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カテゴリー: アフリカ

ジハード大陸

カテゴリー:アフリカ

(霧山昴)
著者 服部 正法 、 出版  白水社
アルシャバブやボコ・ハラムなど、アフリカのあちこちで凄惨なテロを敢行しているジハーディストに肉迫したルポルタージュです。
イスラム過激派がアフリカ各地で猛威をふるっている背景には、若者たちに職がなく、貧富の格差がますます激しくなっている深刻な現実状況があります。ですから、武力で制圧したり、テロリストのリーダーをドローンで暗殺しても何の解決にもなりません。第二、第三のリーダーが次々に生まれてくるだけなのです。
どの国に行っても、一般のイスラム教徒はテロを支持していないし、共感もしていない。イスラム圏の伝統文化がしっかり根づいている地域のほうが、イスラムの教えにもとづくモラハ社会規範がしっかりしているため、ほかの宗教が多数派の地域と比べても、むしろ治安がいい。
アルシャバブとは、アラビア語で若者を意味する。ふつうのソマリ系住民、ふつうのイスラム教徒は、アルシャバブを支持しておらず、両者は同一視できない。
アルシャバブの活動資金は、砂糖や木炭の密輸である。
アフリカへの進出が著しいのが中国だ。中国はアフリカに積極的に投融資をしている。中国はその見返りとして、アンゴラの石油を得た。アンゴラは、中国への最大の原油供給国となっている。アンゴラの経済成長率は15%にもなり、首都ルアンダのホテルは1泊400ドル(4万円)もする。
ジハーディストというテロ集団は、南アフリカの正規のパスポートを利用・横流ししている。
ジハーディストが若者を勧誘するときの決め手は二つ。一つは、洗脳だ。大義のために死ぬことの崇高さ、そして、死後にはたいへんな幸福が待っていると説教する。そして、もうひとつがカネ。リクルーターには成功すれば10万円がもらえる。新規メンバーは8万円もらえる。
ソマリアへ旅行にやってきた外国人が簡単に殺されるのは、事件が世界各地に放映されて、ソマリアは危険で、まだ安定していないというイメージをつくりたいからだ。
ジハーディストたちの資金源として大きいものに誘拐による身代金というものがある。身代金の総額は累計で1億2100万ドルにもなっている。
ジハーディストたちは、こう叫ぶ。
ヨーロッパは、これまでアフリカから資源などを盗んできた。アフリカ人は、今、それを取り返そうとしているだけなのだ。
これは、まさしく、本当にそのとおりなんですよね。
著者は1989年、大学1年生のとき、19歳のときに、アフリカ各地を一人で旅行してまわったとのことです。今となっては、古き良き時代だったと言うしかありません。現代アフリカでは考えられません。
(2018年2月刊。2200円+税)
梅雨入り前の五月晴れの日曜日でした。午後からジャガイモを掘りあげました。少し早いかなと心配しつつ2月に植えました。5月に白い花が咲き、葉や茎が黄色く枯れた状態になりましたので、梅雨入り前に掘りあげることにしたのです。畳2枚分くらいの広さに4つのウネをつくっていました。掘り上げると、ごろごろ大小のジャガイモが姿をあらわしてくれました。
  つるんと細長いメークイン、ごつごつしたジャガイモ顔のダンシャク、ダンシャクに似て丸っこいけれど、ところどころに紅いしみのようなものを身につけているキタアカリの3種類です。
 幸い、これまでジャガイモ栽培で失敗したことはありません。植えたあとは雑草とりをしたくらいで、美しいジャガイモを食べることができました。
 次々に掘り上げ、ザルが足りなくなりました。2人では多すぎるし、かといって配って歩くには少なすぎる量でした。暗室保存がいいとのことですので、ダンボール箱に入れて、階段下の物置きに保管することにしました。
 とりあえず小さいジャガイモをオーブンで焼いて、バターの香りとともに札幌の街角で売られているジャガバタを思い出しながら、食べました。 あとは、コロッケそしてポテトサラダでいただきたいものです。
 夜8時近くになり暗くなってきましたので、恒例のホタル見物に出かけました。歩いて5分のところにある小川にたくさんのホタルが今年も元気よく、フワリフワリと音もなく飛んでいました。
 小川のそばにガードレールがあり、そこで2度も転びそうになったので、今年は十分気をつけました。
 ここのホタルはこぶりです。ゲンジボタルと聞いていますが、ヘイケボタルかもしれません。フワリフワリとすぐ近くも飛んでいますので、手のひらに乗せてみます。あわてる様子もなく、手のひらに乗ってじっとしています。息を吹きかけると、またフワリフワリと飛んでいきます。
 一斉明滅を繰り返す夢幻の里が近くにある暮らしっていいものです。

