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2006年4月 の投稿

泣いて笑ってスリランカ

カテゴリー:未分類

著者:末広美津代、出版社:ダイヤモンド社
 私は紅茶が大好きです。ミルクティーをゆっくり味わいながら本を読んでいると、幸せ感に全身が包まれてしまいます。
 紅茶の名産地、スリランカに日本人女性が1年間滞在して、体当たり紅茶修業をしたのです。すごいですね、日本の女性は。タフでなければやっていけません。精神的にも、そして胃腸の方も・・・。
 紅茶にもいろんな種類があることを、今さらながら思い知らされます。といっても、私の毎朝のしょうがとハチミツ入り紅茶は、悲しいことに生協のティーバッグなのです。
 紅茶のテイスティングは、口にふくむことから始まる。このとき、できるだけ空気と触れさせるために、ズズズと音を立てながら吸う。行儀はよくないが、これがテイスティング。そして、鼻から空気を出す。そのときに、鼻をすっと抜けていく香りをチェックするのだ。そのあと、ぺっと吐き出す。決して飲みこんではいけない。
 ミルクティーには、砂糖山盛り1杯とコンデンスミルク普通盛り1杯を入れる。スリランカでつかう砂糖は日本のものより甘みが少ない。だから、想像するほど甘くはない。
 スリランカでは、ミルクティをつくるとき生乳はつかわない。粉ミルクをつかう。冷蔵輸送のインフラがととのっていないから。家庭の冷蔵庫に入っているのはココナッツミルク。
 スリランカの食事はカレー。左手は不浄の手なので、右手だけで食べる。食べる分だけを混ぜる。人差し指から薬指をつかい、小指は軽くそえる。指をスコップのようにして混ざったカレーをすくう。そして口のところまでもっていき、親指でカレーを押し出すようにして口に入れる。食卓に肘をついて食べる。熱いものでも、少し冷めてから食べる。
 晩ご飯は夜の9時。夕方5時にティータイムがある。食後に紅茶を飲む習慣はない。食後は決まって水。一度沸かして冷ました常温の水をがぶ飲みする。
 紅茶の葉っぱは一芯二葉で摘む。芯芽とその下についている葉っぱ2枚を摘む。でも、三枚目の葉っぱがもしソフトなら一緒に摘んでもいい。
 雨が降っても紅茶は摘む。ビニールシートを頭からすっぽりかぶって・・・。
 軟らかい葉っぱには、紅茶のおいしさの元となる化学物質がたくさん残っている。
 乾期になると、紅茶の生産量は格段に落ちてしまう。しかし、その分だけ紅茶のうま味がぐっと出てくる。劇的に味が良くなる。
 インドのダージリン、中国のキーマンと並ぶのが、スリランカのウバ。メントールの味と香りが強烈だ。
 スリランカでは、ミルクティをつくるとき生乳はつかわない。粉ミルクをつかう。冷蔵輸送のインフラがととのっていないから。家庭の冷蔵庫に入っているのはココナッツミルク。
 スリランカで結婚するときには、やはりカーストが問題となる。自分の身分に見合う人を親が探し出し、親が決めた人と結婚する人が多い。
 日本女性の健康はつらつとした行動力に、男も負けてなんかいられないと、つい思ってしまいました。それにしても、おいしいミルクティーを味わいたいものですよね。ご一緒に、いかがですか。

