著者 山 本 一 力 、 出版 講談社
うまいですね。読ませますね。家族で楽しむ時代小説とオビに書かれていますが、まさにそのとおりです。
大人の私が読んでも十分に楽しめる内容ですが、小学校の中学年以上だったら、ワクワクしながら読みすすめていくのではないでしょうか。
町内で子供たちの駆けっこが始まります。町内対抗リレーです。仲町と冬木町が走者をそれぞれ7人ずつ出して競争するのです。大人も応援団として取り巻きます。
走る直前は食べすぎない。バトンタッチはうまくやる。第一走者で差をつけたほうが精神的に楽になるから走者の順番はそれを考えて選ぶ。いろいろ知恵をしぼりながら本番にのぞみます。
ところが、本番では稽古のときのようにはうまくいかず、足がもつれたり、波乱万丈です。日頃、足の速いのを自慢していても、バトンタッチで失敗したり、世の中、何が起きるか分かりません。そして、最後にゴールインしたのは・・・。
単なるスポーツ根性ものの話ではありません。それにしても、息もつかさず読ませる技は、いつもながら見事なものです。さすがに毎日小学生新聞に連載したものだけはあります。
子ども時代の心に帰って、ハラハラドキドキしながら上下巻を楽しく読み通しました。
(2011年11月刊。1400円+税)
この春はじめてウグイスの鳴き声を聞きました。まだ本格的な調子ではなく、目下、練習中という感じで、少しせわしい鳴きかたでした。
朝の日差しもすっかり春めいてきました。チューリップもぐんぐん芽を伸ばしています。いま庭に咲いているのは、黄水仙です。
とっぴんしゃん(上・下)
日本史(江戸)

