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安政五年の大脱走

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著者:五十嵐貴久、出版社:幻冬舎
 井伊直弼が登場します。横恋慕した姫が諾と言わないので、山頂に閉じこめてしまうのです。そこで、津和野藩士が不可能と思われた脱走を試みるというストーリーです。
 まさか、という展開が最後まで息をつかせません。スティーブ・マックイーンの『大脱走』を超えるとオビにあります。そこまでは言えませんが、たしかに、この先どうなるのか、ハラハラドキドキさせられることは間違いありません。秋の夜長の気分転換にふさわしい本のひとつです。

10年後の『結婚しないかもしれない症候群』

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著者:谷村志穂、出版社:草思社
 女性はみな本当にたくましくなった。何にも頼らず、当然のように一人で歩き出し、人と出会い、愛しあう。男も、もはや自分でお茶もいれられないなんていったら生きていけない。
 20代後半の女性の未婚率は、福岡県は全国4位(65.3%)で全国平均54.0を上まわっている。
 この本を読みながら、女と男の出会いはたたかいであるという著者の言葉が素直に心にはいってきました。まことに縁は異なものです。
 あなたの10年後はどうなっているのか、たまに立ちどまって考えてみる。また、10年前をふり返ってみるのもいいものですね。さて、私の10年前は、いったい何をしていたのでしょう・・・?

隠された証言

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著者:藤田日出男、出版社:新潮社
 1985年8月12日に起きた日航123便の墜落事故について、改めて疑問を投げかけた本です。2つ問題があります。1つは、墜落直後には、助かった4人以外にも何人もの生存者がいたのに16時間も放置されてしまったのです。夜明け前に墜落現場に救援隊員を降下させることも可能だったのに、それもなされていません。民間人の方が早く現場に到着しているのです。これらはアメリカ軍と自衛隊が作為的に妨害工作した可能性をたしかに推測させます。
 もう1つは、後部の隔壁が破壊したため垂直尾翼が吹き飛んだとされている事故原因が本当なのかという点です。客室乗務員だった落合さんの証言は、それに矛盾することが明らかにされています。しかも、垂直尾翼の大半が海中に落下しているのに、それを引き上げることが早々と断念され、決定的な証拠が見つからないことになってしまっています。
 あの18年前の大事故の教訓がいま本当に生かされているのか、改めて心配になってくる本です。飛行機に何百万人もの日本人が乗っているわけですから、政府は疑惑にこたえ、真相を究明して国民に公表すべきだと思います。
 『クライマーズ・ハイ』を読んで当時の状況をたどったばかりでしたが、あわせて『沈まぬ太陽』を読んだときの心の震えるような感動も思い出しました。

さらば外務省

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著者:天木直人、出版社:講談社
 団塊世代のキャリア外交官が、日本の対米追従外交を痛烈に批判した本。一部に同意できないところもあったが、多くに共感を覚えた。とくに同じ団塊世代のキャリア官僚のなかに、これだけ気骨のある人物がいたことに深い感銘を覚えた。著者は、国連決議なしの対イラク攻撃は何があっても阻止すべきだという次のような意見具申を外務大臣あてに公電で打った。日本の外交史上の汚点として残る小泉外交の誤りは、国際社会を無視して一方的にイラク攻撃に踏み切った米国を、胸を張って真っ先に支持したことである。
 外務省の米国崇拝、盲従の外交が果たして、長い目で見て本当に国益にかなうものなのかどうか。再考を迫られている時期にきているのは間違いない。にもかかわらず外務省の現実は、もはや「追従」を通り越して、米国は絶対視、神聖視される対象にさえなりつつある。著者のこの指摘に私はまったく同感だ。ところが、先日、聞いた話によると、駐フランス日本大使は訪仏した日本の国会議員に対して次のように発言したという。「フランスは外交の素人なので困る。外交の玄人だったら、アメリカに最後までは反対しないものだ。はじめのうち反対するそぶりを見せても、結局は賛成するのが外交のプロなんだ」。これに対して、その国会議員が「そうはいっても、フランスの国民の大半は政府を支持しているじゃないの?」と反問したところ、その大使は「素人は、素人を支持するものだ」と言い放ったという。本当に、いつまで日本はアメリカの言いなりになっているのだろうか・・・?

ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?

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著者:アレン・ネルソン、出版社:講談社
 子ども向きの本ですが、大人が読んでも感動します。
 ニューヨークのハーレム(スラム街)で生まれ育ち、海兵隊に入ってベトナム戦争に従軍し、そこでベトナム人を殺します。除隊後、ニューヨークに戻って、ホームレスの生活を送っているとき、同級生に出会って自分を取り戻すチャンスに恵まれます。小学校4年生に向かって、ベトナムでの自分の体験を心を開いて語ったのです。海兵隊員になるというのは、戦場で、おそれることなく、上官に言われるままに人を殺す人間になるということ。兵士は考えてはいけない。考えるのは上官の仕事。
 確実に命中させ、確実に敵の戦闘能力をうばい、死にいたらしめるためには下腹部を狙え。そこが人間のからだでもっとも大きな部分だから。下腹部には一発でなく、何発も弾丸を撃ちこむ。本当の戦争とは、ただひたすら歩くこと。自分の体重よりも重い(70キロ)荷物を背負い、熱帯のジャングルの中を気絶しそうになるまで歩くこと。戦い、殺し、生きのびるためには、死体を見て何かを感じてはならない。死体を探すには注意深く耳をすます。何百匹、何千匹のハエの羽音が聞こえてくる。臭覚に全神経を集中させる。死体特有の甘い臭いがただよっているのが分かる。ネルソンさんは、人間性を取り戻すために大変な年月をかけています。本当に戦争とは、むごいものです。

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