またまた、へんないきもの

カテゴリー:未分類

著者:早川いくを、出版社:バジリコ
 私は、いつも奇人・変人と言われています。もっとも、本人はいたって平凡な常識人だと自負しているのですが・・・。テレビを見ない。プロ野球にもゴルフにも興味がない。カラオケも歌謡曲も大嫌いだ、なんていうと、やっぱり、この世の中では変人の類なのかもしれません。でも、でもでも、この本を眺めると、私のようなものはまだまだ変人なんて域には達していない、単なる凡人でしかないことを確信します。
 そう、そうなんです。自称・他称の奇人・変人に生きる勇気を与えてくれるのが、この本なんでーす。いかにも奇妙奇天烈な変てこりんの生き物たちの堂々たるオンパレードです。本当は絵を見てもらえば、その妙ちくりんの姿につい笑いたくなるほどなのですが、ここでは示すことができませんので、機能の方で、その変てこりんぶりを紹介します。
 ツノトカゲは追いつめられると、なんと目から血を発射して敵を威嚇する。射程距離は1メートル。発射後は角膜がきれいになるのをぐっと待つ。ビーム砲のように血液を噴射するなんて、まさに怪獣ですよね。
 セアカサラマンダーは、一夫一婦制の両生類。メスはよそのメスとつがった浮気なオスに対し、殴る、かむなどの激しい攻撃を加える。おー、こわ、こわ・・・。
 地球で一番長大な生物はクジラでもヘビでもない。なんと、クラゲ。体長40メートルのクラゲ。しかし、このクラゲは、遊泳、消化、浮力調整、生殖など、それぞれが機能別に変身している。つまり集団でありながら一匹の生物としてふるまう群体生物なのだ。
 シュモクバエでは、オス同士は顔つきあわせてお互いに目玉の離れ具合を入念に計測する。目と目の距離はオスの遺伝子の優秀さを表示している。この計測で勝負が決まると、敗者は黙って引き下がる。うーん、潔ぎよい・・・。
 ホシバナモグラは、鼻が星のようにヒラヒラしています。まるで変です。でも、鼻先にある22本のセンサーは常にピクピクと動いて、世界を触覚で認識しているのです。世界でもっとも精密なセンサーと言えます。接触した物体が獲物かどうか、0.025秒で判断し、0.205秒で捕獲。合計0.23秒でたいらげるのです。触覚のみで、この速さなのですから、たいしたものです。わが家の庭にもモグラがいることはまちがいありません。しかし、残念なことにヘビと違って、一度もお目にかかったことがありません。一度ぜひ、そのご尊顔を拝閲させてください。
 マダラコウラナメクジは長さが20センチにもなる。連れ添う2匹が50センチに及ぶ粘液の糸をくりだして逆さ吊りになる。そして吊られたまま、銀の粘液に光る肌を寄せあい、絡ませ、よじらせ、身悶えしつつ互いにその身を溶けあわせる。雌雄同体生物であり、両性具有者である。ペニスの長さは85センチにも達し、うっかりするとこんがらがってしまう。ペニスは、プロペラのように、渦巻きのように、そして相手をまさぐる恋人たちの手のように変幻自在に形を変え、ねっとりと舐めあい、溶けあい、互いに精子を交換する。
 フランスの自然を観察した映画(「ミクロコスモス」だったと思うのですが・・・)に、カタツムリの愛の交歓をうつしたものがありました。いかにもなまめかしい愛撫がえんえんと続き、ポルノ映画でも見ているようにゴクリとツバを飲みこみ、圧倒されながら見入ってしまったことを思い出します。
 サナダムシの長さは長くて12メートル。人間の腸は9メートル。今までで一番長いサナダムシは25メートルあった。サナダムシは全身が生殖器といってもいいくらいで、1日に200万個の卵をうむ。そして、最盛期には1日に20センチは伸びる。
 いやはや、いろんな生き物がこの世にはいるもんですね・・・。

