのは、まるで下手。
魚は「見たものを信じる」のではなく、「聞いたものを信じる」。魚の聴覚は実に速い。
平原にすむミミズを捕獲する。そのためには、鉄の棒を地中20センチまで打ち込む。それから、杭の頂上を鉄の棒でこすりはじめた。低い振動音が土のなかに反響し、森中に広がる。すると、まもなく巨大なミミズが地面にはいあがってくる。モグラが掘りすすんで近づくと、ミミズは地表に逃げている。
次は獲物を麻痺(まひ)させてしまうデンキウナギ。強力な電気を、いったいどうやって発生させ、自分の身は損なうことなく獲物だけをしびれさせるなんて、まさしく神業(かみわざ)…。
デンキウナギは、全魚の体の動きのすべてをわずか3秒以内に一時停止させる。
エメラルドゴキブリバチは、ゴキブリを殺さず、一時的に麻痺すらさせなかった。このハチは、獲物となったゴキブリを何も考えずに従順に従うだけの奴隷にさせる。ゴキブリの胸部にハチは毒針を挿入する。毒針にあるセンサーを使い正確無比な第1弾をお見舞いする。ゴキブリは、生きたまま、ハチの幼虫に食べられる。ゴキブリは反撃もせず、ハチの幼虫に生きたまま食べられる。
不思議、ふしぎ、フシギ…。世界は本当に不思議に満ち充ちています。
フシギをそのまま放置せず、不思議なものとして追跡を始めようと呼びかけている本でもあります。
(2022年8月刊。税込2530円)

もえる!いきもののりくつ

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 中田 兼介 、 出版 ミシマ社
 いろんな生き物をめぐる不思議な話が満載です。
 托卵(たくらん)とは、たとえば、カッコウは自分で巣をつくらず、違い種類の鳥の巣に卵を産みつける。 托卵される側が、なぜ他人の子を受け入れるのか…。
 托卵を受け入れたときにはあまりない、コウウチョウによる襲撃が半分の巣で起きた。これは、みかじめ料を要求し、それを拒否した店をめちゃくちゃに壊してしまうマフィアのやり方にそっくり。ええっ、そういうことなんですか…。
 ミツバチはゼロが分かるという実験にも驚かされます。
 ミツバチは、1から4までの数を区別できる。そして、何もないという状態は、1、2、3より小さい数、つまりゼロとして扱っている。
すごいですね、学者って、いろんな実験手法を次々に考え出し、比較検討して成果をひとつひとつ積みあげていくのですね。本当に尊敬します。
 子ブタたちは戦ごっこで遊んでいると、大きくなって、誰が強いかを決めるための本当のケンカをしたとき、メスは勝者になることが多い。ところが、オスの場合は真逆で、子ブタ時代によく遊ぶと、大人になってケンカに負ける。ええっ、よく遊ぶと、ケンカに弱くなるなんて、信じられません。
 新聞に連載されていたもののようですが、とても面白い本でした。
(2022年7月刊。税込1980円)

ゴキブリ研究はじめました

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 柳澤 静磨 、 出版 イースト・プレス
 著者は昆虫館の職員であり、ゴキブリを研究しています。そのため120種、数万匹のゴキブリを飼育しているのです。ところが、昔からゴキブリ愛好家だったのではありません。数年前まで、私と同じように、ゴキブリが大の苦手だったというのです。それが今では、ゴキブリストに変身。いったい何が起きたのか、なぜ…?
 ゴキブリ展を2ヶ月間やったら大盛況だったとのこと。すると、ゴキブリを家で見つけて殺すと、子どもが泣くようになった。なぜか…。かわいそう。そして、ぼくもゴキブリを飼ってみたかった…。いやはや、子どもの心は、かくも純真なのです。
 ゴキブリをペットとして飼育している人が日本にもいる。1匹数万円のゴキブリもいる。
 うぬぬ、なんと、なんと…。まあ、ヘビ(大蛇)をアパートの一室で飼っているうちに逃げられたというニュースが先日もありましたから、それに比べたら、可愛いし、まあ無害でしょうね。
 ゴキブリとカマキリは共通の祖先から分岐した、近い存在。そして、シロアリもゴキブリとは非常に近い生き物。シロアリはアリとはまったく別の生き物で、ゴキブリ目に属している。
 ゴキブリは匂いを出すものが多い。食べられないよう、匂いで防御している。鼻が曲がるほどの臭い、薬品の臭い、強烈な臭い。でも、干しシイタケの香りや、青リンゴのようなさわやかな匂いのするものもいる。
 ゴキブリのなかにも鳴き声を出すのもいる。危険を感じたとき、「食べないで」、「触らないで」とアピールしている。
 エサをやると、寄ってきて一生懸命に食べる姿はかわいい。触覚もきれいに手入れしているところも、見ていると癒される。脱皮した直後の白い姿は美しい。
 ダンゴムシのように、手のひらに乗せると、くるんと丸まってしまうゴキブリ(ヒメマルゴキブリ)もいる。
 ゴキブリの目は、大きく、愛敬のある複眼。
 ゴキブリは、世界に4600種、日本に64種いる。家の中に入ってくるゴキブリは、ごくわずかで、圧倒的多数は野外に生息している。
 「キモイキモイも、好きのうち。ゴキブリ展」が大盛況だったので、本になったのでした。
 私も「敵」を知りたくて読みました。面白かったです。
(2022年7月刊。税込1650円)

