著者 宮崎 静夫 、 出版 熊本日日新聞社
前にシベリアでの収容所生活を描いた著者の本を紹介しました。
満蒙開拓青年義勇軍に熊本(小国町)から参加し、関東軍に志願して兵隊となり、敗戦後はソ連軍によってシベリアに連行され、そこできびしい収容所生活を過ごしたという過酷な体験記です。
それでも、芸は身を助けるということで、うまく絵を描けるということで収容所生活がなんとか過ごせた面もあるようです。
著者の絵は、無言のうちにも悲痛な叫びに満ちていますよね。
8人兄弟の中の6番目でしたから、満蒙開拓青年義勇軍に志願したのも分かりますよね。
教科書は、ススメ、ススメ、ヘイタイススメというもので、軍国少年そのものだったのです。
満州の現地に着いたのは昭和17年の6月のこと。辛い毎日を過ごすことになります。そして、昭和20年5月に関東軍に志願して、兵隊になるのでした。ドイツが降伏し、沖縄戦が終末期のころです。そして、2等兵のまま終戦を迎えます。
それから、4年間のシベリアでの捕虜生活を過ごすのでした。よくぞ、生き残ったものと思いますが、やはり若さでしょうね。
帰国してから絵を本格的に描きはじめるのでした。
一度、本物の絵を拝見したいものです。熊本県立美術館には飾ってあるのでしょうか・・・。
(2013年3月刊。1000円+税)
軌跡