コンゴ共和国、マルミミゾウとホタルのいきかう森から

カテゴリー:アフリカ

(霧山昴)
著者  西原 智昭 、 出版  現代書館
ゴリラは平和主義者です。大きな身体だけど静かな気性、不器用だけど、きれい好き。隣のグループとも、いたって平和的。泥沼に肩まで浸かりながら、幸福そうに目を細めて大好物の水草を食べる。
ゴリラは歌をうたう。ハミングで、うまい。ヨーロッパの民謡みたいなメロディーで、人間そっくり。草食性のゴリラの糞は草っぽい匂い。これに対して、肉を食べるチンパンジーの糞は人間と同じで臭い。ゴリラはチンパンジーとちがって肉は食べないが、アリやシロアリは食べる。
アフリカで生活するとき、マラリアには予防接種はない。予防薬をのみ、蚊にむやみに刺されないよう用心するしかない。しかし、村から遠く離れた森のなかで生活していると安全。人が住んでいないので、マラリア蚊がいないから・・・。
アフリカのジャングルにすむ野生動物は一般的に危険がない。基本的におとなしく、想像されるほどの危険はない。こちらがひどく相手を驚かさない、静かにしている、相手に異常に接近しない、武器をもたない、そうすると加害を加えてくることはまずない。危険なのは、視界の悪い森のなかで急に鉢合わせしたときくらいのこと。
あえて危険な動物をあげるとなると、ヘビだろう。
アフリカで何より怖いのは、東京のド真ん中と同じで、人間。内戦があって殺し合いが始まると、その前に逃げ出すしかない。
アフリカの森に無数のホタルが明滅する森があるといいます。ぜひ行ってみたいです。
学者って、森の中でじっとゴリラを観察し続けるのですよね。その忍耐強さに驚嘆します。
(2018年1月刊。2200円+税)

避けられたかもしれない戦争

カテゴリー:アフリカ

(霧山昴)
著者 ジャン・マリ―・ゲーノ 、 出版  東洋経済新報社
国連PKOの責任者だったフランス人が世界各地の紛争現地の実情をふまえて、国連のなすべきことを提言した貴重なレポートです。
この本を読むと、つくづく日本のなすべきことは、他の国と違って戦争放棄を定めた憲法をもつ平和国家としての提言であり、その立場からの貢献だということです。要するに、アフガニスタンでがんばっている中村哲医師のような地道な活動をこそ日本のなすべきことです。日本が他の国と同じように武力で紛争の現場に出かけたところで、何の力にもならないことは明らかです。
日本は軍事力という現実を認めながらも、対話と外交の価値を推進するという平和の文化を築くことに、国家としても、これから国連で働く日本人職員の手によっても、大きく貢献できる立場にある。著者は、このように強調しています。
アフガニスタンに注ぎ込まれた数十億ドルもの資金は、たいていムダにされた。現実には、その資金のほとんどは、本来の目的のためには使われなかった。たとえば、日本からの資金援助で、莫大な費用をかけて環状道路の一部が敷設された。しかし、その効果的な維持管理対策は講じられなかった。過酷な冬が、この投資をダメにしている。
軍隊だけではアフリカの紛争地帯に平和をもたらすことはできない。
国連にあってほかの国にないものは、自分たちが公明正大であるという信用を築く力である。それは、きわめて厳格で規律ある武力行使が求められる。
国連も高度な訓練を受け、迅速に反応できる部隊をもつ必要性を痛感した。何より肝心な要素は、和平を支える政治基盤なのである。
アフリカの腐敗したエリート層は、自分の財産を先進国の銀行に預け、先進国の法律から恩恵を受けている。自国の無法状態のおかげで、利益を独占し、恩恵を受けている。
脆弱(ぜいじゃく)国家からは優秀な人材が流出していく。欧米で暮らしたら、母国にいるより豊かになり、自分も子弟も高い学歴が得られるからだ。
国連が助けようとしている国に成功をもたらすことが出来るのは、その国の人々だけ。
グローバル化した世界では、愛国心はますます古臭く見えるが、実は愛国心がなければ失敗する可能性は高い。
600頁をこす大著ですが、国連PKO担当事務次長として世界各国の紛争の現場に立った体験をふまえている本なので、説得力があります。著者は私と同じ団塊世代です。1968年に起きたパリのカルチエ・ラタン騒動の世代でもあります。
(2018年1月刊。3400円+税)

ヤナマール

カテゴリー:アフリカ

(霧山昴)
著者  ヴュー・サヴァネ 、 バイ・マケベ・サル  出版  勁草書房
 セネガルの民衆が立ち上がるとき、というサブタイトルのついた本です。
 2011年6月23日、アフリカ大陸の西端にあるセネガルの首都ダカールに、大規模な民衆騒乱が発生した。市民の広範な抗議行動を主導したのは、社会運動体「ヤナマール」。あくまで非暴力の市民的不服従を訴える社会運動体だ。
 ヤナマールは、フランス語で、もう、うんざりだという意味。
政権は、反対勢力を骨抜きにして服従させ、統制を企ててきた。だから市民側が警戒を怠ってはいけない。ホワイトカラーが処罰されない一方、ちっぽけなこそ泥たちには、異例の厳しさで司法の剣が振りおろされている。庶民がしばしば飢えや必要に迫られて、あわてて仕出かす犯罪に、司法は道理にあわないほど、情け容赦のない態度を示す。ちょっとした窃盗を犯した庶民が刑務所に何年も服役する一方で、数十億CFAを不正に巻き上げる連中には、目を瞑らせるか、無罪になる。これって、まるで今の日本と同じです。「アベ友」はやりたい放題で捕まらず(アベに見捨てられたカゴイケ夫妻は半年も拘置所ですが・・・)、コンビニの万引きは容赦なく逮捕して刑務所へ・・・。
 国家は、金持ちになるためのたんなる手段。支配をめざすエリートたちの賭金になりさがった。カケコータローが記者会見することもなく(奇妙なことに週刊誌の突撃取材もありません)、カゴイケ氏は半年近くも冷たい拘置所のなかに・・・。この差別扱いはひどすぎます。
 ヤナマールは、この人、あの人といった個人のものではない。ケータイとスマホで、呼びかけあう運動体だ。
 ちょっと読みにくい本ですが、アフリカ諸国で民主化運動が始まっている状況が紹介されています。やはり、何事もあきらめてはいけないのですよね。
(2017年8月刊。2500円+税)

ぼくは13歳、任務は自爆テロ

カテゴリー:アフリカ

著者 永井 陽右、 出版  合同出版
今どきの若者は、、、たいしたものです。心から応援したくなります。
大学生のころから、アフリカに渡ってテロのない世界を目ざして活動してきたというのです。信じられないほどすごいです。若い男女学生たちがアフリカ現地に出かけてがんばっているのを知ると、日本の若者もまだまだ捨てたものじゃないなと安心してしまいます。
若者に安定志向が強く、自民党の支持率が40%というのを知って、がっかりした矢先にこの本を読んで、大いに救われた気がしました。やはり、何かのきっかけがあれば、若者も必ず立ち上がるのです。私たち団塊世代(今ではみんな70歳前後です)も、学生のころ(20歳前後でした)には、いろんなきっかけから目覚めて、世の中を大いに動かしたのです。これは全共闘の暴力的な街頭行動を意味していませんので、誤解ないようにお願いします。
著者はソマリアに赴きます。ソマリアでは、この20数年間に180万人をこえる難民が生まれ、国民の半数以上が緊急人道援助の必要があるとされている。2012年にソマリアにも正式な政府が誕生したが、内戦は今でも形を変えて続いている。「国境なき医師団」もソマリアは危険すぎるという理由で撤退してしまった。
政府による公共サービスは皆無に近く、政府内では汚職がはびこり、年間700億円にのぼる国連その他からの援助は、必要な人々の手に渡らずにどこかに消えてしまっている。
ソマリアで活動しているアル・シャバブはよく訓練されていて、アフリカではもっともしたたかなテロ組織とされている。このアル・シャバブは、アルカイダに忠誠を誓っている。
著者はソマリアの隣国ケニアの首都ナイロビにあるソマリア人の大勢すむ地区で、ギャング国に入った若者の救援活動もしています。
ソマリアの激しい内戦のため故郷から離れざるをえず、移住してきたケニアの地でも暮らしがきびしく、差別や孤独にさいなまれ、警察の取り締まりを恐れながら生きている。彼らはどうにか生きるためにはギャングになるしかないと考えた。いったんギャングに入ると抜け出すのは大変困難、組織からの復讐もあるし、世間は元ギャングを受け入れようとしない。孤独から逃れるためにギャングになったのに、ギャングになったらさらに孤立してしまう。ギャングを捕まえて刑務所に入れても、刑務所の中で犯罪者がさらに過激化していくことが少なくない。
しかし、元ギャングを排除するのではなく、受け入れ、寄り添う。その孤独や恐怖、世界への怒りを軽減させることが大切。
アル・シャバーブは、盛んに子どもたちを勧誘し、子ども兵として使役している。とくに10歳くらいの子どもに目をつけて、自爆テロ要員にしている。うひゃあ、恐ろしい、悲しいことですね。
地道な活動を粘り強くすすめている若い人たちに心からの声援を送ります。
(2017年8月刊。1400円+税)

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