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ガクモンの壁

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著者:養老孟子、出版社:日経ビジネス文庫
 この本を読んで、また少し賢くなりました。アンデス原産のもの。ジャガイモ、トウモロコシ、トマト、カボチャ、トウガラシ、ピーナッツ、タバコ、ワタ。すごいものですね。
 アメリカのアリゾナ大学には本当に人間と話せるオウムがいる。オウムのアレックスは「オウム返し」ではなく、ちゃんと意味をもった英語をしゃべる。6までの数を数え、100種類の物の名前が言えて、その色、材質、形の違いを言葉で表現する。条件反射的な応答ではなく、チンパンジーやイルカに匹敵する判断力をもって、言語を自発的に使っている。一度、ぜひビデオでアレックスがしゃべるのを見てみたいものです。
 ナメクジの脳を研究している学者がいます。人間が甘いと感じる砂糖のようなものはナメクジも大好きで、人間が苦いと感じるのはナメクジも嫌いです。ナメクジに学習させているなんて、学者も本当に大変な仕事ですよね。

築地のしきたり

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著者:小林充、出版社:NHK出版
 居酒屋の水槽で泳いでいる魚の多くは痩せさらばえていて、言ってみればホネカワスジエモンみたいな魚だ。せいぜい水槽に放って1晩くらいならアクが抜けて弾力のある身質にもなるけど、これが3日も4日も続くようではダメ。そんなのを活造りにして食べるなんて愚の骨頂、最下等の食べ方。えーっ、そうなんだー。ちっとも知りませんでした。
 タイやヒラメなどの白身魚を生で食べるときは、締めてから10〜12時間くらいたったころが一番うまい。これは、うま味を感じさせるイノシン酸がそのころピークに達するから。締めてすぐだとイノシン酸はほとんど含まれていない。夕方6時に店で刺身として出すのなら、当日の朝6時から8時の間に魚を締める。締めるというのは、魚を苦悶死させず、スパッと一気に息の根を止めること。マグロの場合には、金属棒(神経棒)をつかって、脊髄に突っこんで神経を麻痺させる。なーるほど、世の中知らないことって多いですね・・・。
 マグロは昭和初めまでは赤身だけが食べられていて、トロ(脂身)は捨てられていた。トロなんて猫またぎと言って、日雇い労働者や苦学生が鍋物にして食べていたもの。江戸中期までは、マグロは、サツマイモ、カボチャと並ぶ下品な食べ物とされていた。ええーっ、そうなのー・・・。スーパーで100グラム1000円で売られている中トロは、オーストラリア産の畜養もの。蓄養マグロは二毛作で、味や色はエサ次第。安くてうまいマグロはない。安いマグロはまずく、高いマグロはうまい。なるほど、なるほど、そうなんだねー・・・。
 一度は築地市場をのぞいてみよう。水産物の取引が1日2300トン、20億円のお金が動くところ。世界一の取引高を誇っている。手頃な魚河岸の案内書だ。

野鳥博士入門

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著者:唐沢孝一、出版社:全国農村教育出版
 毎朝、庭に出てキジバトにエサをやります。キジバトは麻の実が大好物で、ヒエ・アワより先についばみ始めます。スズメはヒエ・アワに群がりますが、ハトに遠慮します。ヒヨドリは、どうも好物ではないようで、寄りつきません。春先にはメジロが桜の花の蜜を吸いに来ます。秋になるとジョウビタキがやってきて、尻尾をチョンチョンと軽く上下に振って挨拶してくれます。私が畑仕事をしているのをじっと見守っていてくれる愛敬のいい小鳥です。モズは甲高い声で鳴きますし、ヒヨドリは我が物顔で庭を闊歩します。
 ヒヨドリによく似た小鳥はムクドリです。こちらは同じ灰色系統でも、くっきりとした縦縞があります。春にはウグイスが鳴いてくれますが、姿を見ることはほとんどありません。このほか、ツートンカラーのカササギが近くを巡回しています。カラスはめったにやってきません。庭の木に鳥の巣をかけようと思っていますが、まだ果たせていません。巣をかけたら、どんな鳥が来るか楽しみです。小鳥たちと親しくなるためには絶好の入門書です。

異形の城

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著者:東秀紀、出版社:講談社
 明智光秀の本能寺の変については、既にたくさんの本がある。この本が類書と異なるのは、安土城にスポットライトをあてて、その吹き抜け構造などを紹介しながら、信長の精神構造にふみこんだところにある。
 安土城については、『復元安土城』(講談社)などによって、CGによる復元図で視覚的に捉えることができる。高層の木造建築物の内部に吹き抜けがあるとか、ともかく異表を衝くものであったことは確かだ。今に復元できればと願う。
 光秀が信長の正妻と不倫関係にあり、それを知った信長が冷たい仕打ちをしたこと、その正妻が信長の本能寺の情報を提供していたとされている。これらが史実にあうものかどうか疑問を感じたが・・・。

武家用心集

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著者:乙川優三郎、出版社:集英社
 オビに「己を見失うことなかれ」とあり、「静謐な筆で描く時代小説集」となっている。私は読む前から、ワクワクするほどの期待感をもっていた。そして、幸いなことに、その期待は背かれなかった。
 私は読む前、少し疲れていた(こんな私でも、たまには疲れを感じることがある)。後頭部から首筋にかけてひどく凝っていて、いかにも血行が悪く、朝起きたとき珍しく頭がスッキリ冴えない。ところが、この本を読みすすめていくうちに、心のモヤモヤが晴れわたり、頭の方もスッキリしてきた。まさに一服の清涼剤になったわけだ。
 藤沢周平の原作を山田洋次監督が映画化した『たそがれ清兵衛』ワールドが目の前に現出する。暗殺を命じられる下級武士の悲哀が語られる。結婚を約束しながら離ればなれになっていて再会したとき、もはや結びあえない境遇におかれた2人の切なさ。病気の母を押しつけあいながら、ついに引きとりを決意する娘の健気さ。
 いつの世も庶民の生活はつましい。愛憎は微妙に心のしこりとなっていく。そんな変わらぬ人の世と人情を見事に描き出している時代小説集だった。

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