見えない恐怖におびえるアメリカ人

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著者:矢部 武、出版社:PHP研究所
 アメリカこそ全世界にテロの恐怖を輸出しているならず者国家の典型だ。私は、そう考えています。そのアメリカ国内で何が進行しているのかを暴いた本です。
 全米で離婚に率の高い州はブッシュ大統領が勝利した州が占める。アーカンソー、ミシシッピー、ケンタッキーなど。もっとも離婚率の低いのはケリー候補の地元のマサチューセッツ州。
 ブッシュ大統領は福音主義者であるが、福音主義者が多い州では、プロテスタントの個人主義的な信仰が人々に、“我が道を行く”的な生き方を奨励し、また、結婚前の性的関係を禁止する禁欲主義の風潮が強い。もし家族などに結婚前の性的関係を慎むように強く言われ、それに従って結婚したカップルは離婚する可能性が高い。福音主義者の方が、それ以外のキリスト教徒よりも離婚しやすい。うーん、なんだか常識に反する気もしますが、抑えつけすぎると必ず反動があるということなんでしょうね。
 アメリカでは成人の64%が太り過ぎ、31%が肥満だ。そこで、最後の手段として、胃を小さくするバイパス手術を受ける人が増えている。これは、患者の胃の最上部5センチぐらいのたるみ部分(小袋のような)と小腸をつなぐ手術だ。こうすると、食べたものは胃の大きな部分ではなく、小さなたるみ部分を通って小腸へ送られる。ここで持ちこたえられるのは、わずか60グラムぐらいなので、少量しか食べられず、だんだんやせていく。問題なのは、この手術には大きなリスクが伴うということです。もっとも深刻なのは、胃と小腸をつないだ部分が破れて、食べたものが体内に漏れ、感染症など、合併症をおこすこと。手術後、2ヶ月以内に20人に1人の割合で深刻な合併症をおこし、患者の50人に1人から200人に1人の割合で死亡している。ところが、胃バイパス手術を受けた人は2005年には17万人に達する見こみだ。
 実は、私も中年太りに悩んでいます。鏡に自分の裸身をうつすたびに、小腹の出ているのが、わが身体ながら嫌になってしまいます。若いころはスリムなボデーを誇っていたのですが・・・。それでも、ダイエットは今でも続けているのですよ。朝はニンジン・リンゴのジュースと青汁としょうが紅茶のみです。そのあと昼12時までは一切何も口にしません。胃腸を休めるのです。
 驚いたことに、アメリカではペニス拡大手術が流行しています。信じられません。
 アメリカでは、女らしさの象徴は性器のほかに胸、かわいい顔があるが、男性はペニスだけという考え方が強い。男のパワーの象徴としてのペニスへの異常なほどのこだわりがある。問題は実物のサイズではなく、精神的な不安、恐れなのである。死人の皮膚をつかって、ペニスを拡大させる。料金は6000〜7000ドル。高度なものだと1万4000ドルもする。これには驚きました。なんとも言いようがありません。
 さらに、男性がシリコン筋内豊胸手術を受けているというのです。なんということでしょうか・・・。
 アメリカには2億数千万丁の銃が氾濫しているため、その銃によって年間3万人の生命が奪われているのです。
 この本の最終章のタイトルは、日本はいつまでアメリカに盲従するのか、というものです。ホントにそうですよね。日本の景気がちっとも良くならないというのに、グアムにアメリカ軍が移転する費用の大半(なんと9,000億円にものぼるのですよ)は日本が負担してあげるというんですから、そのバカバカしさには、開いた口がふさがりません。
 私は昔からヤンキーゴーホームでしたが、いま一度ここで叫びたい気がします。といっても、ここでいうヤンキーとはアメリカ軍人のことです。念のため・・・。

