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カテゴリー: 司法

一歩前へ出る司法

カテゴリー:司法

(霧山昴)
著者 泉 徳治 、 出版  日本評論社
裁判所、とりわけ最高裁判所の内幕を知ることのできる大変興味深い本です。
正確には憲法学者を前に語った本ですが、著者は、最高裁の事務総長を経験して最高裁判事になったという、エリート中のエリート裁判官です。
ところが、弁護士になってからは自ら東京都議会議員定数是正訴訟で原告となるなど、憲法秩序をたもつためには裁判所は憲法を盾にして一歩前に出るべきだと声を大にして訴えています。そして、この訴えを、裁判官のときから実践していたことがこの本を読むとよく分かります。
著者は、裁判所は議会の立法裁量や政府の行政裁量の陰に隠れてはいけないと何回となく繰り返し強調しています。
裁判所のなかに、憲法で課せられた司法の役割に対する認識が十分に育っていない。憲法施行後70年の歴史のなかで、裁判所が法律や行政処分を違憲と判断したのは、わずか20件に過ぎないことがそれを裏付けている。
そして、国連の定める自由権規約について、条約に違反する法令は無効とすべきであるのに、現在の裁判実務は、条約適合性の審査を欠落させている。
日本の裁判所は、憲法より法律を重視し、法律解釈で立法裁量を最大限に尊重し、法律に適合するならば、憲法違反とは言えないとし、条約は無視している。このような現状は早急に改められるべきである。
私もまったく同感です。この指摘を受けとめ、広めるためにも、本書が広く法曹全般に読まれることを願います。
著者は、最高裁の司法行政部門と裁判部門の双方を知り尽くした存在である。司法行政部門では最高裁事務総長をつとめた。裁判部門では、調査官と最高裁判事を経験している。そして、最高裁判事としては、多くの個別意見を表明した。
この本を読むと、かつての自分の考えが誤りだったものもあるというのを著者は率直に認めています。たいしたものです。
著者は「ミスター司法行政」とも呼ばれる矢口洪一最高裁元長官の下でも長く働いていて、共通点と相違点があることを明らかにしています。
矢口裁判官は裁判官は少数精鋭でよくて、増員反対、むしろ弁護士からの任官者を増やせと言う考え方。これに対して著者は、裁判官を増員して裁判の迅速化を図るという考え方。
裁判官の外部研修について、著者はそれによって裁判所が準行政庁的機関になることがあってはならないと強調しています。外部研修によって、統治機関としての意識を強くして帰ってくる人がいないとも限らないからだという理由です。なるほど、その心配は的中しているかな、そんな気がしています。
著者は、再婚禁止期間の違憲判断は当然であり、夫婦同姓強制の合憲判断は間違っていると明確に断言しています。その論理はきわめて明快です。
多数決原理で個人の人権を無視することは許されない。
憲法を単なる要請、指針である、憲法は裁判規範ではなく、プログラムであるという最高裁の姿勢を強い口調で批判しています。
社会全体としては同一氏で規格化したほうが便利かもしれない。しかし、多少の不便は我慢しても個人としての生き方を認めていくべき。個人としての生き方が集団の中で押しつぶされてしまってはいけない。
現在の裁判官再任審査について、著者は次のように述べています。
下級裁判所裁判官指名諮問委員会の諮問を経て再任拒否が行われるようになったが、これには弁護士会側が会員から集めた情報が反映されており、当事者を強い調子で叱りつけるといった、訴訟指揮が乱暴であるとか、裁判の運営の仕方が問題とされるケースが多い。
記録を読んでいるとは思えない裁判官、形式的な枝葉にばかりこだわって大局観をもって臨んでいるとは思えない裁判官、強いものに弱いくせに弱い者には強い裁判官、まったくやる気の感じられない裁判官など、私も40年以上の弁護士活動で何度となく絶望的な心境になったことがあります。ですから、たまに当事者双方の意見をよく聞いて、なるほどと思える訴訟指揮をする裁判官にあたると、宝くじのように大当たりだと思ってしまうのです。
著者は最高裁による青法協攻撃を是認はしていませんが、その深刻な内情をあまり知らないのか(本当に知らないとは思えないのですが・・・)、やんわり批判するにとどめています。
青法協問題というのは、偏向裁判という外部からの攻撃をかわすために、最高裁が裁判官に対し、裁判所攻撃の口実を与えるような行動は慎むよう求めた、それが裁判所内にやや重苦しい雰囲気をもたらした、その後は、偏向裁判という攻撃も薄らいできたので、最高裁があれこれ言うようなこともなくなってきたということ。
しかし、私は「裁判所内にやや重苦しい雰囲気をもたらした」程度ではなかったと考えます。結局、裁判所のなかに青法協会員が一人も入らなくなったというだけでなく、憲法価値を裁判に活かそうと志向する人は裁判所という「暗黒世界」に足を踏み入れようとは考えなくなり、著者のいう統治機関としての意識ばかりの強い人が支配する硬直した組織になってしまったのではないでしょうか・・・。
著者は最高裁の裁判官に三人くらいは、物事の本質を見ようとする人、官僚的な発想にとらわれない人が必要だと強調しています。
いまの最高裁長官と同期(26期)で惜しくも最高裁判事にならなかった園尾隆司さんについて、著者は高く評価しています。民事裁判を柔軟で使いやすいものにしなければならないという考え方の持ち主で、大変才能と機知に富んだ人だ。「才を秘めた人」というより「才があふれ出ている人」なのである。
園尾さんは、学生時代に私と同じようにセツルメント活動をしていました。また、落語研究会(オチケン)にも入っていたとのことで、裁判官の仕事をしながら高座に出ていたというのでも有名です。破産法の運用について大胆な手法を取り入れた実績もあり、その解説を弁護士会主催の講演会で聴いたとき、固い話を笑わせながらわかりやすく話すのは、さすが「オチケン」出身だと感嘆したことでした。
著者は、自分のことを保守的な人間だと思うとしつつ、保守派でもリベラル派でもないとしています。
最高裁が違憲判決を出したのは、それが与える影響の非常に少ないケースのときに限っている。果たして、裁判所はそれでよいのかという疑問を投げかけています。
放送の自由をめぐっても、裁判所は、もう少し敏感になって権力側に自制を求める必要がある。いまの最高裁には官僚派の裁判官が大勢を占め、社会秩序重視の判決が多くなっている。
私としては異論のあるところもいくらかありましたが、全体としては、エリート裁判官として歩いてきた割には、憲法価値と少数者の人権擁護を守る裁判所の役割を強調するなど、かなり思い切った発言をしていると驚嘆しました。一読に価する本として、法曹三者に限らず広く読まれてほしいものです。
(2017年1月刊。2700円+税)

