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カテゴリー: 宇宙

重力波で見える宇宙のはじまり

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者  ピエール・ヒネトリュイ 、 出版  講談社ブルーバックス新書
 フランスの理論物理学者による解説書です。よく分からないなりに、宇宙のなりたちを知りたくて読んでみました。手にとって軽い新書だからといって、内容まで軽いとは限りません。
これまで人類が宇宙を観測してきたのは、まずは可視光のおかげであり、次にはあらゆる波長帯の電磁波のおかげだ。
重力波は、質量の大きな物体が、すばやく動くときに発生する。重力波は、観測可能な宇宙の大きさほどの脅威的な長距離を伝わる。重力波は非常に弱い力のため、重力波が途中にある物質に乱されることはほとんどなく、宇宙全体に届く。そのため、重力波は重力を起因する現象(ブラックホール)や重力波によって支配されている宇宙全体を観測する非常に有効な手段となる。
この重力波を検出するのは難しく、重力波を直接検出するまでに100年もの年月がかかった。重力波も光速で移動する。
合体した二つのブラックホールの質量を調べてみると、太陽の29個分と、36個分だったのが、合体したのだから、65個分のはずだったけれど、実際には62個分しかない。
重力波は、基本的な力のなかでも、最も弱いものだったが、今ではシンデレラのように主役におどり出ている。
重力波という、つかまえどころのないテーマを分かりやすく(実際には難しすぎたと反省しています)解説してくれる著者に感謝します。
たまには俗世間の憂さを忘れて星空でもながめないと毎日やっていけませんよね。
(2017年10月刊。1200円+税)

時空のからくり

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者 山田 克哉 、 出版  講談社ブルーバックス
宇宙の話です。理解できないまま、ともかく、何か分からないまま必死に最後まで読み通しました。
光は質量をもっていない。光の質量は、正確にゼロ。質量をもたない光がなぜ重力場に反応するのか。重力場が空間を曲げるために、光線はその空間の曲がりにそって進む。道筋が曲がっているのに光が進むのは最短距離になる。光は、必ず最短距離を選んで突きすすむ。
光速度不変の原理。何に対しても、光の速度はまったく同じで、常に秒速30万キロメートル。光の速度は、誰がどう測ろうとも、観測者が動きながら測定しようと、光源が動いていようと、はたまた観測者も光源もどちらがどちらの方向に動いていようと、観測者が測定する光速は、秒速30万キロという、たった一つの値しか示さない。
ええっ、これって、不思議ですよね。世の中に「絶対」は存在しないはずなのに・・・。
高さ450メートルの東京スカイツリーの展望回廊にいつまでもいると、時間が速く過ぎるため、地上にいるより早く年齢(とし)をとる。太平洋を横断する飛行機は上空1万メートルを飛ぶので、地上にいる人よりは早く年齢をとる。高いところほど時間は速く進む。
では、どれだけ早く年齢をとるのか・・・。100年につき、100万分の1秒ほど早く。
なあんだ、まったく心配するような時間の速さじゃないんだ・・・。
質量が時空を曲げるという「時空のゆがみ」こそが重力波の発生原因となる。質量がなぜ時空をゆがませるのか、その根本原因は今もなお分かっていない。しかし、重力波の検出が成功したことによって、間違いなく時空がゆがんでいることが確認された。
この重力波の検出に、100年もの時間がかかったのは、ひとえに重力波があまりにも微弱すぎて、そのわずかな空間の伸び縮みを観測することがきわめて困難だったから。
地球で観測された時空のゆがみは、長さ1メートルに対して、10のマイナス19乗センチという気の遠くなるような小ささだった。
この本を読んで、私が理解したということは何ひとつありません。でも、たったひとつだけ、世の中は不思議にみちていること。そして、もう一つ。学者が果敢にそれを究明していて、私には理解不能な数式で「証明」しているということです。
まあ、分からない分野があることを知るだけでも意味があると思いましょう・・・。
(2017年7月刊。1080円+税)

