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2011年3月 の投稿

日本1852

カテゴリー:日本史(江戸)

著者  チャールズ・マックファーレン、  出版  草思社
 江戸時代の末期、黒船に乗ってやってきたアメリカのペリー提督の日本についての知識が、こんなに深いもので裏付けられていたとは知りませんでした。
 この本は、著者自身が日本に来たことはなかったものの、日本に行ったことのある体験記、見聞記を集大成して、ペリー提督を含めた欧米の人々に日本と日本人の全体像を提供したものです。その内容は、当然ながら今日の日本とはかなり違ってはいますが、かなり当たっていると思わざるをえないところが多々あります。その意味で、江戸時代の日本、ひいては日本人が昔からあまり変わってないことをよく知ることのできる本でもあります。ペリーたちが、日本についてこんなに知って来日したなんて、私にとってまったくの驚きでした。
 本書が発行されたのは1852年7月。ペリー提督がアメリカを出港する4ヶ月前のこと。
 ザビエルたち日本に来た宣教師は、日本人を賞賛した。日本人の従順で他者に優しい気質。恩義を重んじる傾向にあること。今でも言われますよね。NHKのフランス語の講座で、フランス人による日本論で同じ指摘があります。
 徳川家康がなかでも喜んだのは幾何と代数だった、という記述があります。うひゃあっ、と思いました。単に世界の地理と情勢を喜んだというのではありません。ヨーロッパの数学を聞いて学んだというのです。家康を私は見直しましたよ・・・。
 日本人は礼儀正しく、好感が持てる。戦になると勇敢だ。仁義を重んじ、それに違反するものは厳しく処分される。礼節によって統治されている。日本より礼節が重視されている国は他にないだろう。神を敬うことには熱心である反面、多様な考えをもつことにも寛容である。
 日本人には、性的にも自制心がないという性癖がある。地方領主や有力者は、たくさんの妾をもっている。彼らは、この悪徳を矯正しようとした宣教師たちへ反感を抱いた。
 アヘン戦争の状況は、ことごとく日本人へ伝わっていた。
日本人とは、創意工夫の精神にみちた民族だ。豊富な資源と商業をはぐくむ能力。そこには十分な数の人口が存在する。この国を治める諸侯も高い知性を示している。こうした日本人の能力、エネルギー、起業家精神をみると、アジア諸国の中で一頭地を抜く存在になる可能性が高い。
 一般に、日本語の発音は明瞭ではっきり聞き取れる。
 漢語(中国語)は、HをHとしてはっきり区別して発音するが、日本人にはHもFも同じである。逆に、日本人の発音ではRとDは区別されるが、漢語ではどちらの発音もLに聞こえる。うへーっ、これってどうなんでしょうか。いまは逆のことが言われてますよね。
 女性も日本では帝位につくことができる。女性が治める素晴らしい時代もあった。
 女性の地位と立場は日本では相当に高い。他のアジア諸国の中でも飛びぬけて高い。江戸時代に住む女性は、コンスタンチノープルのトルコ女性の百倍もの自由があり、計り知れないほど大事にされている。日本の女性は隔離された社会に閉じ込められてはいない。フェアな社会的地位をもち父や夫と同じように遊びに興じている。
日本の政府は教義には無関心だ。どの宗派も自由に教義を戦わせている。政府の無関心さは、世界ではひどく稀で、賞賛すべきことだ。
 信長は坊主たちのしつこさに辟易しつつ、日本に存在する宗教の数を問うた。35と答えた坊主に、それなら36になっても一向に問題なかろう、宣教師は放っておけと提示した。
 日本の皇帝(天皇)は政治的な重みを持っていない。それどころか、帝の暮らしは、牢に入れられたようなものである。すべての大名はスパイや内通者の監視下にある。日本のシステムは、治める側の生活のほうが治められる側のそれより惨めだとも言える。人の嫉妬を利用した管理法は小さな藩でも同じだ。このように嫌悪感を催すような政府の仕組みにもかかわらず、一般の日本人はほとんどいつでも気さくに振る舞い、言いたいことを自由に発言している。ええーっ、これってまるで現代日本のことを言っているみたいじゃありませんか・・・。
 日本の法には血なまぐさ漂うが、現実の運用では死罪の適用に積極的ではない。裁く側に広い裁量権が認められているのだ。
  この風変わりな民族は本当に花が好きなのだ。ほとんどすべての家庭が裏庭に庭園を持ち、前庭には花をつける低木を植えている。この国を訪れる誰もが農業や園芸のレベルの高さを賞賛している。
 日本人の器用さや創造力はよく知られている。日本の製品の出来栄えは頑丈さ、安定性、仕上げの良さまで中国の製品を上回っている。日本人は社交的で遊びが好きな民族だ。しっかり働き、労働時間は長いが、祭りにはごちそうを食べ、大騒ぎをする。祭りでは、音楽、踊り、演劇がどの身分でも楽しめる。道化師や役者たちが町を練り歩く。曲芸師、手品師、ジャグラーたちが人々を楽しませる。
 日本人はきれい好きで、身分の高低にかかわらず、風呂が好きだ。日本の家は驚くほど清潔だ。
  子どもは全て学校に行かされる。学校の数は、世界のその国よりも多いと言われている。日本人は名誉を異常なほどに大事にする民族である。少し高慢で、仇討ちに価値を置き、少し好色なところがある。それが欠点である。
真面目だけど、遊びも好きで、かつ好色。それが日本人だというのは、現代にも通用する日本人論ではないでしょうか・・・。
(2010年2月刊。1600円+税)

