著者:春日武彦、出版社:角川書店
著者は産婦人科医として大学病院に6年間つとめたあと、精神科医になりました。なぜか?
わたしをうんざりさせたのは、世の中にはいかに身勝手な人たちや「いい加減」で卑しい人たちが多いかという事実であった。子どもを道具か、せいぜいバービー人形程度としか捉えていない親の多さに呆れてしまった。こんな親たちの安易な発想や無分別な衝動に加担することに、わたしはつくづく嫌になった。分娩に立ち会った医師として「おめでとうございます」と言わねばならない。自己欺瞞も限界に達した。
なるほど、なるほど・・・。納得した。
それぞれの医者には、それぞれ特有のトーンをもった患者さんが集まるという経験的事実がある。これは、そっくりそのまま医者を弁護士におきかえてもあてはまります。心という不思議を考えさせてくれる精神科医によるエッセーです。
何をやっても癒されない
