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あやうく一生懸命生きるところだった

(霧山昴)
著者 ハ・ワン 、 出版 ダイヤモンド社
韓国で25万部も売れてベスト・セラーになった本です。
イラストレーターになって、しゃかりきにがんばったこともある著者が、ある日、ふと、いったい自分は今、ここで何をしているんだろう…と振り返ってみたのです。すると…。
必死に努力したからといって、必ずしも見返りがあるとは限らない。
必死にやらなかったからといって、見返りがないわけでもない。
人生とは、実に皮肉なものだ。
2000年代の初め、テレビで有名女優がカード会社のCMで、こう叫んだ。
「みなさーん、お金持ちになってくださーい」
私はテレビを見ることはありませんが、日本のテレビでこんなCMが流れるとは、とても思えません…。この「お金持ちになってください」という言葉は、韓国では、またたく間に国民的流行語になった。それ以降、韓国では、「お金持ちになろうフィーバー」が吹き荒れた。そして、韓国は、お金が最高という、物質万能主義社会になった…。そういうものなんでしょうね。
ほかの選択肢はないと妄信(もうしん)してしまうのは、いかに愚かなことか…。
世の中、そして人生は、決して一筋縄ではいかない。世の中のすべてが自分ひとりで解決できるレベルの問題ではないからだ。
理想どおりにならなくても人生は失敗じゃない。人生に失敗なんてものはない。
自分が自分の人生を愛さずして、誰が愛してくれるだろうか。自分の人生だって、なかなか悪くないと認めてからは、不思議とささいなことにも幸せを感じられるようになった。
幸いにも、万人ウケしそうなものをやっても結果は変わらない。
結果なんか分からないのだから、自分の好きなことをやったほうがいい。
「一生懸命がんばります」と言うとき、嫌いなことを我慢してやり遂げるという意味が含まれている。つまり、楽しくないのだ。
だから、一生懸命に生きるのは、つらい。それは我慢の連続だから。同じ人生、どうせなら「一生懸命」より、楽しく、のほうがいい。
天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない。
つまるところ、人生は一回こっきり、あまり肩肘張らず、ゆったり気分で、1日を過ごしたい。たしかに、そんな気にさせてくれる本でした。
(2020年3月刊。1450円+税)

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