すごい裁判官、検察官、ベスト30

カテゴリー:社会

かなざわいっけい著 2008年発行
著者は競馬ブックの記者であるが、本業が暇な平日の時間帯を利用して、あしげく東京地裁の法廷傍聴に通っているのだそうな。傍聴回数は3000回に及び、自ら「傍聴官かなざわいっけい」と名乗っているのだそうな。
本書は、そんな傍聴官が印象に残る「すごい裁判官」、「すごい検察官」、「すごい弁護士」を綴った人物風土記である。例えば、被告人のトドメを刺す鬼裁判官、「フェ」から先が言えない純情検察官、厚かましいが美形の巨乳弁護士・・・エトセトラ
こんな軽めの本もいいかなと思って読んでみたが、最後の法廷傍聴記は少し感じ入った。法曹が、それぞれの背負っている立場を超えて、真実を追究する姿の描写はなかなかのもの。詳細はここでは明らかにしませんので、各自がご一読を。

ワルシャワ蜂起

カテゴリー:ヨーロッパ

著者  尾崎 俊二、    出版  東洋書店
 
 ポーランドのワルシャワで起きた一大事件が紹介されています。
1944年8月1日から10月2日までの63日間続いたワルシャワ蜂起によるポーランド人犠牲者は、民間人18万人、戦闘員2万人、合計20万人をこす。これは広島・長崎への原爆投下による直接的被害者21万人に匹敵する。
ワルシャワ蜂起の主体となった国内軍司令部の判断の誤りを批判する人も少なくないが、果たして簡単に誤りだったと言えるのか。1944年7月の時点で、被占領地の地下国家指導者と国内軍指導者には、他にどんな選択肢があったのか。蜂起直前まで、モスクワからの放送は連日、ワルシャワ市民に決起をあおっていた。そして蜂起のあと、すぐ近くまで来ていたソ連軍が追撃を突如としてストップするなど、誰が予想できたというのか・・・。
 さらに、ナチス・ドイツが叩き出されたあとソ連支配下のポーランドで、国内軍の指導者や蜂起兵は「反ソ」だということから「ナチスの協力者」「ファシスト」「裏切り者」として迫害され、秘密裁判で処刑された人も少なくなかった。
 うむむ、これはこれは、予想以上にワルシャワ市民は難しい局面に立たされていたことを知りました。
 1944年7月、ワルシャワは噴火寸前の火山だった。ワルシャワで4万人の将兵を擁する国内軍が、退却し混乱に陥るドイツ軍を攻撃もせずに傍観しているなどということは考えられなかった。もしポーランド人の支援者なしにソ連がワルシャワを制圧したとき、スターリンはポーランドの地下抵抗運動などなかったと言い通すだろう。そして、首都にいながら、その解放戦に参加できない軍隊とか国家など考えられもしない。
 ワルシャワ蜂起といえば、アンジェイ・ワイダ監督の映画『地下水道』を思い浮かべます。
蜂起で使われた地下水道ルートはいくつもあって、各地区をつなぎ、蜂起部隊の通信、連絡そして武器・弾薬の輸送、さらに脱走ルートとなった。この地下水道の案内人の多くは女性だった。
