(霧山昴)
著者 アンジェラ・セレナ・イルドス 、 出版 日経BPマーケティング
動物の親子の生き生きとした表情が見事に撮られている写真集です。
人間の赤ちゃんも可愛いですが、動物の赤ちゃんはみんな愛くるしいばかりです。
ヌーの赤ちゃんは、生れ落ちて5分後には立ちあがり、翌日には大人たちとあまり変わらないスピードで走る。ヌーは、危険一杯のアフリカのサバンナで生きているため、捕食者のえじきとなる危険を少しでも少なくするため、メスが一斉に妊娠し、出産する。
ゾウの妊娠期間は22か月。出産のときには群れのメスたちが助産婦のように集まり出産を見守る。そして、赤ちゃんが生まれると、胎盤を取り除いたり、砂浴びをさせて立ちあがるのを助けたり、いろいろ世話をして、産後の母ゾウに休息の時間を与える。
ホッキョクグマの母グマが子どもの世話をするのは2年半。オス(父親)と一緒にいるのは、わずか1週間だけ。
ニホンザルの子育てはメスの役目だが、オスも手伝う。
ヒョウのメスは、ほかのメスの子育てを手伝うことがある。
ブタは家畜として飼われていても、なわばり意識が強く、群れをつくりたがる。メスはそれぞれの子どもをつれて、階層社会を構成し、オスは単独で行動する。
動物の子どもにとって、遊びは成長がもたらす爆発的なエネルギーを解消する安全弁であり、自分の能力を試し、限界を知るための場でもある。そうした知識と意識は今後の生活で大いに役に立つ。
子ゾウは2年以上も母乳を飲みつづけるが、生後5ヶ月から植物も食べる。
好奇心は、未知の物を知りたいという欲求であり、外の世界に慣れしたしむために自然が与えてくれた大切な手段だ。好奇心を抑えきれずに行動してしまうのは、幼い生き物の特徴でもある。これに対して親は愛情をもって接しなければいけない。
動物の子どもが眠っている様子をじっくり観察してみると、夢をみていることがはっきり分かる。それは、動物にも心のあることが実感できる瞬間だ。
とても癒される写真集です。図書館で借りて(なければ注文して下さい)でも、ぜひ手にとって眺めてほしい、とても素敵な写真集です。
(2016年12月刊。2900円+税)
各地から梅のたよりが聞こえてきます。わが家の庭でも小ぶりの紅梅と白梅が満開です。そのうち梅の実をつけてくれることでしょう。
映画「この世界の片隅に」をみました。心に沁みいる、とてもいい映画でした。市民のささやかな生活が戦争によって無惨にこわされていく状況が描かれています。
庶民の日常生活の様子がアニメでよく再現されています。そして、戦争というのは徐々に忍び寄ってくるものだということも実感させられました。アベ政治の暴走をなんとかして止めないと、いまの日本の平和も守れなくなってしまうと、孫の顔を思い出して、涙したことでした。
BABY
生物

