著者 村山 司 、 出版 講談社ブルーバックス新書
イルカに、自分の名前を呼ばせる人がいるなんて・・・。
イルカのナックは、「おはよう」「あわわわ」など、ヒトの発するコトバを模倣することできる。
そして、著者に対しても、「ツゥ、カァ、サッ!」と、まねすることができるのです。なんと・・・。
ナックは、正解したらえさをもらえるということでなくても、次の試行を実行する。それは「好奇心」からとしか思えない。
イルカは、一度覚えたトレーナーのサインを忘れることはない。イルカの長期記憶は、すばらしい。イルカの脳では、海馬が大きい。
ハクジラ類のなかで、小型(体長が4~5メートル以下)の種を便宜的にイルカと呼んでいる。つまり、イルカというのは分類学上の正式名称ではなく、俗称なのだ。
鯨類と共通の祖先をもつのは、現存する動物ではカバがもっとも近い。
イルカの目が前方にないのは、水中で高速で泳ぐときの摩擦や衝撃によって眼が痛むのを回避するため。鼻の穴は、水棲生活に適応するため、徐々に頭頂部に移動していった。
イルカは、37度前後の体温をもっている。
イルカの前の胸ヒレには、5本の指が残っていることがレントゲン写真で分かる。尾ビレはあ骨はなく、これは皮膚が肥厚したものと考えられる。
イルカの皮膚は2時間ごとに更新されていく.イルカの皮膚は非常になめらかであると同時に、弾力性に優れている。そのため、体表面に渦流が生じないので、抵抗が少なくなり、水中を高速で泳ぐことができる。
イルカは、1回の呼吸で吸い込んだ空気のほとんどを肺に残すことなく、血液や筋肉に送り込んでたくわえることができる。
3000メートルにも潜水するマッコウクジラは、2時間以上も呼吸せずに潜り続けることができる。イルカの肺には潜水中、ほとんど空気が残っていないので潜水病にはならない。
イルカは遊び好きな動物である。生活上はとくに必要性のないものを創造して利用できるというのは、イルカの脳にはそれだけの「余裕」があるからだと考えられている。
イルカの発するホイッスルは、個体によって異なるものがある。それは、いわば、「音の名刺」である。
いろいろ知りらないことがたくさんありました。賢いイルカの話は、いつ読んでも面白いですよね。引き続き、イルカの本を読ませてくださいね。
(2013年8月刊。900円+税)
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