 カチンの森にポーランド軍の将校の埋葬地が発見されたのは、1943年4月のこと。スターリンの指令の下での大虐殺だったが、ソ連はナチス・ドイツの仕業だと宣伝した。しかし、ポーランド人の多くはナチス・ドイツの仕業だとは思わなかった。ポーランドの人々は、東方から進撃してくるソ連赤軍を単なる「解放軍」とみることはもはやできなかった。ソ連軍によるポーランド占領を危惧していた。実際、ソ連軍はポーランドに入って来ると、ポーランド軍を武装解除し、その司令官を射殺していた。
したがって、ソ連軍が侵入してくる直前に首都ワルシャワを制圧しなければならない。ポーランド国内軍は自分たちの手で、ワルシャワを解放し、ポーランド国家の主権者が誰なのかを明確に示さなければならない。しかし、このワルシャワでの蜂起作戦は、ドイツ軍に対するソ連軍の圧倒的優位に大きく依存するという根本的矛盾もはらんでいた。
 連合国軍は6月6日にノルマンディー上陸を果たしており、7月20日にはヒトラー暗殺未遂事件も起きていた。ワルシャワ蜂起は、早すぎても遅すぎてもいけなかった。
 うむむ、これはこれはきわめて難しい、いや難し過ぎる選択ですね。多くの人命と国家主権の存亡にかかっている選択です。
 国内軍司令部では即時開戦に賛成派と反対もしくは慎重派が5対5に分かれた。しかし、司令官が決断した。8月1日午後5時に蜂起することが伝達された。100万人都市が15分間で戦闘に巻き込まれた。ワルシャワの国内軍勢力は最大で5万人、そのうち銃器で武装していたのは10%に過ぎなかった。
 蜂起後数日間、ワルシャワ市民は5年ぶりに自由の空気を吸って熱狂し、蜂起兵にさまざまな支援を申し出た。しかし、この解放感は1週間も続かなかった。ナチス・ドイツ軍は犯罪者集団をつかって一般市民を組織的に大量虐殺しはじめた。
 映画『戦場のピアニスト』に登場するシュペルマンは、このときワルシャワに実際かくれて生き延びた人物です。ドイツ人将校と出会い、助けてもらいました。
 このドイツ人将校は、シュピルマンの「市街戦になったらどうやって生きのびればいいのか?」という問いに対して、「きみも私も、この5年間、この地獄を生きのびてきたのだから、それは明らかに生きよと言う神の思し召しだろう。とにかく、それを信じようではないか」と答えた。
 このように、ワルシャワ蜂起のあと、市内に隠れ潜んでいた人々は300人ほどで、「ワルシャワのロビンソン」と呼ばれた。
 ワルシャワ蜂起が失敗し、ナチス・ドイツに降伏すると、国内軍兵士はドイツ側の捕虜となり、ワルシャワ市民数十万人は収容所に移送されて、ポーランドの首都はからっぽになった。そして、ヒトラーの命令によってワルシャワは破壊され尽くした。
 チャーチルなど、連合軍はスターリンを怒らせないため、ポーランドの国内軍をあまり積極的に応援しなかったようです。2段組みで440頁もある大部な本ですが、ワルシャワの地域ごとに詳細に蜂起の状況が分かるという大変な労作です。前にも同じ著者の同じテーマの本を紹介しましたが、さらに詳細にワルシャワ蜂起の状況が書き込まれています。
(2011年1月刊。3800円+税)

