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すべては傍受されている

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著者:ジェイムズ・バームフォード、出版社:角川書店
 NSA(米国国家安全保障局)の正体を暴いた本。
 NSAの総予算は175億ドル。職員はCIAとFBIの職員の合計より多い3万8千人。ところが、さらに2万5千人が数十ヶ所の傍受基地で雇われている。三沢空軍基地にはアメリカ陸軍第750軍事情報中隊がいて、インテルサット衛星8をつかってデジタル衛星通信の傍受と分析している。辞書というコードネームのコンピューターが傍受アンテナを通過する何百万の通信の中から、キーワード、名称慣用句、電話・FAX番号を含む監視リストに該当するものがないか一瞬のうちに検索する。要するに、このメールを含めて、インターネットを含むすべての会話と回線のすべてがNSAによって傍受されているということ。
 ところで、映画『13デイズ』でキューバ危機の内幕が描かれているが、この本によると、アメリカ軍の統合参謀本部は陸海空からの本格的侵攻(全面戦争)を強く主張していた、そのため、キューバにあるグアンタナモ米海軍基地をカストロが攻撃したような芝居をうつ計画まで立案していたという。ところがケネディ大統領がこの案を却下して、CIAによるキューバ亡命軍の侵攻になった。この計画が失敗したら、本物の侵攻作戦に代わるだろうとペンタゴンは思っていたが、そうはならなかった。そこで、ケネディ大統領を憎んだ。ケネディ暗殺にアメリカ軍の上層部がかんでいたという背景状況が説明されている。アメリカには底知れない恐ろしさがある。キューバでは失敗したが、インチキ・トリックはベトナムでは「成功」した。トンキン湾でベトナム軍による2回目の攻撃はなかったのにアメリカ軍が攻撃されたと大々的に宣伝し、その「反撃」のために北爆が始まった。今回のイラク攻撃のときの「大量破壊兵器」と同じインチキ・トリックだ。軍人というのは口実がないときには口実をデッチ上げてまでも戦争を始めようとする恐ろしい人種だ。つくづく恐ろしい。知らぬが仏ではあるが、寒気を覚える。それでも、オサマ・ビン・ラディンをアメリカが捕えきれないのはなぜなんだろう?

刑務所の中のごはん

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著者:永井道程、出版社:青林工芸社
 刑務所ではどんな食事をしているのか。いわゆる臭い飯って、どんなものか。知りたいと思っている人は多いと思う。この本は、それに図解入りでこたえてくれる。体験談だから間違いないと思うが、かなり美味しいようだ。
 ご飯は麦が4割。お米は玄米で買って中で精米するので意外に美味しい。ボリュームのあるカレーもあり、ウナ丼もある。ある日の献立を紹介すると、朝は梅干し、まぐろ缶にご飯と味噌汁、昼はサワラの塩焼・肉ジャガ・桃缶、夕方はけんちん汁・大根あさり煮・めかぶ・ブルガリアヨーグルト。10日ごとに食事のメニュー表が 貼り出されるが、年に1回開かれる献立編成会には受刑者の代表も参加する。夏にアイスクリーム、節句に柏餅、クリスマスにはケーキ、正月には2段重に入ったおせち料理という特別食が出る。正月3ヶ日は、ラジオを聴きながらのんびりとせんべいやチョコレート、羊羹をつまむこともできる。といっても刑務所の中では、食べて働いて寝るという非常に単調な生活が毎日毎日くり返される。自由が奪われているなかで、食べる楽しみだけはあるということだろう。

地球のすばらしい樹木たち

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著者:トマス・パケナム、出版社:早川書房
 地球上には、まだたくさんの巨樹、奇樹、神木が残されている。それを訪れ歩き、写真を撮る。樹齢46000年とか、樹高80メートルとか、いかに人間がちっぽけな存在であるか、写真は雄弁に語っている。
 日本のクスノキも神木として紹介されている。いろんな形の樹があるが、なかでも私の目を魅きつけてやまなかったのは、マダカスカルにあるバオバブ・アベニューの日没の写真。夕焼けの鈍い黄金色に20本ほどのバオバブが照り輝いている。まさに息をのむ美しさだ。

リンボウ先生の書斎のある暮らし

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著者:林望、出版社:知恵の森文庫
 林望先生は自宅地下に22坪の書斎をもっているそうです。1万5千冊入るので大丈夫のつもりだったようですが、既に満杯とのこと。私も小さな書斎をもっていますが、本格的な書庫まではもっていませんので、うらやましい限りです。知的生活を送る人は、やはり本は極力保存すべきだという考えに同感します。ニュースをテレビだけで観ている人には批判が育たない。テレビの記者なりデスクなりが一定の考え方のなかで取捨選択して一定の枠をはめた(かなり窮屈に誘導された)考えしか出てこないのがテレビというもの。そこには手垢のついたニュースしかない。少しずつでも毎日継続していくと絶対力になる。何事も10年やれば、ものになる。私も30年間、毎日ラジオ講座を続けて聴いてフランス語が分かるようになりました(この夏、ついに仏検の準一級に合格!)リンボウ先生は常にワイシャツの胸ポケットに80円のペンとスパイラルメモ帳を入れている。メモ帳は動く書斎。地道な仕込みがあって、ものを書ける。
 私も、ポケットにいつもメモ帳を入れ、極細の水性ボールペンと赤エンピツを手離しません。自動車を運転中でも、メモ用紙とサインペンを助手席に置き、信号停止中に書きつけるようにしています。 忙しいからこそ趣味が必要となる。仕事で疲れた神経を鎮める力として、全然違う神経を使うカウンターパワーが必要になる。趣味がないということは、その人の人間性が乏しいということにほかならない。リンボウ先生は私と同じで二次会には一切つきあわないということです。世の中には、そんな変人が多いことを知って、改めて安心しました。

松本清張の時代小説

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著者:中島誠、出版社:現代書館
 松本清張は40年の作家生活のなかで1000点の著作を世に出したそうです。私も、松本清張はかなり読んだつもりでいたのですが、それを知って、おっとっとと腰がよろめいてしまいました。学生時代に読んだ『昭和史発掘』シリーズなど、今でも読後の興奮を忘れることができません。世の中って、こんなことになっているのか。怒りをこめた驚きが私の身体の芯を貫いたのです。
 この本を読むと、実は、読んだつもりの松本清張をいかに読んでいないか、思い知らされます。もちろん、『西郷札』など、いくらかは読んでいるのですが、まだまだ読んでいない方が圧倒的に多いのです。
 北九州市にある松本清張記念館に一度だけ行ったことがあります。清張の作品が映画化されたものが、ビデオで紹介されていたり、清張の書斎が再現されていて、とてもいい記念館でした。独学で英語もできたという清張に少しでもあやかりたいと願い、私もフランス語を続けています。いずれフランス語でも小説を書いてみたいと思っているのです。

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