実践!刑事弁護・異議マニュアル

カテゴリー:司法

(霧山昴)
著者  大阪弁護士会刑事弁護委員会 、 出版  現代人文社
 私の世代には刑事弁護から足を洗ったという弁護士も少なくありませんが、私は当番弁護士も被疑者・被告人国選弁護も引き受けています。常時1件は担当している状況です。国家権力と対峙する弁護人の職責を忘れたら弁護士ではなくなる気がするのです。私選刑事弁護はたまにしか依頼がありません。その数少ない私選刑事弁護人として、最近のことですが、被告人質問していると、情状弁護なのに検察官が異議を出してきて驚きました。私が質問時間の短縮のために一覧表を示したところ、根拠条文は何かと若い検察官が口をはさむのです。記憶喚起のために必要だと答えたところ、裁判長も助け舟を出し、検察官はすぐに撤退し、私はそのまま尋問を続けることが出来ました。
 刑訴規則199条の11によると、裁判長の許可を受けたうえで書面を示して尋問できるとなっています。よく覚えていないのですが、このとき、私が裁判長の黙示の許可で一覧表を示した点を検察官が突いてきたのかもしれません。このときは、事実を争うケースではなく、情状に関連する事情を強調したかっただけでしたし、尋問の流れを詳細に準備していましたので、検察官がチャチを入れたからといって、動揺することもありませんでした。しかし、異議が出ると、たいていは調子が狂ってしまい尋問の流れがしばらくギクシャクしてしまうものです。つまり、法廷での異議は、それが認められるかどうかよりも、大変な効果のある「武器」なのです。
この本は、その異議について、きわめて実践的な解説本になっています。
異議は、時宜に応じて適切に申立することが必要である。明らかに不適切な異議は、訴訟の進行をもっぱら阻害し、裁判官・裁判員の信頼を損なってしまう。
異議を述べるときには、起立して行なう。そして、理由を簡潔に述べ、裁判所が裁定するまで着席しない。決して感情的にならず、あくまで冷静な口調で異議を述べ、その理由を明らかにする。
異議を申立しにくい心理に陥らないためには、早めに何度か異議を言っておくこと。中心争点に入る前に異議を述べるのは有効である。
異議申立の効果は、①検察官が慎重になって、誘導尋問が減る。②裁判所が尋問の内容に敏感になるとともに、異議の裁定に慎重になる。③弁護人として、ためらいなく異議申立てできるようになる。
ただし、証人が検察官の誘導尋問によって自己矛盾供述を始めたときには異議を述べずに自由に証言をさせるほうがよい。
検察官の異議に理由があると思ったら、速やかに撤退して質問を変える。
裁判所の尋問に対しても異議申立は許される。裁判官であっても、誘導尋問や、誤った心証を導く危険性のある尋問をする可能性があるのは当事者と同じなので、裁判所による尋問に対しても異議が認められるのは明白である。当然のことです。
 最後に、刑事弁護人として高格な後藤貞人弁護士へのインタビューが紹介されていますが、なるほどと思わせる内容でした。
 異議申立をしにくい理由は三つ。一つは、瞬時に判断して行動しなければならないのが難しい。二つは法文の知識が欠けている。三つには、異議申立に理由があったとしても、戦略上それを行使すべきか判断が難しい。
 被害者が参加している法廷では、攻撃せず、防御に専念したほうがいい。
 刑事裁判の法廷にのぞむ前に読んでおくべき本の一つだと思いました
(2012年5月刊。1700円+税)
郵便受けに白い大型封筒が入っていました。仏検(準一級)の合格証書が送られてきたのです。これで5枚目です。
筆記試験もさることながら、口述のほうが思わしくないのを反省して、毎朝の書き取り練習に加えて、金曜日の夜は、仏作文に挑戦することにしました。翌朝のフランス語教室で発表してフランス人教師から添削してもらうのです。思ったように単語が出てきませんので、辞書を片手にフランス語で文章を書き、自由に話せることを目ざします。
古稀も近づいてきましたので、ボケ防止策として、がんばっています。