人はなぜ星を見上げるのか

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者 髙橋真理 、 出版  新日本出版社
最近はあまり行っていませんが、プラネタリウムは私の好きな場所です。広大な宇宙にいること、ちっぽけな存在であることを実感させてくれる貴重なひとときがそこにあるからです。
そのプラネタリウムや星・宇宙というのを20年も仕事のパートナーとしている女性が書いたロマンあふれる本です。うらやましいですよね、高校生のころの夢を実現できるっていうことは・・・。
北海道大学に入ったときには、オーロラ研究をすると意気込んでいたとのこと。でも、北大はオーロラの研究はしていなかったのでした・・・。そして、アラスカにいる星野道夫に会いに大学2年生のときアラスカへ飛び、ついに蛇のように激しく上空を舞う緑色のオーロラに出会いました。
 私の身近にもアラスカまでオーロラの写真を撮りにいってきた人がいますし、これから行きたいところとしてオーロラをあげている知人もいます。私自身はマイナス40度の寒さに耐えられそうもありませんので、写真で我慢します。
 そして、著者はオーロラの研究ではなく、ミュージアムをつくることを思いたったのでした。それからの行動力がすばらしいのです。好きなことをやって生きていこうという敢闘精神にあふれています。私も、こうやって本を読んで、本を書き、好きなことばかりをして生きています。
 プラネタリウムで星などを見た子どもたちの疑問が面白いのです。はっとさせられる内容です。太陽は沈んだあと、どこに行くのか・・・。地球がまわっているというのになぜ私は落っこちもせず、立っていられるのか・・・。きわめつけは、星は、何のためにあるのか・・・。これって、自分は何のために存在しているのかに通じる疑問ですよね。
小学4年生のとき質問を書いて送ってきた女の子に答えていると、その後も今日まで交流が続いているというのです。すごいことです。
 では、時間はどうか・・・。時間というのは、不思議な存在である。えっ、時間は存在するもの、なのでしょうか。過去というのは、いったいどこへ行ってしまうものか。過去は、どこかへ行ってしまうものなんですか・・・。時間は、無限の過去から無限の未来に向かって一直線に伸びていくものなのか。
プラネタリウムにうつしだされた星空を見て、ある人が天国っていうのは、あそこにあるのかねえ、とつぶやいた。
「きっとそうですよね、たぶん、すごく美しいところだと思います」と答えた。すると、その人は、「そうだよなあ、みんな行ったきり帰ってこねえもんな。いいところなんだよな」と、小さい声で言った。
 そうなんですね。夜の星空の向こうにこそ天国があるんでしょうね。
 宇宙のことを考えていると、その年齢が138億年とか聞かされると、わずか100年も生きていない人間のちっぽけさを感じずにはおれません。
 プラネタリウムに、また行きたいなと思いました。
 
(2016年8月刊。1800円+税)

