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カテゴリー: 人間

作家はどうやって小説を書くのか

カテゴリー:人間

(霧山昴)
著者 パリ・レビュー・インタヴュー 、 出版 岩波書店 
 話では、プロットがなにより大事だ。最初は、ぞくっとするような感覚か、書こうとしている話の気配があるだけ。それから登場人物たちがあらわれて乗っ取りにかかり、ストーリーをつくり出す。
書きはじめると、驚きの連続だ。ありがたい。そんな驚きや転回、書いているときに、どこからともなく出現してくる言葉こそ、予想外のおまけみやいなもの。そういう楽しい小さなプッシュがあるから、どんどん書いていけるんだ。
小説は、文章のリズムがちょっとおかしくなっただけでダメになる。句読点のつけかたなんかも要注意だ。
タイプライターは使わない。第一稿は手書きだ。鉛筆で書く。それから徹底的に直す。これも手書きだ。第三稿になってタイプで打つ。そして、しばらく放っておく。1週間、1ヶ月、ときにはもっと長く。それから読み返し、友人に読んで聞かせる。万事OKになったら、最終稿を白い紙に打つ。
活字にしたあとは、聞きたいのは、読みたいのは、ほめ言葉だけ。
登場人物の名前のつけ方にはこだわる。一つは、祖父や曾祖父の名前を忍び込ませる。もう一つは、なんらかの印象に残った名前を使うこと。
そうなんです。名前は私もいろいろ工夫し、考えています。ありふれた名前より、ちょっと読み方が難しい名前にします。印象(記憶)に残りやすいようにするのです。
プロットをたてず、直感、ひらめき、夢ぼんやりしたプランですすめる。登場人物や事件は一緒に浮かんでくるもの。
たくさん本を読むと、いかに自分がものを知らないかを学ぶことになる。学べば学ぶほど、どんどん分からなくなってしまう。これが真実だ。
何も聞こえていない読者に向かって、ページの上から静かに働きかけることのできる言葉を書く。そのためには、言葉と言葉のあいだにあるものに、とりわけ注意深く取り組まなくてはいけない。書いているものにパワーをくれるのは、言葉としては書かれていないものだ。
セックスについて書くのが難しいのは、セックスってセクシーなだけじゃないから。セックスについて書くには、なにより書きすぎないこと。本を読む読者が性的関心を発揮させるのに任せる。
名の通った作家に直撃インタビューしたものが一冊の手頃な本になっています。私でも知っている作家としては、カポーティ、ボルヘス、モリスン、マンローなどですが、彼らの本を読んだ覚えはほとんどありません。申し訳ないというより、残念です。もっと時間をつくり出して本を読みたいと考えています。それでも、6月に入って、半年で250冊のノルマは達成できそうです。
(2015年11月刊。3200円+税)
梅雨のあいまに晴れた日曜日、恒例の仏検(一級)を受けました。結果を先にお知らせしますと、150点満点で70点だった昨年に比べて、今年は自己採点では54点と大きく下まわってしまいました。ようやく4割の壁をこえ5割を目ざす心意気だったのですが、明らかに不出来でした。
それでも、この一週間は集中してフランス語を勉強しました。もう20年にもなりますので、過去問も繰り返し練習しました。そして、毎朝のNHKラジオ講座では早口のニュースの聞きとり書きとりに挑戦しています。まだボケたとは言われたくないので、引き続きフランス語にもがんばります。

