著者:エリック・ボブズホーム、出版社:三省堂
イギリスの歴史学者であり、ケンブリッジ大学の学生時代以来、今日なお共産党員である著者が、その一生をふり返った本です。ユダヤ人でもありますが、ユダヤ教の信者ではないようです。
1932年のドイツでは、現状を急進的に拒否していったのは多数派だった。大学生のなかにはヒットラー支持が強かった。
1933年の国会放火事件は、オランダ人左翼青年が人々をあっと言わせるような行動に出て労働者を決起させようとしたもので、ナチ党員が仕組んだものではないというのが今日の通説だ。
スペインでファシズムと戦った国際旅団のうち7000人は、社会党や共産党のユダヤ人だった。ユダヤ人がいつも受け身の犠牲者だったわけではない。
フランスのジョスパン首相は、かつてはトロツキストだったし、ドイツのフィッシャー外相も街頭の戦士だった。1968年世代は、政治の舞台で今も活躍している。この点は、日本とはまったく違っていると同じ団塊の世代の私は思います。
フランス共産党は自分からスターリン化し、レジスタンス運動によって大量に引き寄せた知識人に威張りちらし、やがて敵にまわしてしまった。
2段組みで400頁もある本ですが、なかなか読みごたえがある本でした。
わが20世紀、面白い時代
