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虫や鳥が見ている世界

(霧山昴)
著者 浅間 茂 、 出版  中公新書
紫外線写真でみると、虫や鳥の世界がまるで違って見えてきます。
大部分の動物は紫外線を見ることができるのに、哺乳類には見えない。なぜなのか・・・。
恐竜の時代に誕生した私たちの祖先である哺乳類は小さく、恐竜を恐れて夜に活動していた。夜には紫外線を見る必要はなかったので、紫外線を見る能力が退化し、失われてしまった。そして、ヒトは現在の可視光領域に適した視覚をもつようになった。
鳥やチョウなどでは、紫外線反射の違いでオスかメスかを見分けて、求愛活動に役立てているものが多い。紫外線を利用してエサとなる虫を誘引しているクモもいる。
植物も、目の悪い虫に対して、紫外線を利用して蜜のありかを示して魅きつけている。
生命体は、紫外線の届かない青い海のなかで広がった。
法隆寺の玉虫厨子(たまむしのずし)の色が1300年後の今でもあせることなく残っているのは、その色が色素によってではなく、構造色によって発色しているから。構造色は、その構造が壊れない限り発色する。
昔、『モンシロチョウの結婚ゲーム』という本を読みました。モンシロチョウはオスもメスも真っ白なのに、オスはメスを見分けて接近する。なぜか・・・。紫外線があたると、オスは吸収して真っ黒になるが、メスは吸収せず反射して白っぽく見える。なので、モンシロチョウのオスは白く光るメスを目がけて突進していく、そんな話でした・・・。びっくりしてしまいました。学者はすごいです。
生物の世界は不思議に満ち充ちています。
(2019年4月刊。1000円+税)

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