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失敗から学ぶ

著者:若宮健、出版社:花伝社
 弁護士という職業は、日々、人間(ひと)の失敗に直面し、その後始末をいかに手際よくさばいていくか、ということに尽きます。失敗に直面したら、たいていの人はパニックに陥ります。日頃は冷静沈着だとしても、一瞬のうち、そんなゆとりは吹っ飛んでしまうものです。そんなときにはやはり岡目八目。他人の冷静な目に頼るべきです。そこに弁護士の存在意義(レーゾン・デートル)もあります。
 この本は、いろんな業種の経営者18人の失敗体験が語られています。原因と教訓が分かりやすいかたちで紹介されていますので、倒産の相談を受けることの多い弁護士にとっても参考になります。
 自動車のトップ・セールスマンだった著者は、精鋭だけをそろえれば商品は売れると思っている人が多いが、それはかえって良くないと言います。一人ぐらいは落ちこぼれがいた方がチームに潤いを与え、潤滑油の役目を果たしてくれてよいからだ。精鋭ばかり集めると社内が息苦しくなって、いさかいが多くなる。
 また、車を売るときには、心底から嫌いな客に我慢して売るより、その客を捨てることによって、その1台分を取り戻すために、より多くの客を訪問したり努力する。その方がかえってよい。心底から嫌な客に売るのは精神衛生上もよくない。トップセールスマンを目ざすなら、心底から嫌な客には車を売ってはいけない。
 なるほど・・・。私は、さすがトップセールスだった人の言うことは違うと感心してしまいました。ペラペラしゃべるセールスマンは二流の営業マンだ。一流の営業マンは、聞き上手だ。こういう指摘もあります。やっぱり、そうか・・・。失敗から学ぶことは、やはり多いようです。

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