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カテゴリー: 社会

ニッポン華僑100万人時代

カテゴリー:社会

日経新聞社取材班(KADOKAWA)

今や日本にいる中国人は100万人になろうとしてます(2024年、現在87万人)。これは、在日朝鮮・韓国人の43万人よりも多いのです。

そして、中国の富裕層だけでなく、中流層も日本に流入しているとのこと。その思いは、さまざまのようです。たとえば、最近久しく行っていませんが、アメ横もアキハバラも中国人の街と化しているとのこと。驚きました。アメ横といえば、シャケやイクラなど海産物を師走に売っていますよね。ところが、それは年末だけで、あとは中国系の飲食店ばかりになっているそうです。観光客が生魚を買うはずはありません。

そして、アキバも、かつてのような電気製品の部品を売るような店はほとんどなくなっているとのこと。私は50年以上前の司法試験受験生のころ、友人と一緒にアキバに出かけ、オーディオ製品を安く買いそろえてもらったことがあります。

 世の中は、ものすごい勢いで変化しつつあるのですね…。

 韓国でも尹元大統領を支持する若者たちが嫌中デモをしているそうですが、日本でも同じようなヘイトデモが横行しているのが残念でなりません。自分が大切にされていないことへの不満がヘイト・スピーチでうっぷん晴らしにつながっていると見られています。

この本を読むと、日本は、今や中国人を含めて外国人がいないとまわらない環境にあることがよく分かります。熱海などの温泉地のホテルも中国資本から次々に買収されているそうです。日本人経営者が逃げ出したようなホテルなので、中国資本が買収して、ホテルとして再建してくれるのだったら、何も文句が言えません。

 山梨県の石和(いさわ)温泉のホテル40軒のうち、4分の1の10軒が中国資本になっています。

 北海道のニセコは海外資本が大挙出動していますが、富良野(ふらの)も同じように中国資本の投資が目立っています。京都の民泊の3割800軒が外国人によって経営されているとのこと。その主力は中国人です。

 この本を読んで驚いたのは、東京23区の火葬場と葬儀場まで中国資本が担っているということ。東京博善は中国資本で、7割のシェアを誇っています。

 中国人留学生がどんどん増えていて、東大の学生の1割、大学院生の4分の1が中国人になっている。うひゃあ、こ、これにも驚きました。

中国人の留学生は平均して毎月15万円の仕送りを受けているそうです。それでも、日本は欧米に留学するより安いので、人気があるそうです。いやあ、中国と日本って、こんなに深い関係があるのですね…。本当に仲良く共生していきたいものです。

025年10月刊。1980円)

高速取引

カテゴリー:社会

(霧山昴)

著者 水田 孝信 、 出版 星海社新書

 1秒間に5000回もの注文を可能とするコンピュータによる自動取引を高速取引という。

 東京証券取引所(東証)の全注文のうち、なんと8割前後が高速取引。高速取引業者は速さを競っている。もっとも速い業者だけが利益を総取りできる。そのため高速取引業者は、取引所のシステムを扱うコンピュータになるべく近いところに、発注するコンピューターを置きたがる。

 うわっ、なんか笑い話みたいです。超高速なので、遠い近いなんて関係ないかと思ったら、近い方が有利だというのです。信じられません。

 シカゴの取引所からニューヨークの取引所までの地下に直線の専用線を引くために地権を置いあさったり、専用の電波塔を建てて返信したりする。アメリカと日本を高速取引専用の海底ケーブルで結ぶという計画まであった(実現していないようです)。

 人間対AIではなく、人間がAI同士を戦わせている。

 東証のシステムの注文応答時間は200マイクロ秒。これは1万分の2秒ということ。人間がまばたきする間に500回もの取引が行われている。

 高速取引は人間には見えない。高速取引にとって、1日で1億回の取引ができ、人間でいうと830年に相当する長さ。

 高速取引は市場が荒れていると儲けにくくなる。損をするくらいなら、取引しないほうがマシだと考える。高速取引が一番儲けやすいのは、毎日同じことが繰り返されているとき。

 高速取引の全盛期は2000年代の後半。2010年代後半から過当競争になっている。

 高速取引は装置に多額の資金を要する、装置産業。2024年10月現在、日本で金融庁に登録している専業の高速取引業者は53社。そのうちダルマ・キャピタル以外は、すべて海外の業者。

 今では高速取引業者は、それほど儲からない業界になっている。

 フェイクニュースの本当の恐怖は、事実を伝えるニュースが嘘だと認知されてしまうこと。

 生成AIは、相場操縦を行う強力な道具だ。

 高速取引は、実は見せ玉に異常なまでに弱い。取引するつもりのない、高速取引を騙すためだけの大量の指値注文を繰り返し出し、ナブ(詐欺師)は利益を得ていた。生成AIを使えば、他人に成りすまして本人確認を突破される危険がある。

