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西太后の不老術

著者 宮原 桂、 出版 新潮新書
 高麗人参は現在、そのほとんどが栽培物である。収穫するまでに6、7年かかるうえに、畑の養分を全部吸収してしまうため、収穫後の数年間は畑を休ませる必要がある。そのため、栽培物であっても高価である。野生種となると、栽培物の50~100倍の値がつく貴重品だ。
清朝の皇帝のうち、乾隆帝の長寿の秘訣は「参麦飲」にあった。高麗人参と麦門冬(ばくもんどう)という二つの生薬(しょうやく)から構成されていた。高麗人参は「百草の王」とも呼ばれ、清代には、良質なものは同量の黄金の値を上回った。す、すごいですね、これって。
西太后は、日頃から高麗人参の切れはしをそのまましゃぶっていた。高麗人参には、消化器系と呼吸器系を補強するだけでなく、血圧調節作用もある。
 高麗人参は、ウコギ科オタネニンジンの肥大根で、その効能は元気を補い、消化器系を健やかにし、からだを潤し、精神を安定させ、思惟活動を活性化する、つまり幅広くからだを助ける。
 ストレスにもめげず74歳まで長生きした西太后の食生活を、カルテなどをもとに追究した本です。不老長寿とまではいかなかったわけですが、滋養強壮力の強い生薬を用いた薬膳料理を好んだのでした。
 私も、実は20年来、高麗人参酒を愛飲しています。おちょこで一杯のむのが毎晩の楽しみです。
 
(2009年3月刊。1100円+税)

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