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カテゴリー: 宇宙

太平洋

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者 蒲生 俊敬 、 出版  講談社ブルーバックス新書
太平洋も動いているのですよね。その海底が少しずつ移動していて、地球の奥深く沈み込んでいくプレートテクトニクス理論は、初めはウェゲナーの大陸移動説と同じで、信じられませんでしたが、どちらも今では定説になっています。
日本に地震が多いのは、そのせいです。そんなところに原発をつくったり、使用ずみ核燃料の最終処分場を地底深くに置いておこうなんて、いずれもとんでもありません。
この本に、地球上の海について、その表面だけでなく、深いところでも海流があると書かれていて、驚きました。
北大西洋から始まった深層流が最後に北太平洋まで到達するのに、約2000年かかる。この階層海流のおかげで地球の高緯度域と低緯度域との温度差がやわらげられている。つまり、深層海流は、地球にとってエアコンのようなありがたい存在だ。
深層海流の速さは、1時間に40キロメートル、つまり時速5キロ。
地球が受けている潮汐力の7割は月による。月という衛星のあるおかげで、海洋の熱塩循環が続き、そのエアコン機能によって、地球の温和な環境がたもたれている。
POPsとは、難分解性有機汚染物質。海洋生物に取り込まれたPCBsの一部は、やがて生物の死骸の断片とともに、海洋表層から深層へと沈降していく。世界でもっとも深い、西太平洋のマリアナ海溝のなかにあるチャレンジャー海淵(水深1万920メートル)で採取されたエビ類の体内から、高濃度のPCBsが検出された。恐るべきことだ。
海水中では、光と音は、対照的だ。海水中で、光はほとんど通らない。これは、水の分子が光のエネルギーをさかんに吸収してしまうからだ。音については、海水はきわめて優れた伝導体となる。海中では、空気中に比べて4倍以上の速さ、毎秒1500メートルだ。
宇宙を飛行した人類は全世界に550人をこえた。これに対して、水深1万メートル以上の深海底に到達した人類はわずか3人のみ。
調べてみると、深海の海溝水は豊富に酸素を含んでいることから、海溝の内部と海溝の外側とで、海水の入れ替わりがひんぱんに起こっていた。
地球も海も、まさに生きているのですよね・・・。宗教家は、それでも、地球も海も、神がつくったと説明するのでしょうか、不思議です。
(2018年9月刊。1000円+税)

フォッサマグナ

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者 藤岡 換太郎 、 出版  講談社ブルーバックス新書
フォッサマグナって、地理の教科書に載っていましたので、今はどんなものなのか、すべて判明していると思って手にとって読んでみました。すると、驚くべきことに、今も謎に包まれていて、よく分かっていないというのです。
この本を読んで、門外漢の私がしっかり認識できたことは、地球は生きていて、絶えず流動していること、そして日本列島も移動しているということです。
ですから、日本列島のあちこちで大地震が起きるのも自然の摂理なんですよね。そんな日本に原子力発電所(原発)をつくるなんて、土台まちがっています。
九州にしても、いずれ大分の別府と島原あたりを結んだ線で2分されると言われています。まあ、明日おきる話ではありませんので、今を生きる私たちが心配するようなことではありませんが・・・。
それにしても、南海トラフの大地震予想というのは、近いうちに間違いなく起きることなのでしょう。そのとき、原発や新幹線は本当に大丈夫なのでしょうか。また、全国各地、いたるところにタワーマンションをぼこぼこ建てて、見晴らしの良さにうけにいってる住民の皆さんの生活は大丈夫なのでしょうか。私は本当に心配です。
フォッサマグナとは、本州の中央部の火山が南北に並んで、本州を横断している細長い地帯のことを言う。この東西では、地層や岩石などの地質がまったく異なっている。フォッサマグナ地域の東西では、1億年から3億年前の古い岩石が分布しているのに対して、フォッサマグナ地裁の内部は2000万年前以降の珍しい岩石でできている。
フォッサマグナは地下6千メートル以上の溝であることが判明しているが、実は、どれくらい深いのかは、まだ分かっていない。したがって、日本アルプスの3千メートル級の山の頂上との落差は1万メートルもある。
フォッサマグナがなぜ出来たのかは、いろいろな説があるものの、定説はなく、謎に包まれている。その論争の一つは、そもそも日本の本州は、最初から一つの島弧だったのが、二つの島弧が合体したものなのかという未決着の議論につながっている。
今から40年ほど前、ウェゲナーの大陸移動説というものが提唱されたとき、冷笑する学者が多かったように覚えています。あんな重たい大陸が動くはずがないという考えで、これは地球が動くなんて間違いだというのと似た考えです。
ところが、その後、プレートテクトニクス理論なるものが出てきて、地球内部のある高温高熱のマグマが地表へ噴き出してくるので、大陸も海も動いているという学説でした。これが今ではすっかり定着しています。
それにしても、明治の初めにドイツからやってきたナウマン博士がわずか10年ほどの滞日期間中にフォッサマグナを発見し、あわせて日本列島の地質図を完成させたというのは、大変な偉業だと改めて思いました。生きている地球に無事に住んでいるって、つくづくありがたいことなんですね・・・。
(2018年9月刊。1000円+税)

天文学者が宇宙人を本気で探しています!

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者 鳴沢 真也 、 出版  洋泉社
この広い広い宇宙のどこかには、きっと地球の私たちのような高等生命体がいることでしょう。そして、そのうちに交信できることになるでしょう。でも、それが今すぐに実現できるとは思えませんし、今すぐだったら、免疫体系の違いなどから、下手に接触したらお互いに生命を維持できないかもしれませんよね・・・。
この本は、天文学者が真面目に真剣に学問として宇宙のどこかにいる生命体を探索している取り組みをレポートしています。
著者は結論として、宇宙のどこかに、きっと知的生命体はいるとしつつも、それは地球に既に来ているとか、来れるほどの近距離にはいないとしています。
知的生命体は、かなりレアな存在である。その最大の理由は、進化の偶然性にある。著者は、知的生命体はいるにしても、銀河100個に1文明、あるいは1000個に1文明ではないかとしています。どんなに楽観的に考えても天の川銀河に10も存在していないというのです。ということは、地球までUFOに乗ってはるばるやって来る可能性はほとんどないということですよね・・・。
この宇宙には、1000億の桁で銀河が存在していて、それぞれの銀河に1000億の桁で恒星が存在する。1000億かける1000億の星が宇宙にいるというのは、地球上のあらゆる海岸に存在する砂粒の数よりまだ多いだけの星があるということ。これだけ星があれば、知的生命体がどこかにいても何ら不思議ではない。ほとんどの天文学者が、そう考えている。
天文学者は、そのため大型の電波天文台を設置して探索にいそしんでいるのです。4光年という距離は、東京に1コのビー玉を置き、兵庫県に別のビー玉を置いておく。これがケンタウルス座アルファ星と太陽との距離である4光年を感覚的にあらわしたもの。
夏になると、夜に寝る前にベランダに出て、天体望遠鏡で月の素顔を眺めるのが私の習慣の一つです。夏の楽しみでもあります。ベランダにゴザを敷いて寝たこともありますが、さすがに今はできません。月の運河をくっきりと眺めていると、クラゲのような形をした宇宙人の存在を信じていた少年のころをなつかしく思いだします。
たまにはスケールの大きい宇宙の話に浸るのもいいものですよ。
(2018年4月刊。1600円+税)
 テレビを見ない私ですが、ロボコンを録画して見るのは大好きです。高専ロボコンも大学ロボコンも、どちらも楽しみにしています。
 先日は大学ロボコンがあり、東大が優勝しましたが、豊橋技術大学が東大キラーとして奮闘していました。高専ロボコンより大学ロボコンのほうが技術的には数段上だと実感しますが、素朴な面白さという点では高専ロボコンも捨てたものではありません。

重力波で見える宇宙のはじまり

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者  ピエール・ヒネトリュイ 、 出版  講談社ブルーバックス新書
 フランスの理論物理学者による解説書です。よく分からないなりに、宇宙のなりたちを知りたくて読んでみました。手にとって軽い新書だからといって、内容まで軽いとは限りません。
これまで人類が宇宙を観測してきたのは、まずは可視光のおかげであり、次にはあらゆる波長帯の電磁波のおかげだ。
重力波は、質量の大きな物体が、すばやく動くときに発生する。重力波は、観測可能な宇宙の大きさほどの脅威的な長距離を伝わる。重力波は非常に弱い力のため、重力波が途中にある物質に乱されることはほとんどなく、宇宙全体に届く。そのため、重力波は重力を起因する現象(ブラックホール)や重力波によって支配されている宇宙全体を観測する非常に有効な手段となる。
この重力波を検出するのは難しく、重力波を直接検出するまでに100年もの年月がかかった。重力波も光速で移動する。
合体した二つのブラックホールの質量を調べてみると、太陽の29個分と、36個分だったのが、合体したのだから、65個分のはずだったけれど、実際には62個分しかない。
重力波は、基本的な力のなかでも、最も弱いものだったが、今ではシンデレラのように主役におどり出ている。
重力波という、つかまえどころのないテーマを分かりやすく(実際には難しすぎたと反省しています)解説してくれる著者に感謝します。
たまには俗世間の憂さを忘れて星空でもながめないと毎日やっていけませんよね。
(2017年10月刊。1200円+税)

時空のからくり

カテゴリー:宇宙

(霧山昴)
著者 山田 克哉 、 出版  講談社ブルーバックス
宇宙の話です。理解できないまま、ともかく、何か分からないまま必死に最後まで読み通しました。
光は質量をもっていない。光の質量は、正確にゼロ。質量をもたない光がなぜ重力場に反応するのか。重力場が空間を曲げるために、光線はその空間の曲がりにそって進む。道筋が曲がっているのに光が進むのは最短距離になる。光は、必ず最短距離を選んで突きすすむ。
光速度不変の原理。何に対しても、光の速度はまったく同じで、常に秒速30万キロメートル。光の速度は、誰がどう測ろうとも、観測者が動きながら測定しようと、光源が動いていようと、はたまた観測者も光源もどちらがどちらの方向に動いていようと、観測者が測定する光速は、秒速30万キロという、たった一つの値しか示さない。
ええっ、これって、不思議ですよね。世の中に「絶対」は存在しないはずなのに・・・。
高さ450メートルの東京スカイツリーの展望回廊にいつまでもいると、時間が速く過ぎるため、地上にいるより早く年齢(とし)をとる。太平洋を横断する飛行機は上空1万メートルを飛ぶので、地上にいる人よりは早く年齢をとる。高いところほど時間は速く進む。
では、どれだけ早く年齢をとるのか・・・。100年につき、100万分の1秒ほど早く。
なあんだ、まったく心配するような時間の速さじゃないんだ・・・。
質量が時空を曲げるという「時空のゆがみ」こそが重力波の発生原因となる。質量がなぜ時空をゆがませるのか、その根本原因は今もなお分かっていない。しかし、重力波の検出が成功したことによって、間違いなく時空がゆがんでいることが確認された。
この重力波の検出に、100年もの時間がかかったのは、ひとえに重力波があまりにも微弱すぎて、そのわずかな空間の伸び縮みを観測することがきわめて困難だったから。
地球で観測された時空のゆがみは、長さ1メートルに対して、10のマイナス19乗センチという気の遠くなるような小ささだった。
この本を読んで、私が理解したということは何ひとつありません。でも、たったひとつだけ、世の中は不思議にみちていること。そして、もう一つ。学者が果敢にそれを究明していて、私には理解不能な数式で「証明」しているということです。
まあ、分からない分野があることを知るだけでも意味があると思いましょう・・・。
(2017年7月刊。1080円+税)

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