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2004年6月 の投稿

オトナ語の謎

カテゴリー:未分類

著者:糸井重里、出版社:ほぼ日ブックス
 私たちが日頃なにげなく使っているコトバも、よく考えてみると、不思議なものがたくさんあります。そして、どうしてこんなふうに言うのかなとギモンに思うコトバはもっと多いと思います。この本では、そんな大人の「あいまいな」コトバを紹介しています。
  なるはや・・・なるべくはやくの略。うーん、そっかー・・・。
  いまいま・・・まさにいま、最新の情報として・・・。
  ざっくり・・・だいたい。弁護士会でも、よく使います。
  テンパる・・・忙しくて余裕がなくなって近寄りがたくなっている状態。
  アジェンダ・・・会議における議題。
  スペック・・・性能、仕様。
  シナジー・・・相乗効果。
  マスト・・・非常な重要で外せないものごと。
  デフォルト・・・最初から決められているもの。常識。
  ブレイクスルー・・・マンネリ状態を打破すること。
  てっぺん・・・深夜0時。
  てれこ・・・逆になること。
  私も50年以上生きてきて、それなりに本を読んでいるのですが、それでも、こんなに知らないコトバがあるのかとガク然としました。

九十三齢春秋

カテゴリー:未分類

著者:北林谷榮、出版社:岩波書店
 明治44年(1911年)生まれの現役(?)女優です。最新作の映画『阿弥陀堂だより』には腰が抜けるほど感嘆しました。四季折々の風景に見事に溶けこみ、実に自然な、そしてナイーブなお婆さんでした。
  今から30年前、司法修習生のとき、銀座あたりの劇場へ青法協活動の一環として、クラスの仲間たちと『泰山木(たいざんぼく)の木の下で』を観劇に出かけました。舞台を見るのは久しぶり(初めてだったのかもしれません)が、北林谷榮の名演技は今も記憶に鮮明です。実に不思議な役者です。何の違和感もなく、観る者が安心して舞台のつくる世界に没入していくことができます。
  わずか200頁ほどの本ですが、JRの列車の中で一時間ほど一心不乱に読みふけりました。読み終わったとき、心に安らぎというか、ほんわかとしたぬくもりを感じることができました。本が読めるっていいな。自分で自分をほめてやりました。
  よく化けるというだけでは役者は無意味に近い。生まれてから今までの生活の全体が嗅ぎとられるような、根っこのようなところをつかまえて立たなければならないのだ。
  映画『にあんちゃん』にも出演しているらしいので、こんどビデオを捜し、借りて見てみようと思っています。
  劇で天草のお婆さんを演ずるときには、2日ほど前から天草へ出かけて、地元のおばちゃんたちの話にじっと耳をすましたり、その地の人々の生活を自分の身につける努力をするそうです。さすが芸のプロはちがうと、ほとほと感心しました。
  ちなみに、私の母は大正2年生まれですが、いまでは十分な会話は成り立たなくなってしまいました。残念です。

天下布武の城・安土城

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著者:木戸雅寿、出版社:新泉社
 織田信長による安土城の創建当時の姿が、発掘を通じて明らかにされていく過程が紹介されています。ご承知のとおり、安土城は明智光秀による本能寺の変で、わずか3年で焼滅してしまいました。安土城のあったところは安土山と呼ばれて海に囲まれていました。空から見た写真があります。戦後の干拓事業によって、今では、周囲の海は埋め立てられて水田になっています。
  大手道の石段には石仏も使われています。でも、これは信長が不信心であったというより、当時はよくあることで、無縁となった石仏は石材にすぎないとみられ、よく転用されていたようです。それにしても、大手道は幅6メートル、直線130メートルです。かなりの勾配があり、そこを登っていくわけですから、頭上にそびえたつ天守閣は、実に壮観だったでしょう。なにしろ天守閣の瓦には金箔が貼られ、キラキラ輝いていたのです。
  安土城には天皇を迎えるための建物も用意されており、そのための本丸御殿より上に信長の住む天守閣があったのです。安土城の様子を知ると、49歳で暗殺された信長が、いかにスケールの大きい人物であったか、より偲ぶことができます。
  この5月、安土城にのぼってきました。現地に立ってみると、信長の発想のスケールの大きさに圧倒されます。近くに「信長の館」があり、安土城の天守閣の5層と6層が想像復元されています。スペインの万博にも出品されたものです。その壮大さに気圧されて声が出ないほどでした。大いに一見の価値があります。
  『安土城』(小学館ウィークリーブック)は、CGも使って、ビジュアルに安土城の全体を復元しています。

ボクが最後に言い残したかったこと

カテゴリー:未分類

著者:青木雄三、出版社:小学館
 『ナニワ金融道』は私も全巻読みました。大学を卒業して以来、原則としてマンガ本は読まないようにしたのですが、『ナニワ金融道』は弁護士をするうえで勉強になると思って、参考書のつもりで読みました。私の知らないことがたくさん書かれていて、本当に勉強になりました。著者は、肺ガンにかかって病死されましたが、この本は、病床インタビューをまとめて本にしたものです。たいした精神力だと敬服します。
  資本主義万歳!みたいな日本ですが、本当に今のままでよいのか、著者は血を吐く思いで疑問をぶつけています。いま一度マルクスが見直される時代が必ずやってくるという著者の予言は、私も確実にあたる気がしています。

弁護士の散歩道3

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著者:福山孔市良、出版社:清風堂書店
 大阪の福山弁護士の旅行記・エッセー集です。世界各地へ出かけ、ハイキングもしています。スペイン、フランス、アイルランド、イタリアそしてスリランカ。私も、まだまだ行っていないところばかりです。
  日本国内も、伊豆の天城峠、蔵王、郡上、山形の立石寺、飛騨高山、そして唐津や能古島。私も日本全国、いろいろ行っていますが、はるかに上手です。とてもかないません。
  そして趣味がまたすごいのです。ジャズに茶の湯、さらに、なんと文楽まで・・・。
  人間としての幅の広さを感じさせるエッセーと楽しい旅行記です。弁護士って、定年を気にすることもなく、好きなようにのびのびやれるものなんですよね。でも、その割には、あくせく仕事に追われるばっかりで、いかにも疲れている弁護士が周囲には目立ちます。もったいないですよね。残念ですね・・・。

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