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2003年9月 の投稿

太ったんでないのッ!?

カテゴリー:未分類

著者:壇ふみ・阿川佐和子、出版社:世界文化社
 『ああ言えばこう食う』(集英社)、『ああ言えばこう嫁×行く』など、この2人のかけあい漫才はともかく面白い。なんとバカなことを言っているのだ、と腹がたつほど面白くて、次はどういう展開になるのか、頁をめくるのももどかしいほど。
 こんなに相手を「けなし」あって、本当にこの2人の関係は大丈夫なのか。他人事(ひとごと)ながら心配させられるが、本人たちはスッカリ割り切っている気配だ。
 太ったんでないの?と言われると、実は私も辛い。中年太りがますます進行し、ついに娘から誓約書を書かされてしまった。年内に5キロやせなくてはいけない。トホホ・・・。
 ところで、淫靡(隠微)なトリュフの料理からフグの白子のリゾットまで、日本とフランスの美味・珍味が惜し気もなく出てきて、美女二人が堪能している状況が描かれている。これで太らない方がどうかしている・・・!なんて怒っても何の意味もない。私も、こんな軽妙な文章を書いてみたい。そして「取材」と称して高級料理店でオーナー・シェフのとっておきフレンチを味わってみたいものだよーん。

黒い悪魔

カテゴリー:未分類

著者:佐藤賢一、出版社:文芸春秋
 デビューして10年になる著者の長編小説10作目の本です。10作全部を読んではいませんが、直木賞をとった『王妃の離婚』など、情景描写のうまさと巧みなストーリー展開にいつも感心させられます。西洋史学を専攻していたというだけあって、中世のフランスの社会状況もよく描かれています。
 この本と同時に発売された『オクシタニア』(集英社)も読みました。キリスト教の異端カタリ派を扱っていますが、登場人物が関西弁で話したりするのに違和感がありました。
 この本は、『三銃士』(福音館書店)の作者である文豪デュマ・ペール(大デュマ)の父親の一生を描いています。カリブ海の島で黒人奴隷の母親との間に生まれ、パリに出て将軍へ出世していき、フランス革命に直面してナポレオンとはりあうようになる激動の人生が、手に汗にぎるように活写されています。
 いま、私はマイカーの運転中に子ども向けのフランス語『三銃士』を聞いています。まだまだ全部は理解できませんが、それでも長年続けてきたおかげで、かなり聞きとることができます。耳からずっと聞いているので、日本語の『三銃士』も読んでいるのですが、さすが文豪と言われるだけあって面白いですね。語学をやっていると本当に世界が広がります。

松本成一写真集

カテゴリー:未分類

 松本成一弁護士による自費出版の写真集。
 松本弁護士は1933年生まれなので、ちょうど70歳。弁護士生活45年の大ベテラン。飛行機の免許ももっておられるので、素晴らしい航空写真もある。
 1957年の唐津の紙芝居の写真を見ると、本当になつかしい。1975年に廃止された福岡の市内電車も走っている。写真は雄弁だ。みるみるうちにタイムスリップさせてくれる。子どものころに返って、おカネのことも、異性のことも、何にも苦労なく遊んでいることに戻りたい・・・。そんな忘れかけていた情景を思い出させるなつかしさあふれる写真集。(

能力構築競争

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著者:藤本隆宏、出版社:中公新書
 ニッサンはルノーの支配下に入って、フランス人のカルロス・ゴーンが社長となり、マツダもフォードに支配されてアメリカ人の社長になっている。もう、日本の自動車産業も斜陽化している・・・。そう思っていた矢先に読んだ本。いやいや、日本の自動車産業は世界のシェア30%を維持しているし、強いんだ。なぜ、こんなに強いのか、それを探ろう。この本はそう主張する。アメリカで日本車が強いのは、中古車価格が新車の半値もするからだ。なるほど、そうだったのか・・・。日本人は品質にうるさいだけでなく、デザインも型もきわめて細かい。その注文に応じながらコストダウンしていく。そのフレキシビリティーが日本の自動車産業にはあった。うんうん、そうだそうだ。よく分かる・・・。この本は、東大教授が難しい言葉で日本の自動車産業もまだまだ捨てたもんじゃないことを解説してくれている。

カストロ─銅像なき権力者

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著者:戸井十月、出版社:新潮社
 1959年1月、フィデル・カストロ32歳のときキューバ革命が始まった。以来、40年以上も権力者として君臨し、アメリカから何度も暗殺されかかっても、倒れなかった。そして頼みのソ連が崩壊したあと、キューバは経済危機に直面する。それでも陽気にキューバ人は生きているし、カストロも生きのびている。いったい、それはなぜなのか?
 この本は、私と同世代の著者がカストロへの突撃取材に成功するまでを語りながら、キューバの実情を率直に紹介している。一言でいうと、キューバは国としては苦労しているけれど、人々は楽天的に生きているし、カストロは権力腐敗から無縁だということ。本当だろうか・・・。あとは、この目で確かめるしかない。

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