コーヒーの科学

カテゴリー:人間

(霧山昴)
著者  旦部 幸博 、 出版  講談社ブルーバックス新書
 私は喫茶店に入ったら、カフェラテかカフェオレを注文します。ブラック・コーヒーはあまり好みではないのです。飛行機に乗ったら、もっぱら日本茶です。アツアツの日本茶が美味しくいただけます。ひところは紅茶党でしたが、外では美味しく紅茶を飲めるところが少ない気がします。
 コーヒーは、「コーヒーノキ」というアカネ科の植物の種子を原材料として作られる。
コーヒーノキは寒さに弱いため、熱帯から亜熱帯に位置する生産国のコーヒー農園で栽培されている。
 コーヒーの焙煎とは、生豆を乾煎(からい)りすること。つまり、残った水分を飛ばしながら、通常180~250度まで加熱する。コーヒー豆は焙煎されたあと、時間がたつと香りが抜けたり、成分が変質したりして、香味が劣化していく。そこで、焙煎は、生産地ではなく、消費地か、その近くで行なうのが一般的。
 コーヒーノキの祖先は、2730万年前にクチナシの祖先から分岐し、その後、1440万年前にシロミミズの祖先と分岐して、アフリカの下ギニア地方(現在のカメルーン周辺)で生まれた。これって、人類の祖先がアフリカを発祥の地とするのに似ていますね・・・。
 コーヒーノキ属には125の種があるが、「コーヒー」をとるために栽培されているのは、わずか2種のみ、アラビカ種とカネフォーラ(ロブスタ)種。我々がふだん飲むコーヒーのほとんどはアラビカ種。あるいは、アラビカ種をメインとして、カネフォーラ種をブレンドしたもの。
アラビカ種はエチオピア高原が原産地。アラビカ種は、標高1000~2000メートルの気温が低目。高地での栽培に適していて、世界中で高業栽培されている。ただし、病虫害に弱いという難点がある。
アラビカ種は、他家受粉に適したタイプの花をもちながら、自家受粉も可能だいう異色の存在である。
 コーヒーノキで、もっともカフェインが多いのは生豆、つまり種子の部分。カフェインには、他の植物の生育を阻害する作用がある。また、カフェインには、ナメクジやカタツムリに対して毒性を示し、これらを寄せつけない効果(忌避作用)がある。つまり、カフェインには、外敵による食害から新芽を守るために植物がつくり出した「化学兵器」の一つなのである。
 コーヒーを初めて利用していた人間はエチオピアで西南部の人々。今でも、お茶のように飲んだり、炒めて食べたり、薬にしたり、贈り物にしたり、さまざまな利用法がある。
 コーヒーは、さび病や、霜害、干ばつの被害を受けやすく、価格が大きく変動するため、経済的には不安定な作物である。
 缶コーヒーを、発明というか、実用化したのは日本人。1965年の「ミラコーヒー」。そして、 1969年のUCCのミルク入り缶コーヒーから一般的に売れた。
江戸時代の日本人は、コーヒーについて、「焦げ臭くて、味わうに堪えず」と評した。その後、「おいしい」とみられるようになった。
カフェインは熱には非常に強く、焙煎中に分解されたり、他の化合物と反応したりすることはない。
ボードレールは、毎日10杯のコーヒー、バルザックは1日50杯ものコーヒーを飲んだ。これは、いくらなんでも飲み過ぎでしょうね。
コーヒーは肝がんのリスクを低下させるし、糖尿病リスクも低下させる。
美味しいコーヒーをゆっくり味わう。そんな精神的余裕をもちたいものですよね。
(2016年4月刊。1080円+税)

ちっちゃな科学

カテゴリー:人間

(霧山昴)
著者  かこ さとし、福岡 伸一 、 出版 中公新書ラクレ 
 かこさとしは、セツルメント活動の大先輩です。私は大学生のころに3年ほど、かこさとしは大学を卒業して、会社に勤めながらセツルメント活動をしていました。
そして、かこさとしの絵本には、うちの子どもたちも大変お世話になりました。「からすのパンやさん」や「どろぼうがっこう」などは、読んでいる大人も面白い絵本でした。もちろん、100万部をこえるベストセラーである「だるまちゃん」シリーズの絵本もいいですよ・・・。
90歳になる、かこさとしが手がけた絵本は、なんとなんと600冊。すごいですね。すごすぎます。目を悪くして、絵を描くのはやめたそうですが、本のほうは、今も原稿を書いているとのこと。いやはや、たいしたものです。あやかりたいです。
セツルメントというのは、ボランティアで子どもに勉強を教えたり、医療相談や法律相談をする組織。
私が大学生のころには、全セツ連(全国学生セツルメント連合)という組織があり、年に1回、全国大会を開いて経験交流していましたが、全国から学生が1000人ほども集まり、活気あふれる交流会でした。夜行列車に乗って東京から名古屋に行ったことを今も覚えています。私は子ども会ではなく、青年部に所属していて、若者サークルに入って、楽しく べったり、ハイキングや早朝ボーリング大会などをしていました。ところが、そんなサークルもアカ攻撃がかかってきたりして、社会の厳しい現実に学生は直面して、目を見開かされていくのです。
かこさとしが繰り返し「大勢」を描くのは、自分が世界の中心にいるとはとても思えないから。この世界は多様であり、自分はどこか端っこにいる。でも、端っこでも、そこは世界の中なんだということを言いたいから・・・。
かこさとしの絵本には、余白、何も描いてない空白の部分がたくさんある。そこは、子どもたちが想像力を広げるための「延びしろ」としての余白である。
子どもたちが理科離れしているとしたら、それは大人が理科離れしているからだ。
子どもの本が売れなくなっている。なぜか・・・。日本の母親が子どもの本を買わなくなったからだ。ええっ、子どもの本まで売れてないのですか、知りませんでした。そう言えば、昔ほど、絵本が話題にならない(なっていない)気がしますね。
「花咲き山」とか「八郎」とか、日本には本当にいい絵本がたくさんありますよね。ぜひ、子どもたちに語り伝え、読み聞かせたいものです。
(2016年4月刊。800円+税)