なぜ、いま代用監獄か

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著者:小池振一郎、出版社:岩波ブックレット
 著者はテレビのワイドショーのコメンテーターに長く出演していました。「ワイドショーに弁護士が出演する理由」(平凡社新書)と言う本があります。司法試験の受験勉強を一緒にした仲間です。コメンテーターとして一言いうのもなかなか難しいと語っていました。ときの政府をあまりコテンパンにやっつけてしまうと、次から座敷がかかってこないというのです。さしずめ、今だったら小泉首相を弱者いじめの極悪人だと決めつけるような言い方をすると、次には間違いなくお呼びはかからなくなるのでしょうね。
 著者は世界の刑事拘禁施設について調べています。日本の留置場がどんなに警察にとって都合のよいものか、取調べの便宜のために正義が犠牲にされていることを強調しています。私も、自白している被疑者が面倒みてもらっていることを何回となく体験しました。否認している被疑者とは雲泥の差があります。
 たとえば、煙草、そして差し入れの食事です。これまで愛人と面会でき、しかも、密室になることが許されたケースも報告されています。その面会のときの写真まであるというのですから、信じられません。
 オウム事件の主任弁護人だった安田好弘弁護士は10ヶ月近くも拘置所に勾留されてしまいました。安田弁護士のこの逮捕は、まさに不当逮捕の典型だと思いますが、体験談のなかに次のようなくだりがあり、驚きました。
 留置場ではもちろん、拘置所の中にあってもフセンを使うこともできない。カラーマーカーもない。ホチキスもない。えーっ、本当でしょうか・・・。私は、記録を読むとき、カラーマーカーをつかいながら、いくつもの色のフセンをつけていくようにしています。後で読み返すときの便宜のためです。もし、こんな制限が本当にあるのなら、まったくもって不当な制限だと思います。
 警察の留置場の規則は厳しい。しかし、これは破られている。消灯時間の夜9時までに房に戻しておくことになっている。ところが、取調べのために、消灯時間を2時間も過ぎた夜11時に戻すことがある。それでも、その時間は夜9時に戻ったことになっている。被疑者は時計をもたされていないし、留置場や取調室には時計はない。だから、被疑者が何時まで取り調べられたか客観的には分からない。うーん、そうなんですね・・・。
 警察の留置場に被疑者がいる限り、取調べ官の便宜が最優先してしまうのはあたりまえのことです。ここは、どうしても留置場とは別の拘留場所を確保すべきなのです。
 わずか63頁の薄いパンフレットですが、今まさに時宜にかなった内容になっています。

地球遺産、巨樹バオバブ

カテゴリー:未分類

著者:吉田 繁、出版社:講談社
 バオバブの見事な写真集です。一度はホンモノを見てみたいと思うのですが・・・。
 この4月から、NHKラジオのフランス語講座の応用編は有名な「星の王子さま」です。そのなかにバオバブが星を食べつくすという話が出てきます。もちろん、そんなことはありません。それどころか、バオバブは人間にとって大変役に立つ木なのです。
 樹皮はロープやカゴに、花や葉は食料に、種子は食用油に。樹皮は薬としても優秀で、マラリアや下痢止め、解毒、腰痛などに、葉はぜん息、利尿剤、結膜炎、根はマラリアや強壮剤に、果肉は火傷や結核、果皮は傷、手指は虫歯、はしか、胃炎、バオバブはほとんど万能薬。葉は食用にもなる。若葉は少し粘り気のあるオクラのよう。バオバブの果肉は子どものおやつ。少し酸っぱいサツマイモのような味がする。果肉をとったあとの実の外側も容器として使う。これでビールを飲むと美味しい。そうなんですか・・・。ちっとも知りませんでした。
 マダガスカルの人口は、30年前に600万人だったのが、今や1800万人。お米を主食としているので、水田をつくる。この水田開発のおかげで、バオバブの巨木がバタバタと倒れはじめている。いやー、困ったものですね・・・。
 バオバブの木は神さまが逆さまに植えた木とも言われている。内部の木材繊維が極端にやわらかい。桐の木は軽いと言われているが0.28gの比重に対して、バオバブは  0.15しかない。四季がないため、内部に年輪がなく、スポンジのような幹のなかにたくさんの水分をためている。ちょっとした水がめのような構造なのだ。そのかわり、樹皮がすごく発達していて、大木では15センチにもなっている。根も肥大化している。根にも貯水できるようにするため、葉の数を減らすので、あんな格好になっている。
 葉が少ないので、光合成は、樹皮の下を葉緑素で緑色にして解決している。いわば、サングラスをかけて効率的に光合成をしている。
 ゾウがバオバブの樹皮を、マントヒヒが実を食べている。幹の洞にはコウモリ、根元にはヘビが棲んでいる。ゾウはバオバブの内部を食べて、乾期のときの水分補給をしている。だから、バオバブの天敵は、ゾウとカミナリだ。
 バオバブの木は1000年以上は生きるとみられています。
 マダガスカルもアフリカも行けそうもありません。せめて、オーストラリアに行ってみてみたいと思っています。幹回りが45メートルとか、54メートルなんて、その大きさは、とても信じられません。でも、なんとなく見ただけで、なつかしさを覚える木ですよね。ところで、バオバブの木って分かりますよね。ほら、航空会社の大きなポスターにうつっている太った木があるじゃないですか、あの木のことですよ。

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