著者:荘 魯迅、出版社:大修館書店
著者は10歳のときに文化大革命が始まり、苦難の道を歩むことになりました。そのとき、ギターと書物に救われたのです。
人を助ける、人の心を助ける力があるものとして、文学はそこに厳然と存在している。
著者は李白は皇族の一人だと主張しています。そして、杜甫は外戚なので、李白と杜甫は血縁だというのです。
李白は人を殺したことがある。李白の奔放な表現は、すべて失意の表現なのである。
ときは唐の時代。玄宗皇帝は楊貴妃を寵愛していた。そこへ、安禄山の反乱が始まる。
書を読みて 万巻を破り
筆をおろせば神あるが如し
私も本はたくさん読んでいますが、筆をとっても神様の手のようには思うように動きません。
黄鶴楼(こうかくろう)にて孟浩然(もうこうねん)の広陵にゆくを送る
故人(こじん)、西のかた黄鶴楼を辞し、煙火(えんか) 三月 揚州に下る
孤帆(こはん)の遠影 碧空(へきくう)に尽き
ただ見る 長江の天際(てんさい)に流るるを
私も黄鶴楼にはのぼってみました。今は大きなコンクリート製の建物です。昔はどうだったのでしょうか・・・。
静夜思
牀前(しょうぜん) 月明の光
疑うらくはこれ 地上の霜かと
頭(こうべ)をあげて 明月をのぞみ
頭(こうべ)をたれて 故郷を思う
まことにふるさとは、遠くにありて思うものです。
早発 白帝城
朝辞白帝彩雲間
千里江陵一日置
両岸猿声啼不往
軽船己過萬重山
私も長江下りをしたことがあります。そのとき、白帝城をはるか下から遠くに見上げました。たしか船中泊で早朝だったような気がします。白い小さな砦のような建物が霞のなかに浮かびあがっていました。
春望
国破山河在
白春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲不勝簪
やはり、たまには漢詩を読んでみるのもいいものです。また中国に出かけたくなりました。この本は李白と杜甫の漢詩を紹介しながら、小説タッチで二人の出会いと別離を描いています。
李白と杜甫
