(霧山昴)
著者 グレゴリー・J・グバー 、 出版 ダイヤモンド社
猫は高いところから落ちると、最初にどんな姿勢であっても、必ず、足から着地するという驚きの能力をもっている。
この本は、超一流の物理学者たちが、この「ネコひねり問題」を理論的に解明し、説明しようとした苦闘の歴史を解説しています。
なので、その理論のところは、とても難しくて、正直言って私にはよく分かりませんでした。
それでも、長い尾がなくても、目隠しされていても、そして宇宙(無重力)空間でも無事に着地できるという猫の能力には、改めて驚くばかりです。
しかも、猫は高層ビルから落下したときにも、意外や意外、ほとんどケガせずに着地するというのです。それも9階より高いほうが猫はケガしないという、私たちの常識に反する事実があるのです。
信じられません。その理由の一つは、猫の体重が人間よりはるかに軽いからです。
猫は高いところから落下するとき、完全に無重量状態にある。なので、「加速」を感じることはない。しかし、終端速度に達すると、通常の重さを感じて、衝突に備える。
32階の高さからコンクリートの地面に落ちた猫は、軽度の気胸と歯が1本欠けただけですんだ。いやあ、まったく信じられません…。
イスラムの世界では、猫が西洋よりも、はるかに敬意をもって扱われている。それは預言者モハメッド(ムハンマド)が猫を愛したことにもとづく。
いずれにせよ、猫の身体が想像以上に柔軟であることに関連していることは確実です。
世の中には、本当に不思議なことが山ほど、次から次に出てくるものなんですね…。だからこそ、この世は果てしなく面白いのですが…。
(2022年5月刊。税込1980円)
「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた
