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カテゴリー: 生物

植物はすごい

カテゴリー:生物

著者   田中 修 、 出版   中公新書  
 これは、とても面白い本でした。そうか、植物って、こんなにすごい力をもっているのか、人間も植物の力で生きているのが、よくよく分かりました。
 野菜も果実も、みんなみんなすごい力をもっていることを知り、なんだか、ついついうれしくなってきました。本当に、世の中は知らないことだらけです。
 キャベツの種は、1粒が5ミリグラム。4ヵ月後の1玉のキャベツは1200グラム。つまり、4ヵ月で24万倍にも成長する。これは、わずか1000円のお金が4ヵ月後に2億4000万円になったというのと同じこと。ふえーっ、このたとえには腰を抜かしそうになってしまいました。
植物は、水と二酸化炭素からブドウ糖をつくるが、そのとき光エネルギーを使う。そして、ブドウ糖のなかに光エネルギーを取り込み、蓄える。人間は、摂取したブドウ糖をからだの中で分解する。その途上で、ブドウ糖の中に蓄えられていたエネルギーが放出される。ブドウ糖から得たエネルギーは、人間が歩いたり走ったりするためのエネルギーに使われる。
 ブドウ糖は、蓄えていたすべてのエネルギーが取り出されてしまうと、原料であったものと水と二酸化炭素にもどって、人間の身体から出ていく。
植物はエネルギーの源となるブドウ糖やデンプンを自分でつくっているから、何も食べなくても生きていける。
植物は、人間と違って、自分でアミノ酸をつくることができる。だから、植物は肉を食べる必要がない。人間は、タンパク質を食べて、それを消化してアミノ酸を取り出す。そのうえ、アミノ酸を並べ直して、自分に必要なタンパク質をつくっている。
 植物は、肉を食べなくても、肉の成分であるアミノ酸をつくり出すことができる。植物がアミノ酸をつくるためには窒素が必要。そこで、根から養分として窒素を地中から取り込む。
 植物は、このほか、成長のため、健康のため、必要な脂肪やビタミンもつくり出すことができる。だから、何も食べてなくても植物はすくすく成長することができる。
 こう言われてみると、じっと動かない植物って、実はすごい能力をもっているんだと感動していますよね。まったく人間なんてかないませんね。足元にも及びませんよ。
 植物は、すごい生産能力で、あらゆる植物の食糧をつくり出している。しかも、植物は動物に実を食べてもらうことによって、タネをまき散らしている。動物を利用しているわけだ。
 うひゃあ、食べられることによって、うまく利用しているというわけなんですか・・・。
 植物は、タネができあがると、強い子どもが育つように、子どもたちを遠い新天地に放り出す。動物に食べられることによって、広い範囲にまき散らしてもらうことは、植物にとって大切なこと。
渋柿の渋さのからくりも解明されています。渋さのもとはタンニン。タンニンが果肉や果汁に溶け込んでいると、渋柿になる。しかし、そのタンニンが不溶性の状態になると、タンニンが柿のなかにあっても口の中にタンニンが溶け出して来ないので、渋みを感じることはない。決してタンニンがなくなったのではなく、タンニンが不溶性になったため、隠されていた甘みが目立つようになっただけ。タンニンを不溶性にするには、カキの実の呼吸を止めればいい。そのため、渋柿を湯につける。湯に浸かると呼吸が出来なくなり、アセトアルデヒドができる。そうすると、渋みが抜ける。甘柿のなかにある胡麻のような黒い斑点はタンニンが不溶性になってできたもの。
辛みという味はなく、辛いというのは、舌が痛いと感じること。
アジサイの葉っぱには、青酸を含んだ物質をもっているので、人間に有毒。うへーっ、知りませんでした・・・。
 コアラの食べるユーカリの葉には、青酸が含まれている。コアラは、ユーカリの葉っぱを食べても、青酸を無毒にするしくみを持っている。ところが、実はコアラ自身にこの毒を無毒化する力があるわけではない。コアラの腸のなかに青酸を無毒にする細菌を住まわせている。そして、生まれたばかりの赤ちゃんコアラの腸内には、この細菌がいない。さあ、どうするか・・・。
 なんと、子どもコアラが生まれると、食い初めに、親コアラは子コアラに自分の糞を食べさせる。生まれたばかりのコアラは、食い初めで親に糞を食べるばかりでなく、親の肛門のあたりを激しくなめる。こうやって、自分の腸に青酸を無毒化する細菌を住まわせ、子どもコアラはユーカリを食べられるようになる。この仕組みによって、コアラは、大切な腸内細菌を親から子どもへ伝えている。な、なんと、すごい仕組みですよね、これって・・・。
 スイセンは、ヒガンバナの仲間なので、同じくリコリンという有毒な物質を含んでいる。
ソテツは根に根粒菌を住まわせており、この菌はソテツから栄養をもらう代わりに空気中の窒素を吸収して窒素肥料に変えてソテツに供給する。そのおかげで、ソテツは痩せた土地でも生育できる。ソテツのタネにはサイカシンという有毒物質がふくまれている。
 ジャガイモの根や緑色の部分には、ソラニンという有毒な物質が含まれているので、きちんと取り除かなければならない。煮ても焼いても、その毒性は消えない。
 モロヘイヤの葉っぱは食べられるし、健康に良い。だけど花やタネにはストロフェチジンという有毒物質が含まれている。
 植物は太陽光線を浴びている。有毒な紫外線を受けているのに、元気なのはなぜか?
紫外線は有毒な活性酸素を発生させる。活性酸素はからだの老化を促し、多くの病気の原因となる。そこで、植物はビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質をつくり出し、活性酸素の害を消すという仕組みを発達させた。
そして、花が美しくキレイに装う理由も紫外線対策の一つである。それは、アントシアニンとカロテン。花びら野色を出すもと(素)になる物質なので、色素と呼ばれる。アントシアニンとカロテンは、花びらを美しくキレイに装う二大色素だ。植物は、これらの色素で色を装い、花の中で生まれてくる子どもを守っている。つまり、二大色素は、紫外線の害に対する二大防御物質なのだ。
 アントシアニンは、容易に色が変わる性質がある。酸性の液に反応して濃い赤紫色になり、アルカリ性が強くなるにつれて青色から緑色そして黄色へと変色していく。
 カロテンは、赤や橙、黄色の色素で、あざやかさが特徴。カロチンはドイツ語よみ。
 マリーゴールドの花には、多くのカロテンが含まれている。橙色のように赤みを帯びているのは、アントシアニンを含むため。
 花々が花びらを美しくきれいに装うのは、紫外線に当たって生み出される有害な活性酸素を消去するため。植物の生き残り戦略の一つ。紫外線や強い花という有害なものが多ければ多いほど、植物は色あざやかに魅力的になる。逆境に抗して植物は美しくなる。
冬の寒さを通り越したダイコンやハクサイ、キャベツは甘い。糖分が増して甘みが増している。なぜか?
 冬の寒さに凍らない工夫として、糖分を増やしている。水の中に糖が溶け込めば、溶け込むほど、その液の凍る温度は低くなる。食用部が地中にあるダイコンやニンジンでも、果実までも同じ仕組みで、冬の寒さをしのいでいる。冬の寒さにさらされると甘みが増える。
 イチゴにもバナナにもタネがある。ええーっ、ウソでしょ・・・。イチゴの表面のツブツブの中にタネが入っている。そのタネからイチゴの実を大きく肥大させるオーキシンが出て、イチゴの実を大きくしている。だから、ツブツブを取り除いてしまうと、イチゴの実は大きくならない。バナナにもタネのあるものが沖縄などに残っている。タネのなごりは、中心部に小さな黒色の点々となっているもの。
 植物の不思議を改めて実感しました。わが庭も、もう一度、見直してみようと思いました。
(2012年7月刊。840円+税)

イルカの認知科学

カテゴリー:生物

著者   村山 司 、 出版    東京大学出版会 
 イルカは親子間の絆が深い。イルカは、一般に授乳期間は2年くらい。子イルカは、母イルカの上部にくっついている。母親のつくる水流に乗って前進できるので、楽になる。
イルカは、「音感の動物」とも言われるように、優れた聴覚能力を反映して音を使ったコミュニケーションを行っている。
 バンドウイルカは個体固有のホイッスルを一度獲得したら、一生変わらない。発信者の特定や個体を識別するための信号の役割をしている。
 イルカは、アイコンタクトが大切だ。イルカは、なんの報酬(エサ)も与えていないのに、嬉々として実験に応じる。かといって、どのイルカも、みんな喜んでずっと遊んでまわるというわけではない。
 ヒトがタバコをふかすしぐさをまねすると、子イルカが口から空気の泡を吹き出す。ヒトが手を上げるとイルカは胸ビレを上げ、ヒトが身体を回転させるとイルカが自分もそれに合わせるようにまわる。このように、イルカはヒトの動作をまねしたりする。
 シロイルカは、海のカナリアと呼ばれるように、ふだんから、さまざまな鳴音を発する。実に、にぎやかで、美しい声である。
海中にすむイルカの生態を研究するというのは、実に根気のいる仕事だと思いました。でも、そんな真面目な努力がこうやってまとまると、生物の能力のすごさを、私のような一般人が理解できるわけです。早いとこ、天草のイルカ・ウォッチングに行ってみたいものだと思ったことでした。
(2012年3月刊。3400円+税)

愛犬が教えてくれること

カテゴリー:生物

著者   ケヴィン・ビーアン、 出版   早川書房
 犬について、改めてよくよく考えさせてくれる本でした。
 犬の行動は、たとえどんなものであろうとも、常に飼い主の心に訴えかけているのだ。なぜなら、人は、自分では気づいていなくても、潜在的に犬と同じ動物的な意識を心のなかにもっているから。犬と飼い主の心を結びつけるのにもっとも重要なのは、人が動物の中に人間性を読みとることではなく、動物が人間の中にある動物性を読みとることである。
 犬は人の感じることを感じる。これによって犬は自分の立場やこの世界に適応していくためにしなければならないことを「知る」。
犬は、あるもの、あるいはある瞬間をほかと比較してみるという世界観をもっていない。犬の心はエネルギーの回路である。
 犬と人間は、基本的に同じ環状構造をもっている。犬は、人から発散された潜在的エネルギーに非常な興奮を示す。
犬は人が注目しているものに心を奪われる。飼い主が棒を指差し、「取ってこい」と命じると、犬にとって棒は手や足と同様、飼い主の体の一部となる。犬は飼い主が棒に対して発した感情のエネルギーを感じとる。犬からみると、棒は生き物であり、飼い主の体そのものなのだ。
 犬と人の意識は、犬のいる場所で交わる。犬は「心のエネルギー」である。心のエネルギーとは、肉体と神経のエネルギーが交わり、頭と体が結合し、人間が自然とつながる場所である。こうして、犬は人間の内面を映す鏡となる。犬は自分が欲しいと思ったものは、人間も欲しがっていると「感じる」。
 わがままな犬を飼っている家庭では、しばしば子どももわがままである。
犬は、きわめて社会的で協調性に富んだ動物である。だが、狩りの最中は、リーダーを識別するのは容易ではない。
 きちんと育てられ、訓練された犬は飼い主のライフスタイルに適応する術を身につけている。
去勢された雄犬は、されていない雄犬より問題が多い。犬に不妊治療は必要ない。
犬には思い出すことがなく、それでいて、忘れることがない。犬に時間の感覚がないのは、犬が感情に動かされる生き物であり、完全に感情によってのみ動くから。
犬がなにをするにしても、そこに意図はない。犬は、まさに今の瞬間のみを生きており、犬の行動と学び方は、感情が犬の体の中でどう動き、そしてどう発展して特定の感覚を引き起こすのかによって決まる。犬には時間という概念が全くなく、他者がどんなものの見方をするかを想像することもできない。
 感情こそが犬の全意識であり、認識するすべてだ。感情の流れが犬の意識の流れだ。犬は感覚そのものだ。
 犬にとって、一瞬は永遠と同じであり、物事がどうやって、なぜ起こるのかを犬が「考える」ことはない。
犬が生まれつき社会的なのは、個々にもつはずの感情の回路が半分は相手の中にあるからだ。犬はみな、持ちつ持たれつの関係を築いている。
犬とは、どういう生き物なのか?
 犬とは自然界で最も共感力の強い生き物である。犬は心で理解する。犬は感情そのものなのだ。犬は飼い主の姿を映し出している。
 犬は飼い主を心で理解する。犬の行動は、飼い主いや自分のグループの心を写し出す感情の超音波映像のようなものだ。
犬は感情を理解する達人として高度に進化した生き物だ。
犬と飼い主との関係について、これほど深い関係があることを指摘した本を読んだことがありませんでした。犬好きの人には犬という生き物を深く理解するため一読をおすすめします。
(2012年3月刊。1800円+税)