密着・最高裁のしごと

カテゴリー:司法

(霧山昴)
著者 川名 壮志 、 出版  岩波新書
いまの最高裁長官の寺田逸郎氏は、私と同じ団塊世代ですが、その父親である寺田治郎氏も最高裁長官をつとめています。はじめての二代目長官です。
寺田長官は、裁判官としての仕事をしたのは、わずか9年しかなく、26年ほど法務省で検事として働いていた。要するに立法作業をしていたのです。そして、その関係で国会、つまり自民党にも広く顔がきいたようです。ですから、たとえば夫婦同姓を事実上押しつけている民法の規定が憲法違反だと認めるはずもありません。自民党にたてつくなんて「恐ろしい」ことをする勇気は、はなからもちあわせていないのです。もっとも本人は、そんな発想がないでしょうから、「勇気」が欠如していると指摘されても、恐らくピンとこないことでしょう。
妻が夫以外の男性とのあいだの子を産んで、夫の子として戸籍にのっていた場合に、DNA鑑定の結果、100%近い確率で夫の子でないとされたとき、法律上の父子関係が取り消せるのかというケースで、最高裁は取り消せないとしました。
たとえ、夫と子のあいだに生物学上の血縁関係がないことがDNA鑑定で明らかになったとしても、夫が別居して妻が子どもを引き取って育てていても、民法の規定がある限りは、法律上の父子関係は有効であって、取り消せないと最高裁は判断したのです。
ええっ、科学的知見を裁判所は無視してしまうのか、そんなことは許されるのか、そんな疑問が当然におきます。
最高裁の多数意見は、それをおかしいと思うなら、法律を変えるしかない、法律どおりにしたほうがいい、という考えです。ところが職業裁判官のほうが、むしろ真実の父子関係を優先させるべきだとしたのでした。意外ですね。ただし、それは少数説だったわけです。
最高裁判所というのは、ときに、「最低」裁判所と非難されることがあります。私もときに、そう考えます。たとえば、砂川事件判決のとい、ときの最高裁長官だった田中耕太郎(軽蔑するしかない人間ですから、当然、呼び捨てします)は、裁判官の守秘義務なんてそっちのけで、駐日大使に会って、裁判官会議の内情をバラし、知恵を授かり、アメリカに迎合する判決を出すのに狂奔したのです。これはアメリカで公文書が公開されて事実として確定しているのに、今の最高裁は知らんぷりをしたままです。アメリカがからむことに反対意見を述べる(反省する)なんて、出来るはずもないということでしょう。
そして、最高裁の裁判官のなかで弁護士出身者の枠が昔は5人だったのが4人になり、今度は3人にまで減らされています。つい最近、学者が弁護士の肩書で就任したからです。
行政官出身は、あくまで国の味方です。学者も大半が勇気のない人たちで占められています。もっと気概ある弁護士出身の裁判官がいてほしいものです。最近では、滝井さんや宮川さんは本当にがんばりましたね。
マンガがイラストがたくさんあって、最高裁の内情の一端を知ることの出来る新書です。
欲を言えば、もう少し踏み込んで、官僚統制の元締めであり、弁護士任官の拒否など、厳しく批判すべき点が多々あることにも触れてほしいと思いました。
(2016年11月刊。840円+税)