企業法務と組織内弁護士の実務

カテゴリー:司法

著者  東弁研修センター委員会、    出版  ぎょうせい
 
 私は、分類されるとマチ弁護士になるのでしょう。いわゆる労働弁護士(労弁)を目ざしたような気もしますが、労働事件はほとんど依頼されることがありませんでしたので、労弁ではありません。草の根民主主義を大切にしたいと考えてきましたから、自分としては民主的弁護士(民弁)と言いたいのですが、民弁といっても韓国と違って定着した呼び方ではありませんので、しっくりきません。仕事の大半は多重債務をふくめた消費者被害を扱うものですから、やっぱりマチ弁としか言いようがありません。だから、企業法務なんか、あんたには関係ないでしょうと言われると、実はそうではないのです。マチ弁は、実のところ、零細な中小企業を主たる依頼者としています。だから、いわゆる企業法務ではないのですが、スケールを何桁も小さくした企業法務を扱うのは主要な日常業務の一つなのです。その意味で、この本は私にとっても大変勉強になりました。
 契約書の作成と審査にあたっての大切な視点として、2つあげられる。一つは、契約書において依頼者の利益が確保されていること。二つは、リスクの回避がきちんとできること。契約条項が明確になっていることは第三者によって検討が可能であること、そして、当事者間による契約条項の内容の共通認識である。
 契約条項において、文章で権利・義務の主体を表示するときには、受動態ではなくて、できるだけ能動態をつかうことが重要である。
 リスクの回避には3段階ある。まず、リスクを指摘する。そして、次に、そのリスクを取れるリスクか取れないリスクかを評価する。さらに、そのまま受けとめるか、軽減するか対応する。この指摘、評価、対応という3段階をふんでリスクを検討する。
 法律事務所の弁護士と企業内の弁護士との違いの一番大きいのは、リスク評価に対する対応だ。企業内弁護士は、企業の一員として、ある程度はビジネスに関与して責任を負う。だから、リスクを指摘するだけではなく、この中で取れるリスク、取れないリスクをイニシアチブをもって指摘する。リスクがあるからNOというのは簡単だが、それはダメ。リスク回避の観点から、ビジネスを動かすためにはどうしたらいいのかを考えていく必要がある。企業法務部は、建設的な提言をする必要がある。そのためには、ビジネスに対する共感が大切だ。
 法務部のコメントは、こうすればビジネスは動きますよと、ビジネス部門を法的に武装してあげるものでなければいけない。ビジネスに対する共感を持ち、ビジネスを円滑に進め、そしてそこから発生する法的なリスクをいかに回避するか、ビジネス部内の人たちと協力し合うことが必要である。
 マスコミとの対応では、マスコミに迎合せよということではない。正しくマスコミをリードするのも危機管理の一つなのだ。
 危機管理の実務は三つある。一つは、被害を最小限に食い止める。二つは、自浄作用を働かせる。三つは、プロセスを社会に示す。説明責任は会社内だけでなく、社会に示して完結するもの。
 不祥事は厳罰に処するというポリシーを経営者が日ごろ口にしていると、現場はまず隠そうとする。そういう企業文化が必ず生まれる。そうではなくて、不祥事があったら、いち早く報告させる。過ちを速く報告したら、1点加点してやるくらいの組織体制が必要だ。もともと大した不祥事でないものを、役員の事後対応のまずさから大きいニュースバリューのものに育てあげていくことがある。それが、役員の善管注意義弱違反である。
 拙速な公表は、たしかにまずい。しかし、分かっている事実と分かっていない事実とをきちんと区別してプレス・リリースするのはとても大切なこと。これは鉄則である。取締役会で法務部が議論をリードするのは危険なこと。
 企業が自浄作用を働かさないと外圧がかかる。外圧とはマスコミ、捜査当局、監督当局そして行政だ。危機管理コンサルタントは、おじぎの仕方、派手なネクタイはいけない、金ピカの腕時計ははずせとか、小手先のテクニックを使いたがる。しかし、結局のところ、会社がどういう姿勢で、何をしてきたかが勝負どころだ。
 マスコミは、相手が期待する以上の情報を提供しないと、何日も記事を書きつづける。
 こんな研修だったら、還暦を過ぎた私でも、今からでも受けてみたいなと思うほど、内容の濃い本でした。
(2011年1月刊。2095円+税)

