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セミたちの夏

著者   向井 学 、 出版   小学館 
 夏にあれほどうるさく鳴いていたセミも、今は昔。大人のセミたちは死に、子どもたちははるか地中に潜んでいます。では、地中のセミはどんなにしているのでしょうか・・・。この本は、私の長年の疑問を写真で明らかにしてくれました。
 セミの生態写真集です。あのうるさいセミの鳴き声は、みんなオスのセミが、「ぼくはここにいるよー」、そして、「寄っといでよ。おヨメさん募集中なんだよ」と誇示しているのです。
セミは、はりのような尖った口をかたい幹に突き刺して木の汁を吸っている。
 そして、木の汁を吸おうと、おしっこを出す。それも、5分に1回も・・・。
セミは、油断していると、カマキリや鳥に食べられてしまう。
 セミがうまく交尾できるチャンスはあまり多くはない。セミの成虫が地上で生きているのは、わずか2週間だけ。
 メスは、8月のお盆が過ぎたころ、卵を木の幹の表面に産みつける。2ミリほどの細長い小さな卵を300個ほど・・・。雨がたくさん降る梅雨のころ、木の枝の中の卵から、小さなセミの幼虫が顔を出す。そして、地面にぼとぼと落ちていく。ところが、地面にはアリたちが待ちかまえている。ほとんどの幼虫が地中に潜り込む前に食べられてしまう。
幸い土中に潜り込んだ幼虫は、木の根っこを目ざして掘りすすむ。そして、木の根にたどり着くと、木の根の汁を吸いはじめる。
 4齢幼虫にまで達すると、たくさん汁の出る根っこを探してトンネル掘りをする。5齢幼虫になると、からだが白からあめ色になる。
 6年目の夏、土中からはい出してきて、木にのぼる。そして、成虫へと羽化する。夜の8時から9時のあたり羽化のピーク、夜明けと同時に飛び立っていく。
 これが全部、写真で紹介されています。素晴らしい写真集でした。
(2012年7月刊。1300円+税)

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