著者:米原万里、出版社:文春文庫
著者初のグルメ・エッセイ集ということで、37本のロシアの小咄エッセイが満載です。
古代ローマ人の宴席では、まず最初に卵が出たそうです。ただし、生のまま呑み込みました。ルネサンス期のイタリアも最初は卵で最後はフルーツでした。ただし、この卵はゆで卵。もっとも、現代イタリア人は生たまごだけでなく、ほとんど卵料理を食べないそうです。イタリアに行ったことのない私は知りませんが、本当でしょうか?
アレキサンダー大王は、大遠征の最中、兵士たちに「キャベツを食え。キャベツは身体にいい」と言ってまわったとのこと。ローマでもキャベツは大の人気食でした。豚の脂身やロースハムとつけあわせて食べるのが好まれたそうですから、今と変わりません。
ところで、署名の「旅行者の朝食」とは何でしょう?
この本を読むと、ロシア(もちろん、ソ連時代です)の食生活の貧しさに関わるものだったことが分かります。興味があったら、この本を読んでみて下さい。
旅行者の朝食