パンダ「浜家」のファミリーヒストリー

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 NHK取材班 、 出版 東京書籍
 日本にパンダがいるのは、東京の上野動物園、神戸の王子動物園、そして和歌山・白浜のアドベンチャーワールドの3園だけ。
 40年以上も前に子どもを連れて上野動物園にパンダを見に行ったときは、昼間なのでお目あてのパンダは寝ていましたので、よく見ることができませんでした。神戸には行ったことがありませんが、白浜のアドベンチャーワールドにはすぐ目の前でパンダがゆったり歩き、竹を食べていましたので、それこそ大興奮しました。
 アドベンチャーワールドには2回行きましたが、パンダをじっくり見たいなら、やっぱりここです。白浜温泉に1泊して、ゆっくりパンダを眺めると、ストレス発散まちがいありません。
 「浜家」のパンダファミリーとは、中国と提携しているアドベンチャーワールドでオスのパンダ「永明(えいめい)」が次々に子をもうけ、なんと16頭ものパンダの父親となったことによります。その子どもたちは、白浜で生まれたので、みな名前に「浜」がついています。それで、永明につながるパンダを「浜家(はまけ)」のパンダと呼んでいるのです。
 パンダの寿命は野生では15年ですが、飼育していると30年は生きます。永明がまさに30歳。人間でいうと90歳。まだまだ元気です。おっとりした性格で、いつものんびりしているのがいいようです。人間も同じですね。
 この本を読んでパンダにも右利きと左利きに分かれていることを知りました。永明は右利き。竹を食べるようになると、よく使う手(利き手)が分かるそうです。
 パンダは竹だけを食べるのではありません。雑食性の動物です。やはりクマの仲間なのでしょうね。肉も魚も昆虫も食べます。アドベンチャーワールドでは、竹以外に補助食としてリンゴ、ニンジン、動物用のビスケットを与えています。
 竹でも、どんな竹でもパクパク食べるパンダもいるけれど、永明は竹の選り好みがとても激しく、気に入らないと少しかじってポイ、匂いをかいだだけでポイしてしまう。
 永明の好む竹を求めてスタッフは駈けずりまわり、ようやく園内に植えて、食材を確保したとのこと。
 パンダの眼はあまり良くないようだが、鼻と耳は、とても良い。飼育スタッフの声は、ちゃんと聞き分けている。
 ちなみに、白浜にパンダがたくさんいるのは、中国のパンダ基地にいるパンダが病気で全滅しないようにするための安全策という面もある。白浜で生まれたパンダが中国に戻っていくのは、そんな交換条件があるからでもあるが、とても合理的なシステムだと思います。もちつ、もたれつのいい関係なのです。
 それにしても、何度みてもパンダの写真集って、心がなごみますよね。パンダ、万才です。NHKの番組が本になっています。
(2022年7月刊。税込1430円)
 日曜日、よく晴れた気持ちのいい朝でした。
 フェンスにジョウビタキがやってきて、しきりに尾っぽを振って挨拶してくれました。ほんとうに可愛らしい小鳥です。
 フジバカマの花が、白い花も茶色っぽい花もまっさかりです。アサギマダラは来てくれないかなと見守っていると、茶色の派手なチョウが一匹やってきました。でも、アサギマダラではなさそうです。
 庭師さんに伸びすぎた本を刈り込んでもらい、庭がずいぶんすっきりしました。今は芙蓉のピンクの花が咲いています。
 午後から、チューリップの球根、そしてアスパラガスを植えました。春にそなえます。今年もあと2ヶ月、早いものですね。

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