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男はたのしく、たんこたろ弁護士

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著者:角胴立身、出版社:自費出版
 今も田川市で弁護士として元気に活躍しておられる角銅弁護士は、生粋の川筋男です。秋田鉱山専門学校(今の秋田大学鉱山学部)で学び、古河鉱業大峰鉱業所に働くようになりました。ところが、1957年(昭和32年)の労働争議に直面し、折から労働組合側の弁護士として応援に駆けつけた諫山博弁護士の颯爽とした姿に憧れて転身(転向ではありません)を決意したのです。まったく畑違いの分野に頭をつっこんだのですが、ダットサンと愛称される我妻栄の民法教科書を19回読み通して、わずか3年で合格を果たしました。たいした集中力です。1965年、憧れの諫山弁護士のもとで弁護士としてスタートし、やがて筑豊地域で活動するようになりました。炭鉱災害の事件やカネミ油症事件のほか、数多くの事件を手がけてこられました。
 その豪放磊落なお人柄が、この本にはよくあらわれて、とても楽しい本になっています。(ご注文は角銅法律事務所 0947−42−2266まで)。

韓国社会の歴史

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著者:韓永愚、出版社:明石書店
 1997年に初版が出て13回増刷、5万部も出版されたという最新の韓国通史。700頁もある本格的な歴史書でずしりと重い。継志述事、東道西器、旧本新参。背山臨水。法古主義、法古創新。いずれも、私には目新しい言葉だった。
 昔、高句麗など三国では、合議制(合座制)で政治が行われていた。日本では、そのようなことを聞いた覚えがない。もちろん庶民の参加はなく、貴族民主主義という限界はあった。九州では加耶人が、また畿内では百済系統の韓国人が天皇家を形成し、日本の歴史を主導していた。三国の人々が日本に帰化したというのは誤りである、と述べられている。後段については「帰化」という言葉が誤解を招きやすいということで、日本でも最近は「渡来」という用語に変わっている。日本の天皇家に韓国渡来の人々の血が入っていることは日本の学会でも定説となっている。たとえば、桓武天皇の母親は韓国渡来の人である。
 ただ、万葉集の作者の半分が韓国系だと紹介されているが、この点は私も確証がない。
 豊臣秀吉による朝鮮出兵を韓国では壬辰倭乱( 1592〜1598)という。これによって朝鮮半島の国土は荒廃し、人口は150万人にまで減ってしまった。捕虜数万人が長崎のポルトガル商人によってヨーロッパなどへ奴隷として売り渡されてもいる。韓国を勝利に導いた英雄である李舜臣について、「日本スパイの奸計による謀略のために罷免された」という記述があるのには驚かされた。本当にそんな事実があったのだろうか?
 日本が韓国を併合してしまった乙己条約について、皇帝の署名・捺印がなかったという指摘があり、無法な日本の手口を再認識させられて恥ずかしい。さらに、土地調査と称して無申告の土地を奪って日本の所有としていったが、このことによって人々が飢えに苦しみ、日本へ自主的に渡り、また強制連行につながっていった。日本の責任が重大であることを痛感する。
 それにしても、韓国人の朋党対立(たとえば西人と東人、北人と南人。変法開化派と衛正斥邪派)の激しさは日本人の私たちの想像を超えるものがあるように思えてならない。