若手法律家のため法律相談入門

カテゴリー:司法

(霧山昴)
著者 中村 真 、 出版  学陽書房
法律相談でいちばんむずかしいのは市役所の無料相談の対応です。なにしろ、種々雑多、何が飛び出すか予測がつきません。そして、時間制限ありで、待ったなしなのです。下手に間違ったことを答えて、弁護士も自治体も訴えられる危険だってあります。
この本は、マンガを描ける神戸の弁護士による入門書ですので、至るところにユーモアたっぷりのマンガによる解説がついていて、とても読みやすくなっています。
相談者との信頼関係がまだない法律相談の場では、求められても手書きの文章の交付は控えるべき。一人歩きしてしまう危険がある。
もちろん、一人歩きの危険がないと判断したら、メモを渡してもいいと私は思います。私は、たまにメモを書いて渡すことがあります。
そして、相談者があまりにも切迫した危険を感じていないときには、危機感をもってもらう必要がある。そうなんです。たまに、そんな人がいます。
法律相談を受けるとき、同席者がいるときには、氏名と本人との関係をたずねること。同席者が身分を明らかにしようとしないときには要注意。相談を受けるのをやめたほうがいいときもある。
たしかに、うさんくさい人が同席しているときには警戒すべきです。
いつも聴き手の側が話の主導権(イニシアティヴ)をしっかりと握っておく。
ときには、相談者の話をやんわりとさえぎることも必要。
不信感を抱かせずに、話をコントロールするためには、言葉だけでなく、表情や身振りでも共感していることを示す。これは大切なことですよね。
大切なことは、本当に共感しているかどうかではなく、共感しているように見えるかどうか。弁護士は、相談者が当面、どのように対応すればよいのかを、具体的に示す必要がある。
相談者から尋ねられていないことでも、説明してやったほうがよい場合もある。
この本には見通しが厳しい事件を受任するときには確認書をとりかわすべきだとして、その見本が紹介されています。たしかに、私も何回となく、そのような事件を受任しましたが、書面をとりかわすという発想まではありませんでした。
受任を拒否するときのヒナ形も紹介されています。そして、「見合わせます」とか「お断りさせていただきたい」などと、もって回った言い方ではなく、「断ることとした」と、端的かつ明確に打ち出すべきだとしています。なるほど、そうなんですよね。
不当な事件と思われるときには、依頼が不当であることを端的に理由にあげて断るべきで、それ以外の事情を理由にしない。
事件の着手を早くするのは、気分の乗らない事件に自分を駆り立てやすいからでもある。受任して、着手金ももらっているのに、遅くなると、時間がたってしまうと、それが難しい。
この本では契約書を依頼者と取りかわすのをマンガのなかで「巻く」と言っています。私自身は使いませんが、若手弁護士にも使う人は多いようです。私には、どうにもなじめない言葉です。
(2016年5月刊。2400円+税)

進駐軍が街にやって来た

カテゴリー:司法

(霧山昴)
著者  堤 淳一 、 出版  三省堂書店
 私の敬愛する東京の先輩弁護士が書いた本です。日弁連の弁護士業務委員会でご一緒させていただきました。
 年に2回、盆暮れに事務所報を送っていただきますが、その歴史読み物は秀逸です。ともかく半端な掘り下げ方ではありません。よくもここまで調べたものだと驚嘆しています。
 弁護士生活50年を迎え、これまで所報に書いた文章を選び出して一冊の本にまとめられています。有事法制や日本の防衛問題の点では著者の考えは私と一致しませんが、その指摘には、なるほどというところがたしかにあります。
 著者は居合道を55歳で始めて、今も続けているとのこと。すごい粘りです。今では三段です。
居合道では、敵は頭の中で想定されたもので、実際にはいない。要するに居合は形(かた。所作)を修業するのであって、居合において斬突する相手はイメージである。
 ガリ版、そして「ガリ版をきる」という懐かしい話も出てきます。私も大学生のころは、必死で「ガリ切り」をしていました。コピー機なんて、なかったころの話です。
そして、この本の白眉は、横浜大空襲と飢餓の体験談です。
 アメリカ軍のB29が昭和20年(1945年)4月、5月、横浜を襲いかかりました。当時37歳のカーチス・ルメイ少尉が指揮する大空襲でした。このカーチス・ルメイは、まさしく「大放火魔」と言うべき人物であり、ベトナム戦争では「ベトナムを石器時代に戻すと高言し、実行しました。アメリカ軍は、昭和20年以降は4~5000メートルの高高度から、もっぱら焼夷弾をもって民家を焼き払うことを狙った。
ところが、戦後の日本は、こともあろうに「大放火魔」のカーチス・ルメイに勲一等という大層な勲章を与えているのです。日本政府には信じられないほど、アメリカ人へのおべっか使いばかりです。日本の政治がアメリカにこれほどまでに従属しているかと思うと、思わず泣けてしまいます。
戦後の日本において、子どもたちの遊びが絵入りで紹介されています。懐かしい思い出がたくさんで、ありがとうございました。
(2016年11月刊。2000円+税)

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