睡眠の科学

カテゴリー:人間

著者  桜井 武 、    出版  講談社ブルーバックス新書
 
 動物は命がけで眠っている。それほど睡眠って、生き物にとって必要なものなんですね。
 惰眠をむさぼるという言葉があるが、睡眠は決して無駄なものではなく、動物が生存するために必須の機能であり、とくに脳という高度な情報処理機能を維持するためには絶対に必要なものなのである。身体とりわけ脳のメンテナンスのために睡眠は必須の機能である。睡眠中は、心身が覚醒状態とはまったく異なる生理的状態にあり、それが健康を維持するために非常に重要なのである。
ヒトは眠ると、まずノンレム睡眠に入る。ところが1時間から1時間半すると、脳は活動を高める。これがレム睡眠である。このとき、脳は覚醒時と同じか、それ以上に強く活動している。このレム睡眠のときの脳の強い活動の反映として夢を見る。レム睡眠時の夢は奇妙な内容で、感情をともなうようなストーリーであることが多い。これに対して、ノンレム睡眠のときに見る夢は、多くがシンプルな内容である。
 睡眠は記憶を強化する。シェイクスピアは、睡眠こそ、この世の饗宴における最高の慈養であると言った(『マクベス』)。たしかに、睡眠は甘い蜜の味がしますよね。
 睡眠不足は肥満になる。また心血管疾患や代謝異常のリスクを増加させる。
ノンレム睡眠は、一般的に脳の休息の時間だと考えられている。レム睡眠を「浅い睡眠」というのは間違いである。レム睡眠時には、不可解なことに、交感神経系と副交感神経系が両方とも活性化している。レム睡眠時には脳幹から脊髄にむけて運動ニューロンを麻酔させる信号が送られているため、全身の骨格筋は眼筋や耳小骨の筋肉、呼吸筋などを除いて麻酔している。そのため、レム睡眠時には脳の命令が筋肉に伴わないので、夢のなかの行動が実際の行動に反映されることはない。ただ、眼球だけは、不規則にさまざまな方向に動いている。
 睡眠は脳が積極的に生み出す状態であり、外部からの刺激がなくなって起きる受動的な状態なのではない。
睡眠と覚醒はシーソーの関係にある。覚醒は、シーソーが覚醒側に傾いている状態である。大脳皮質の活動という点からみると、覚醒とは、脳の各部がさまざまな情報を処理するために活発に、かつ、ばらばらに動いている状態と言える。
 健康なヒトでは、オレキシン系が適切なときに覚醒システムに助け舟を出し、シーソーの覚醒側を下に押し下げることにより、覚醒相を安定化することが可能になっている。
 オレキシンの機能はいろいろあるが、そのもっとも中心的な機能は覚醒を促し維持すること。そして交感神経を活性化して、ストレスホルモンの分泌を促す。モチベーションを高めて、全身の機能を向上させる。意識を清明にし、意力を引き出す。
 ヒトが眠りにつく前、一時的に手足の温度が上がるが、これは手や足の血管を拡張させて、体温を外に放散させることによって深部体温を下げている。こうして脳の温度を少し下げることによって睡眠が始まる。あまり体温を上げず、しかし暖かくして眠ることが大切だ。眠気を払いたいときは、逆に考えて、手足を冷やすといい。
時差ボケを解消するのには、光だけでなく、食事によってもリセットが可能だ。これは、いいことを知りました。今度、ためしてみることにします。
睡眠に関する科学の最先端の状況が私のような一般人にもわかりやすく解説されていて、一気に読み通しました。
(2011年11月刊。900円+税)

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