ウイルスと地球生命

カテゴリー:生物

著者   山内 一也 、 出版   岩波新書
 2000年、ウイルスが人間の胎児を守っていることが明らかにされた。それまで、病気の原因とだけ見られていたウイルスが、実は、人間の存続に重要な役割を果たしていることが示された。ええっ、ウイルスって役に立つものだったんですか・・・。
 ヒトゲノムの9%は人内在性レトロウイルス、34%がレトロトランスポゾン、3%がVNAトランスポゾンだということが判明した(2003年)。
トランスポゾンとは、生物の間を自由に移動できる、いわば「動く遺伝子」であり、その大部分を占めるレトロトランスポゾンは数千万年前に感染したレトロウイルスの祖先の断片とみなされている。われわれ人類のもっている遺伝子情報の半分はウイルスに関連したものになる。ということは、ウイルスは、単に病気に原因というだけの存在ではありえないということを示している。
 ウイルスは30億年前には存在している。これに対して最古の猿人は700万年前、ホモ・サピエンスが出現したのは20万年前にすぎない。
人類(女性)は、妊娠すると、それまで眠っていた人内在性レトロウイルスが活性化されて大量に増えてくる。そして、この内在性レトロウイルスのエンベロープ・たんぱく質が胎盤を形成するのに重要な役割を果たしていることが実証された。
ウイルスは、細胞外では単なる物質と言える。しかし、細胞の中では、自主性をもった生物として振る舞う存在である。そして、無生物との間には、常識的なはっきりした線を引くのは難しい。
生物とウイルスとの大きな違いは、細胞の有無と増殖様式。ウイルスには細胞は存在しない。生物は、二分裂で増殖する。しかし、ウイルスは部品組み立て方式である。
 エイズの原因であるウイルス(HIV)には、二つのタイプがある。そして、全世界に広がったのは1型のHIVであり、20世紀のはじめに西アフリカでチンパンジーのウイルスにひとりの人間が感染して、それが人間のあいだに広がった。2型のHIVは、アフリカ産サルであるスーティマンガベイのウイルスに人間が20世紀半ばに感染したもの。これは西アフリカの中だけで広がっている。
 子孫を残すために共生するウイルスが貢献している側面は、哺乳類よりはるか以前に地球上に出現した昆虫に既に見られる。
 海に存在するウイルスを推算すると、少なくとも海水1ミリリットル中に、深海で100万個、沿岸だと1億個のウイルスが存在する。海洋全体では、10の31乗個のウイルスが存在する。ウイルスは、海洋の至るところで、さまざまなプランクトンに感染することで、地球規模の炭素循環に多大な影響を与えている。
 深海底から採取した堆積物に、1平方メートルあたり28兆個のウイルスが存在していた。また、ウイルスの活動は、地表の温度上昇を防ぐ雲の性瀬にも影響を及ぼしている。ウイルスは、硫化物の循環を介して地球の気候変動にも関係している可能性がある。
 人間の腸内には100兆個もの最近がすみついているが、ウイルスはそれを上まわる数で共生している。それが腸内細菌とどのような相互作用をしているのか、まだ未知の領域である。
ウイルスって、人間にとって有害なだけの存在かと思っていました。実は違っているんですね。ほんとうに、世の中って、知らないことだらけですよね。
(2012年3月刊。2800円+税)
 土曜日に、先日うけたフランス語検定試験(1級)の結果通知のハガキが届きました。61点でした。初めて5割を超えることができました。信じられない成績です。もちろん合格基準点は82点ですから、あと20点以上も上回らなければいけません。それにしても、続けていると少しずつ良くなるのが、うれしいものです。
 フランス語の授業のとき、原発はすぐなくすべきだと言ったら、みんなが電力不足が心配だからと反論してきました。そんなのウソだ、政府と電力会社にだまされてはいけないと言い返せず、悔しい思いをしました。まだまだです。