 生成AIとか、本当に怖いものが登場していますよね。AIを使って高速取引によって設けるなど、昔はまったく考えられませんでした。世の中は、恐ろしい勢いで変化しています。

(2025年9月刊。1250円+税)

首都圏は米軍の「訓練場」

カテゴリー:社会

(霧山昴)

著者 毎日新聞取材班 、 出版 藤原書店

 実に腹立たしい本です。いえ、著者に対して怒っているのではありません。書かれている内容、アメリカ軍の横暴と日本政府の屈辱的な追従に対して、です。

 東京の六本木は、日本有数の高級歓楽街だし、高層マンションの集中立地しているところですが、そこにもアメリカ軍の基地があります。そこに横田基地などからアメリカの軍用ヘリコプターが飛んできて、低空そして周回(遊覧)飛行しているのです。日本の航空法の高度制限などはまったく無視してのものです。

 アメリカの政府関係者は横田基地に着陸したら、パスポート不用です。そして、そのまま六本木に飛んで、東京見物を楽しむことが出来ます。まさに、日本はアメリカの植民地扱いされているのです。

 まずは、陸軍のブラックホークです。高層ビルの林立するなかを高度200メートルで周回飛行するのです。危険きわまりありません。高層ビルが林立しているということは、「ビル風」という乱気流が発生するということです。

 ブラックホークというのは攻撃型ヘリコプターですが、アフリカでは墜落して脱出するとき包囲されて地元住民と銃撃戦を展開しました。この状況が映画になっています。また、オサマ・ビンラディンを殺害したときにも使われましたが、このときもヘリコプターの1機は不具合を起こしてしまいました。

ブラックホークの巡航速度は時速200キロ以上。ドコモタワーと東京都庁の間は550メートルしかない。そのなかを低空で通過している。いやあ、本当に危ないです。

 アメリカ海軍のヘリコプターは「シーホーク」といい、「ブラックホーク」によく似た大型ヘリコプター。スカイツリーの周囲を低空で2機が周回したのを目撃。要するに観光しているのでしょう。そして、隅田川の上空は、なんと高度100メートルほどで飛行。これまた観光です。ひどいものです。

 なんでアメリカ軍のヘリコプターがこんな危険な低空飛行を繰り返しているのか…。

 考えられるのは、要人輸送のための完熟訓練、市街戦を想定した訓練…。つまり、日本人を守るためではないということです。

 障害物の多い市街地での低空飛行をするには高い操縦技術が必要で、事故につながりやすい。市街地の上空をこんなに低空で飛行するのを、アメリカではやっていない。これだけ好き勝手にアメリカ軍が出来るのは、日本と韓国くらいのもの。ヨーロッパではありえない。

 いやはや、本当に情けない。涙が出てきます。参政党を支持した皆さん、これで「日本人ファースト」と言えますか…。

 マスコミが、これを問題にし、国会で共産党の議員が追及しても、アメリカ軍が「問題ない」としているからといって、日本政府は何もしないで放置しているのです。

 アメリカ軍のヘリコプターは、昼間だけでなく、夜も都心を低空で飛んでいる。これにも驚きました。

 アメリカ軍の横田基地は、事実上、治外法権になっています。日本政府は監視しようともしていません。PFASなどの違法物質のたれ流しも野放しのままです。ひどすぎます。

 横田基地で働く1000人の日本人従業員の給料の大半は、私たち日本人の納めている税金によってまかなわれます。アメリカ軍が負担しているのではありません。

 アメリカ軍が日本を守ってくれているのだから、日本が費用負担するのは当然だと考える人がいます。でも、トランプ大統領は、それこそ「アメリカ・ファースト」です。日本を守るつもりなんか、カケラもありません。それでも、日本はアメリカの言いなりって、おかしくありませんか…。

 読みたくない、知りたくない、内容のオンパレードです。それでも、目を閉じておくわけにはいきません。一読をおすすめします。

(2025年9月刊。2750円)

財界論

カテゴリー:社会

(霧山昴)

著者 古賀 純一郎 、 出版 旬報社

 財界の総本山、日本経団連の会長に日本生命の前会長(筒井義信)が就任したのは、私にとっても意外でした。製造業ではなく、金融界からの初めての会長なのです。

 日本生命は、「ザ・セイホ」といって、100兆円規模という巨額のお金を動かしています。世界的にも上位の機関投資家なんだそうです。それにしても1社で100兆円というのは驚きです。

 ヨーロッパにも大企業経営者の団体はあるけれど、日本の経団連に匹敵するほどの影響力はもっていないとのこと。日本の経団連の力は突出しているようです。

 サントリーの会長だった新浪剛史が代表幹事をしていた経済同友会は、新浪剛史が代表幹事になってから、それまでの「政府とは一線を画す」という姿勢が一変し、何事につけて政府寄りになってしまっている。原発政策も容認一辺倒になりましたしね…。