ニュートリノで探る宇宙と素粒子

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者  梶田 隆幸 、 出版  平月社
 よくは理解できないながら、宇宙の成り立ちが少しでもつかめたらという思いで読みすすめてみました。
 ニュートリノは、電子と同じく素粒子の仲間。ニュートリノは、電子から電荷と重さをはぎとったようなもの。ニュートリノの大きさは分かっていない。
 私たちは、ニュートリノを触ったり、目で見たりして直接感じることはできない。
 しかし、ニュートリノがなければ私たち人類は存在できない。なぜか・・・。地球上の生物は、すべて太陽の光と熱によって生かされている。もしも太陽がなかったら、地球表面の温度は太陽系のいちばん外側にある冥王星よりも下がり、生物はまず生きていかれない。
 大要のエネルギーは、核融合反応によってつくられている。太陽中心の水素原子核が4個くっついてヘリウム原子核になるときに、膨大なエネルギーを放出する。もし、ニュートリノがなかったら、この反応はおこらない。最初の核融合反応が点火しないから・・・。
 ニュートリノがないと、太陽だって光り輝くことができないというのです。なんだか、ニュートリノを身近に感じることができました。
ニュートリノは観測するのが、とてもむずかしい。なにかにぶつかっても、曲がったりせず、地球すら貫通して飛んでいってしまう。
 太陽からやってくるニュートリノ1個を物質と反応させるには、地球を100億個ほどタテに並べてニュートリノを通す必要がある。そのくらい大量の物質があってはじめて、反応が起こる。逆に言うと、1個の地球を100億個のニュートリノが通り抜ければ、そのうちの1個がたまたま地球の内部のどこかで反応することになる。
 ニュートリノは、雨あられと地球に降りそそいでいて、太陽から地上にやってくるものだけでも、1平方センチメートルあたり毎秒660億個もある。
 こんなにすさまじい量のニュートリノって、一体どこへ行くのでしょうか・・・。
 スーパーカミオカンデは、直径40メートル、高さ40メートルの水槽を5万トンの水で満たしている。
 ニュートリノが一番たくさんつくられたのは、宇宙の始まり、つまり「ビッグバン」のとき。宇宙は始まって以来、ニュートリノに隅々まで満たされている。
 ニュートリノは、宇宙で一番たくさんある、もっともありふれた粒子である。
 ニュートリノは、電気的に中性で、物質とほとんど反応しない。ニュートリノは、物質と相互作用する力が弱い。弱い力とは、陽子の大きさの1000分の1くらいの距離にしか力が及ばない。
大気ニュートリノは、人間の身体にあらゆる方向から入射し、ほとんどそのまま空き抜けていく。
ニュートリノに質量があることは、現在では素粒子物理学の定理となっている。
 岐阜の山中にあるスーパーカミオカンデのほか、南極にも観測点があるそうです。すごいな、すごいな、と思いつつ、宇宙の起源と構成って今でも不思議なことだらけだということは、よく分かりました(分かったような気がしました)。
(2015年11月刊。800円+税)

オーロラ!

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者  片岡 龍峰 、 出版  岩波科学ライブラリー
  私は残念ながら現物のオーロラを見たことはありません。映像のみです。
オーロラほど不思議な光はない。冷たい炎のような光が色を変え、形を変え、音もたてずに空を舞う姿の圧倒的な不思議さには、驚きと畏怖の言葉が尽きない。
100年前、ノルウェーの科学者(ステルマー)が電話をつかって30キロ離れたところで写真を同時に撮影し、オーロラの高さの精密な三角測量を繰り返した。その写真乾板は4万枚をこえる。その結果、オーロラが地上100キロ、高いものだと1000キロで光っていることを突きとめた。
オーロラの緑や赤は、酸素原子がエネルギーを受けたときに自然に出てくる色。緑の光を放つには0.7秒かかるが、赤の光を放つには110秒の時間がかかる。したがって、オーロラの赤は、緑が光る場所よりももっと真空に近い、110秒ほど励起状態のまま仲間と会わずに漂うことのできるほど空気が薄い状況、つまりより高い場所でないと光ることができない。上が赤く、下が緑という、あのオーロラのクリスマスカラーは、酸素原子がつくり出したグラデーションなのだ。
北極の近くでは、オーロラは見えない。オーロラは、地球規模で「輪」を形づくっている。
地球が磁場をまとっていることによって、電子は磁場気に捕らえられ、オーロラオーバルの近くに輪のように電子が流れこみやすい状況になっている。そこで、猛スピードで大気へ流れ込んだ電子が、空の終わりの酸素原子と衝突して、オーロラを光らせている。
オーロラの全体像は、今ではほとんど明らかになった。でも、今なお、電子と陽子の動きの違いや細かなプラズマの構造など、分からないことは多い。
オーロラの解説が十分に理解できたということはありません。それでも、オーロラの生成・構造が単純なものではないことだけはよく分かりました。宇宙には不思議なことだらけですね・・・。
それにしても、マイナス40度とかいう世界でオーロラを観察しようとは思いません。やっぱり、ぬくぬくとしながら、映像でガマンしておくことにします。
  
(2015年10月刊。1300円+税)

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