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おいしいフランス、極上の素材を訪ねる

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著者:相原由美子、出版社:岩波アクティブ新書
 いかにも新鮮で美味しそうな食材が写真つきで紹介されています。口の中に自然とツバがわき、ヨダレが垂れてきそうになります。
 アスパラガスは3年ほど前からわが家の庭でも伸びてくれています。旬には、毎朝のように採れたてを味わうことができます。緑で細いものです。電子レンジでチンして熱々のアスパラガスを堪能します。産地直送そのものです。田舎にすむ良さのひとつです。
 ロックフォール(チーズ)は、地下の洞窟で3ヶ月以上熟成されたものでなければ名乗りを許さないという法律がフランスにはあります。モリーユ(キノコ)は食べたことがありますし、美食の本場リヨンで川カマスのクネルも味わいました。でも、トピナンブールという、色と味がさまざまなトマトなど、知らない野菜も紹介されています。
 ダイエット中であることをしばし忘れ、味わいを想像しながら車中で読みふけりました。目の前には、デパ地下のチキン南蛮弁当を置いて、その落差のあまりの大きさを嘆きつつ・・・。

55歳から楽しむ人生、楽しめない人生

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著者:石川恭三、出版社:三笠書房
 この12月、ついに55歳になりました。弁護士になって30年を過ぎ、本当に月日のたつのは早いものです。同世代の人たちが定年後の心配を早くからしていたのを他人事(ひとごと)のように聞いてきましたが、私も、この本のとおり、これからの人生のあり方を考えるべき年齢(とし)にはなりました。苦しいこと、辛いこと、自分が嫌なこと、人が嫌がることは、やりたくないし、しないようにする。「和顔愛語」、人に対しては和やかな顔と優しい言葉で接せよ、これを基本姿勢とする。
 本からの情報は、自分の意志で読むという能動的な行為があって初めて手にすることができるもの。読書する人がアルツハイマー病になりにくいのは、活字から伝わってくる刺激が脳を活性化させるから。好奇心は精神のバネの強さを表すバロメーター。心理的な老けこみの徴候は好奇心が薄くなること。
 60代後半になった著者は具体的な提案もいくつかしています。私もそのうちいくつかは実践しています。週1回の水泳、ガーデニング、月1回のハイキングそして大量の読書などです。自分史を書くのは早すぎると思っていますが、小説には挑戦中です。そこには創造の喜びがあります。いつまでも若いと言われてきましたが、そうは言っても、頭髪に白いものが目立ってきました。若さを保って健康であり続けたいものです。

隠された証言

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著者:藤田日出男、出版社:新潮社
 1985年8月12日に起きた日光23便墜落事故について、改めて疑問を投げかけた本です。
 2つ問題があります。1つは、墜落直後は助かった4人以外にも何人もの生存者がいたのに、16時間も放置されてしまったのです。夜明け前に墜落現場に救援隊員を降下させることも可能だったのに、それもなされていない。これらはアメリカ軍と自衛隊の作為的な妨害工作をたしかに推測させます。
 もう1つは、後部の隔壁が破壊したため垂直尾翼が吹き飛んだという事故原因が本当かという点です。客室乗務員の落合さんの証言は、それに矛盾することが明らかにされています。しかも、垂直尾翼の大半が海中に落下しているのに、それを引き上げることが早々と断念され、決定的な証拠が見つからないことになってしまっています。あの18年前の大事故の教訓がいま本当に生かされているのか、改めて心配になってくる本です。
 飛行機に何百万人もの日本人が乗っているわけですから、政府は疑惑にこたえ、真相を究明して国民に公表すべきだと思います。

コミンテルン史

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著者:ケヴィン・マクダーマット、出版社:大月書店
 社会ファシズム論というのがあった。戦前、ドイツ・ナチズムより社会民主主義の方が先に撲滅すべき主要な敵だというもの。今になって思えば、そんな間違った理論が横行していたなんて信じられないが、スターリンが裏からしっかり支えていた。しかし、それにしても、なぜ、そんな誤りがヨーロッパの左翼でまかり通ったのか。この本は、その点を解明している。
 ドイツ共産党はコミンテルンのなかで2番目に大きな党であったが、圧倒的に失業者の党だった。大企業には、ほとんど共産党員がいなかった。社会民主党員は年輩の労働者で、共産党員である若い労働者の解雇を見て見ぬふりをしていた。そして職のない共産党員の未熟練労働者は都市の日の当たらない一隅に閉じこめられていた。職のある社会民主党員の熟練労働者が裕福な建物や地区に住んでいたのと対照的だった。2番目に重要なことは、大不況に襲われ、失業者が600万人をこえ、労働者階級の団結の最後の名残が消えうせたこと。第3に、スターリンがソヴィエトを存続させるためにナチスと闇取引をしたことである。
 ディミトロフの反ファシズム人民統一戦線の提唱は、スターリンの責任が問われないことが条件として許された。スターリンは国際共産主義運動を軽蔑し、コミンテルンと各国共産党はイデオロギー的にも政治的にもスターリンの指導するソ連国家の単なる付属物であった。
 1943年6月、コミンテルンは解散した。しかし、実のところ、99、100、205という番号のついた「特殊研究所」が3つあり、これらのスタッフが同じ建物で、同じような仕事をしていた。スターリンは、とくに中欧・東欧のやがて解放される国々への支配を目論んでいた。コミンテルンと各国支部の多くは、経済的にソヴィエト共産党中央委員会とソ連国家に依存していた。ソ連共産党もコミンテルンも今はない。しかし、解明されるべき歴史は今なお多く残されていることを思い知らされる本だ。

健康帝国ナチス

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著者:ロバート・N・プロクター、出版社:草思社
 ヒトラーは菜食主義者で、酒もタバコもたしなまず、同席の者にもそれを許さなかった(ただし、ヒトラーは大変な甘党で、1日にチョコレートを1キロも食べた。また、イセエビ、ロブスター、カニを異常なほど好んだ)。ナチス時代、ガン撲滅運動が盛んで、そのプロパガンダの中心は「早期発見」だった。とくに女性のガン検診を促す運動は何倍にも強化された。ガンの精密検査を受けた女性は何十万人にものぼった。ガン患者登録所も設立された。栄養摂取は個人の問題ではない。ドイツ国民の肉体はドイツ国家の資産なのだ。国家はすなわち総統と同一なのだから、当然、国民の身体は総統に属する。「おまえの身体は総統のもの」というのが、ナチスの宣伝ポスターのスローガンだった。ナチスは合成着色料・合成保存料を使わない自然食をすすめた。脂肪が少なく繊維質の多い物を食べ、コーヒー、アルコール、タバコのような刺激物をできるだけ控える。肉類は最低限にし、保存料の入った缶詰より、できるだけ生鮮食料品をとるようにすすめた。1993年のはじめ、ナチスはアルコール撲滅作戦を始めた。「国民労働の日」が設立されたが、アルコール抜きの日とされた。ナチスの反アルコール運動は交通事故防止も目的としていた。1930年代のドイツでは、年間の交通事故が25万件をこえ、死亡事故1万件だった。その大きな原因がアルコールだった。ナチスの意外な側面を識った思いだ。

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