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少年口伝隊1945

著者  井上 ひさし 、 出版  講談社
8月末に広島に出張してきました。昼食は、原爆ドームから遠くないところにある広島ガキ専門店でかきフライ定食(1000円)を食べました。真夏なのに、丸々肥えたカキを美味しくいただきました。夕食には広島名物のお好み焼きを買って、我が家で電子レンジで温めて食べました。期待以上の美味しさでした。
 この本は、そんな広島出張の車中で読んだのでした。平和公園、そして原爆ドームを訪れました。豪雨のあとでしたから、猛暑も少しやわらいでいて、助かりました。
 青空が裂けて、
 天地が砕けた。
 爆発から1秒あとの火の玉の温度は1万2000度だった。
太陽の表面温度は6000度だから、街の上に太陽が二つ並んだことになる。
 その熱で、地上のものは人間も鳥も虫も建物も、一瞬のうちに溶けてしまった。
 火泡を吹いて溶けてしまった。
火の玉からは爆風が吹き出した。音の2倍の速さで、畳一畳あたり10トンの圧力をかけて、地上のものを一気に吹き飛ばした。
 火の玉は殺人光線も出していた。内臓や血管や骨髄などの人体の身体のやわらかなところに、殺人光線がこっそり潜り込んでいた。
 このようにして・・・・数十秒のうちに広島市の半分が消え失せ、その日のうちに12万人が亡くなって、20万人の人々が傷ついた。このときから、漢字の広島は、カタカナのヒロシマになった。
 原爆病にかかって死ぬ人は・・・。
 まず、熱が出る。次に、だるくなる。それから、ものを食べなくなる。髪の毛がごそっと抜けて、からだじゅうが痒くなる。おしまいに足首に紫の斑点が出る。さもなければ、唇や歯茎から血が流れ出る。そうなると、人は死ぬ。
 私のもっとも尊敬する作家である井上ひさしの本です。それなりに井上ひさしの本は読んでいると自負していましたが、この本はまったく知りませんでした。小学高学年向きの本ということですが、大人が読んでいい本です。
(2013年6月刊。1300円+税)

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