 トヨタは、2009年から少なくとも5年間は法人税を、1円も払っていなかった。さまざまな税制上の優遇措置を駆使してのことです。消費税では輸出企業として戻し税を、もらっていました(います)。

法人税の減額で、43%が23%に20%も下がったことから、トヨタは2兆1263億円の税金を支払うべきところ、1兆1373億円と1兆円近くも支払わずにすんでいる。これでは、自民党に政治献金するわけです。仮に1億円を献金したとしても、1兆円も減税してもらえたら、安いものですからね。その減税分は、実は、消費税の増税によってまかなわれています。つまり、私たちの懐(フトコロ)から巻き上げた税金でトヨタを助けているのです。こんな不平等なことって、ありません。許せません。消費税の支払いに日頃、いつだって窮々している身からの恨みごとです。

 財界人が政治家に献金したり、財団連の役職に就きたがるのは、勲章ほしさだということも紹介されています。でも、財界人でも叙勲を拒否した人がいるのですね。中山素平(日本興業銀行頭取)、桜田武(ミスター日経連)、木川田一隆(東電)です。意外ですよね。

 アメリカもフランスもそして韓国も、企業献金を原則として禁止している。日本では自民党は企業献金を禁止しようとしませんし、与党となった日本維新の会も野党時代の公約だった企業献金禁止を放り投げてしまいました。その変節は、あまりにみっともないとしか言いようがありません。身を切る改革として、国会議員の定数の削減を勝手に求めていますが、公費で飲み食いし、法人の取締役になって社会保険料を「節約」したり、自らの身はまったく切っていません。ひどすぎます。

 日本の超大企業は繫栄するばかりです。今や高市政権下で軍需産業がウハウハの状況にあります。

企業の内部留保会は、2001年度に167兆円だったのが、今では3倍強の600兆円を突破している。それに対して、労働者の賃金は、この20年間、ほとんど上がっていない。今では、OECD加盟38ヶ国のうち、日本は22位にまで転落してしまった。

 経営トップの報酬は、ソニーが12億円、トヨタは7億円と、20年前には珍しかった億万長者が急増している。1億円以上の報酬をもらっている取締役が日本に100人以上いると聞いています。信じられません。それでもアメリカ企業のトップよりはるかに低額だと、うそぶいているのです。いやはや、とんだ連中が日本を動かしています。

 日本社会の現実を知るためには、財界のことも知らなければいけないと思って読みました。

 もっと、現場で働く労働者、そして市民のことを財界人にも考えてほしいと改めて思いました。自分だけ、今だけ、お金だけという発想はぜひやめてほしいです。

(2025年10月刊。2200円+税)

過疎ビジネス

カテゴリー:社会

(霧山昴)

著者 横山 勲 、 出版 集英社新書

 この新書のオビには、「コンサル栄えて国滅ぶ」とあります。まさしくコンサルタント会社は口ひとつで企業や自治体を手玉にとって、濡れ手に泡のボロもうけをしている気がしてなりません。この本では、コンサルタント会社が地方の弱小自治体に寄付をして取り入って、自分の思うままにプランニングして地方自治体から多額の公金(もちろん税金です)を巻き上げていることが暴かれています。それは驚きの手法です。

福島県国見町(人口8000人)が12台もの高規格救急車を購入するという。しかも、それは町外でのリース事業に使うので、町民の役には立たない。1台4000万円もする救急車で、総額4億3200万円だ。それを、随意契約で納税した企業が引き受け納車する。本当は、そんなに高額のものではないのではないか。いわば水増ししている疑いもあった。

 河北新報の記者が果敢に取材していって、ついに小さな自治体を狙い撃ちにして公金を吸い上げる「過疎ビジネス」の実態を明らかにし、河北新報で大々的キャンペーンを張ったのです。

資金を浄化させ、超絶いいマネーロンダリングをしている。町に寄付して資金を持たせて運用でもうける。

 企業版ふるさと納税としての寄付なので、4億円のうち3億6000万円は還付される。4億円を出して4000万円の利益が出てもうかる。そのうえ、コンサル会社は事業主体としてコンサル料が得られる。完成した救急車はリース事業に使われるから、運用でさらに利益が出る。

国見町の場合、救急車リース事業の仕様書を作成する段階からコンサル会社が実務に関与し、確実に事業を受注できるようにつくりあげておく。

 財政力指数が0.5以下の自治体が狙われる。

 メールのなかで、複数の職員が受信し、組織的に対応しなければならない業務上の情報であれば、それはれっきとした行政文書だ。もはや個人的なメモとは言えない。

 甘い話を簡単に信用してはいけない。というのは昔からの鉄則なんですけどね…。

(2025年11月刊。1100円)

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