性のタブーのない日本

カテゴリー:人間

(霧山昴)
著者  橋本 治 、 出版  集英社新書
戦国時代に日本にやってきた宣教師は、日本人が好奇心の強いことに驚くと同時に、女性が強いこと、性風俗が開放的なことにもショックを受けていました。ルイズプイスの報告書に書かれています。
古代に「性交」のことを「まぐわう」と書いた。これは目交(まぐわう)であり、視線が合うこと。昔は、家族は別として、男女が顔を合わせることはなかった。だから、他人である男女が顔を合わせてしまったら、もうそこに「性交の合意」が出来てしまう。視線が合うと性交渉になる。 
近代以前の日本には、「おっぱい文化」がない。西洋は、古代ギリシャの女神像以来、オッパイ文化である。しかし、日本の彫刻の中心は仏像であり、仏様は女性ではないので、オッパイがない。江戸時代の日本では、浮世絵春画にも、大の男がオッパイにむしゃぶりつく図柄はまずない。それをするのは、子ども、幼児だけ。
オッパイがボンと出てお尻がバンと張っていると、「鳩胸出っ尻」(でっちり)と言われて、バカにされた。あまり体に凹凸(おうとつ)のない「柳腰」が良いとされていた。浮世絵師は、オッパイを描いても、乳首に色をつけなかった。乳輪も乳首も、肌と同じ白のままにした。
平安時代の貴族の娘は、自分名義の土地建物をもっている。不動産の相続は父から娘へされるのが当然のこと。反対に貴族の息子は相続できない。「住む家がほしけりゃ、自分で女のところに転がり込め」というのが、当時の「通い婚」の実態なので、いつまでも親の家に住んでいられない息子たちは、必死になって女との縁を求めた。結婚が成立したら、男は女の家に転がり込み、しゅうとである女の父から様々な援助を受けて、やがては女の邸を自分のものとし、これを女が生んだ娘に相続させた。
摂関政治の時代に価値があるのは、男ではなく、女だった。この日本は、昔から女が力をもっている国である。平安時代の前に、女帝は何人もいる。桓武天皇は、初めての男の天皇を父とする天皇だった。藤原道長の栄華を支え、摂関家に全盛をもたらした女たちが、今では次代の摂関家を担うはずの男たちの足をひっぱりはじめた。道長に栄華をもたらした、彼の遺産でもある娘たちは、摂関家の息子たちには大きなストレスとなった。競争相手に姉が加わって、頼通と教通の兄弟間の争いが激化するのは、当然のことだった。
日本の女性は、昔から、決しておとなしくなんかない。源頼朝夫人の北条政子。足利義政夫人の日野富子、徳川家康の乳母の春日局。この三人を「日本三大悪女」という。
「戦うのよ、進軍よ」と号令をかけた女性の天皇が二人いる。女帝があたりまえの時代、女性は権力闘争にすすんで参加していた。
私と同じ世代の著者ですが、さすがに学識が深いのに感服します。今や、全国の法律事務所の業務量の相当割合を不倫・男女間のトラブルが占めていると思います。性のタブーは、昔も今も、日本にはあって、ないようなものなんですよね。
(2015年11月刊。780円+税)

「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本

カテゴリー:人間

(霧山昴)
著者  茂木健一郎、羽生善治 、 出版  徳間書店
物忘れしない脳の作り方というサブタイトルに惹かれて読んでみました。
脳を若々しく保つためには好奇心をもつこと。運動を定期的にしている人は、認知症になりにくい。運動したほうが、肉体だけでなく、脳も若々しくいられる。私は週1回、プールで1キロ泳いでいます。これだけでは足りないのでしょうか・・・・。
脳は、その人がチャレンジできるぎりぎりのものに挑戦しているときが楽しい。脳は楽をすると、どんどん衰えていく。
度忘れするのは、脳のなかの側頭連合野から前頭前野に記憶を引き出す回路が使われないから。前頭葉は、脳全体の司令塔。前頭葉が活性化すると脳全体も活性化し、回路を強めてくれる。
ドーパミンは、前頭葉のために神様がつくってくれた素晴らしい物質。子どもの脳が若々しいのは、ドーパミンがたくさん出ているから。初めてのことや、びっくりするようなことを経験したときに、ドーパミンは出る。子どもは初めてのことに毎日のように出会う。だから、子どもの脳は、毎日デビュー効果でいっぱいだ。
人間の脳は、何歳になっても、ドーパミンを出す能力がある。人間は不安になることに挑戦しないとドーパミンが出ない。つまり、挑戦してみようという気になるかどうかが、非常に大切。
私は、このところ初めて本格的に小説(フィクション)に挑戦してみました。もちろん、体験と歴史的事実はきちんと踏まえているのですが、それをつなぎあわせるところは、すべてフィクションにしてみたのです。4月には一冊の本に仕上がる予定です。今からワクワク楽しみにしています。売れたらいいな・・・。皆さん、ぜひ買って読んでくださいね。お願いします。ちなみに、著者名は、このコーナーと同じです。
初めてのことに挑戦してドーパミンを出すには、受け身ではなくて、自分から何かをやってそれからうまくいったときのほうがドーパミンは出る。
大人になっても、子どもの心を忘れてはいけない。脳のなかに安全基地がないと挑戦できない。
人間の脳には、自分で自分を治す力、自己治癒力がある。どうしたらマイナスのエネルギーをプラスに変えられるかというと、人との絆が非常に大切である。
個性というのは、出来ることとできないことが一つになって個性なのだ。
人間は、今のありのままの自分を受け入れるのが大事だ。ひとそれぞれの幸福がある。
脳の好奇心や人との絆の大切さがよく分かる本です。
(2015年3月刊。1000円+税)

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