テングザル

カテゴリー:生物

著者   松田 一希 、 出版   東海大学出版会
 ボルネオのジャングルに分け入ってテングザルをじっと観察した成果が本になっています。大変な苦労があったことが生々しく伝わってくる本でもあります。
熱帯のジャングルのなかには、蚊、ヒル、ダニといった人間にとって疎ましい虫が多い。耳元で四六時中とびまわる大量の蚊にいらいらさせられ、身体中をダニにかまれて一晩中かゆみに苦しんだりする。 うひゃあ、ご、ごめん蒙りたいです。
テングザルの個体を識別する必要がある。そのうち尻尾の形にはいろいろのパターンがあることがわかってきた。どこを見たら個体識別ができるが、初めはとても骨の折れる作業だ。
 テングザルの産まれたばかりのアカンボウは、顔の肌の色が真っ黒だ。産まれてから1年半から2年くらいで、顔から黒色が消えて、子どもと分類される。区別の難しいのは、コドモとワカモノである。
テングザルは水かきの発達した四肢をもっている。それで体重20キログラムもある巨大なオスが高い木の上から勢いよく川に飛び込む。そして、川では犬かきのフォームで静かにスイスイと泳いで対岸へ渡る。テングザルは、対岸までの距離が6メートルにも満たない場所を選んで、川渡りする。テングザルは、水中の捕食者である。ワニによる攻撃を受けにくい場所を選んで川渡りしている。テングザルが止まり場所として好む場所も、対岸までの距離が短い地点だ。
 テングザルは、森の中で過ごす時間の大半を「休息」に費やしている。このときは、木の枝の上でじっとしている。24時間のうち21時間もの時間を休息に費やしていた。
 その理由は、「特殊な胃の構造」にある。コロブス科であるテングザルは、胃のなかでの分解・消化に多大の時間を要するため、その間じっと動かずに休息しておかなければならない。
 テングザルは、日中のわずか0.5%しか毛づくろい行動に時間を費やさない。テングザルは、188の植物種を採食した。テングザルは若葉のほか、果実そして花を採食した。ところが、テングザルが好んで食べた果実は、売れていない未熟なものだった。なぜか?
 もし糖度の高い、熟れた果実をテングザルが食べると、胃のなかのバクテリアの活動が急激に高まり、多量のガスを発生させて胃を膨張させる。そして、ついには、他の内臓器官もこの膨張した胃が圧迫して、テングザルを死に至らしめる。つまり、テングザルにとっては、熟れた果実はあまりありがたい食べ物ではない。うむむ、そういうことってあるんですね。美味しさが命とりになるなんて・・・。
 テングザルは平日の移動距離は最大1.7キロ、最短は220メートル。これも、テングザルが夕方までには必ず川岸に戻って眠らなくてはいけないからという理由だ。
 テングザルの胃の構造は草食に特化しており、全体として葉を多く食べる傾向にある。
 テングザルの生態をわかりやすく紹介した本として推薦します。それにしても学者って大変ですよね。
(2012年2月刊。2000円+税)

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