著者:渡辺正裕、出版社:幻冬舎
会社勤めの経験のない私には、社風というものが、率直にいってよくイメージがつかめません。それでも、この本を読むとなんとなくイメージがわきます。
労働組合が弱いというのでキャノンが紹介され、逆に強いというのは全日空とNTTドコモです。社員の生活を守るうえで強い労働組合が果たしている役割は大きいようで、会社を辞める人はほとんどいないそうです。私は、とてもいいことだと思います。
NTTドコモでは、有休は全部消化するということです。いまの日本では強い労働組合は少なくなってしまいました。貴重な存在です。
日本生命は目下、20時消灯に向け努力中です。東京海上は20時半に消灯するので、あとは自分の蛍光灯をもちこんで仕事をしています。JTBは「死ぬ」ほどの忙しさです。離職率が5年で3割というのも当然です。
三菱商事は入社10年目で年収1200万円。5時間をこえるフライトはビジネスクラスを使います。三井物産では海外勤務は給与が2倍、休みも5倍となっています。1人あたり1億円稼ぐのが目標の目安というのですから、それも当然なんでしょう。
松下電器は昼休みか朝に全員で綱領と7精神を唱和し、毎日1人ずつ3分間スピーチをします。いまどき、そんなことをしているのか・・・と驚きます。まるで宗教団体です。
同じように富士通でも毎朝8時40分に出社すると、朝礼で全員が毎日1人1分スピーチをします。ここでは、出世は上司に尽くしてきた時間のトータルで決まります。移籍すると出世できない仕掛けです。
うーん、会社人間というのは昔から大変なんですね・・・。
2005年2月3日