大統領の秘密の娘

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著者:バーバラ・チェイス・リボウ、出版社:作品社
 トーマス・ジェファーソンといえば、アメリカの格調高い独立宣言を起草した大統領。そのジェファーソンには黒人女性に生ませた7人の子どもたちがいた。それは異人種混交として処罰されるべき行為だった。
 1997年にスティーヴン・スピルバーグ監督は『アミスタッド』という素晴らしい映画をつくった。奴隷運搬船アミスタッドで発生したアフリカ人たちの反乱を当時のアダムズ大統領がどう扱ったかを描いたもので、息づまる展開にドキドキさせられた。この映画について、この本の著者は、自分の本の盗作だとして訴えを起こした(後で和解が成立)。
 そこで、この本の内容を紹介したい。といっても、2段組みで600頁という大作。要するに、ジェファーソンの娘ハリエットがどのようにして白人世界へ逃亡し、そこで奴隷解放のためにいかに奮闘したかという展開なのだが、途中で南北戦争がはさまっているため、劇的な物語となっている。
 ジェファーソンは39歳で妻と死別し、独身を通したため、黒人女性と同棲することに今日の考えからは何の問題もないし、同じ町に住む人々にとっても公然の秘密だった。しかし、アメリカ大統領がそうであってよいのかというマスコミの攻撃には、それでは耐えられない。ジェファーソンは一言も弁明しなかったという。といっても、ジェファーソンは遺言で奴隷の身から全員を解放すると宣言できたはずなのに、それをしていない。自分のかかえていた借金の支払いのために、子どもを競売にかけることも認めた。えっ、あの独立宣言はいったいどこにいったの?
 いろいろ考えさせられる長編小説だった。

自分の時間

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著者:アーノルド・ベネット、出版社:三笠書房
 1日24時間でどう生きるか。こんなサブタイトルがついています。そうです。時間は何もしなくても過ぎていきます。団塊世代の私にとって、学生時代はもう30年以上も前のこと。今や定年後をどう過ごすのかにみんなの関心が集まっています。企業戦士と呼ばれ、仕事人間として24時間を仕事に、そして会社(官庁)にささげてきて、今や、そこから放り出されようとしているのです。職業としての仕事以外に何かをやりたいという欲求は、ある程度精神的に成熟した人たちにとって共通するものである。書物の助けなくして、何かを正確に学ぶことはできない。人生とは、すなわち好奇心である。知識欲というのは、知識が増えれば増えるほど大きくなっていくものである。
 習慣を変えるには、なんらかの犠牲と、強固な意志の力が必要だ。私はテレビを見ませんし、一切の見るスポーツには縁がありません。芸能人の動向にも関心がありませんし、週刊誌もマンガ本も原則として読みません。カラオケも夜の二次会も時間のムダとしか思えないので行きません。もちろん、ゴルフもお断りです。お金を貯めているからではないのです。すべては自分の時間を確保するためです。本を読み、モノを書くには、時間がいくらあっても足りません。考える時間が必要なのです。ダラダラ会議のときには、黙って自分の仕事に没頭します。もちろん、ときどきは、無為に流れる時間も必要です。今日も、見晴らしのいい山頂で、寝ころがって雲の流れていくのをじっと眺めていました。50代も半ばになりかかろうとしている今、自分の時間はかけがえのない貴重な宝物です。

窒息するオフィス

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著者:ジル・A・フレイン、出版社:岩波書店
 アメリカの企業はうまくいっているのか、ホワイトカラーをはじめ労働者はゆとりある生活をエンジョイしているのか。日本はひどいけど、アメリカはバラ色?いえいえ、決してそんなことはありません。
 1990年代にアメリカのホワイトカラーの職場は雇用が減らされ、仕事がきつくなり、給料や手当が下がり、休暇が減ってしまいました。休日出勤や在宅残業が増え、長期の休暇旅行は激減し、短い週末旅行が主流になっている。ホワイトカラーは、IT化によって夜も週末も休暇旅行中も、年中無休で週7日、24時間の待機(オンコール)状態にある。 オフィスの仕事もすべて入力操作が特別なソフトで監視され、家庭にもち帰らざるをえないほどの仕事量の多さになりつつあるプレッシャーと、いつ解雇されるか、いつ派遣と置きかえられるか分からない不安のなかで強いストレスをかかえ、過労死に至るような健康障害をもつホワイトカラーも少なくない。
 アメリカの企業は、人件費の抑制のため、非正規雇用の比率を高め、今では10%ほどになっている。えっ、そうなの・・・?その詳しい内容は、本書を読んでいただくしかありません。

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