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2004年11月 の投稿

陶磁器の修理うけおいます

カテゴリー:未分類

著者:甲斐美都里、出版社:中央公論新社
 お皿やお茶碗やお人形さんなど、陶磁器が壊れてしまった。さあ、どうする・・・。そんなときの頼もしいお助けマン(いや、ウーマン)がいます。
 修理と修復という言葉に違いがあるというのを初めて知りました。修復は、用途は別にして、壊れた陶磁器の外観を元の状態に戻すこと。修理は、壊れた陶磁器を、外観は別にして、元通り使える状態に戻すこと。つまり、両者はまったく似て非なるものなのです。
 そして欧米では修復が常識です。ですから、元通りに使うことは念頭にありません。ですから、何度でも修復可能な程度にとどめるのが理想形なのです。
 もちろん、日本はそうではありません。修理したものは、一見してそれと分かっても欠損品としての二級品扱いされないどころか、むしろ「格が上がった」「景色がついた」として評価が上がることさえあるのです。この点は、欧米人の常識には絶対にあいません。
 中国映画の『初恋の来た道』(私の絶対のおすすめ映画です。まだ見ていない人はDVDを買って、ぜひ見てください。決して損はしません。見終わったとき、心がホンワカ温まっていること間違いありません)では、お皿の欠けたのを直してくれる行商人が出てきますが、少し前まで、日本でも同じような行商人がいました。
 日本の修理には漆(うるし)と金箔をつかいます。日本で使う金箔はなんと厚さが1万分の1ミリです。手にとってすりこむと肌の中に消えてしまうほどの薄さだそうです。だから、ハケのようなもので扱います。
 なるほど、なるほど、と思いながら読みました。

容姿の時代

カテゴリー:未分類

著者:酒井順子
 見かけは大事だ。最初の判断基準は外見しかないんですから。でも、外側だけ固めても中身が空だと、意味ないから。はき違えているすべての人に申し上げます。

女のとなり

カテゴリー:未分類

著者:乃南アサ
 妬・始・妖・好・・・つまり、女のとなりとは、おんなへんの漢字を集めて、いろいろと書かれているのですが、なるほどなるほど・・女って怖い、強い、すごい。

見たことも聞いたこともない

カテゴリー:未分類

著者:原田宗典
 待ってました、待ってました・・・とてもよかったです。「これってエッセイなの?でも・・んんん?」という原田宗典愛読者にとっては「ハイセンスハイクオリティーエッセイ仕立て短編小説」だと思いました。

若者たちに何が起こっているのか

カテゴリー:未分類

著者:中西新太郎、出版社:花伝社
 日本の若者を理解するうえでの必読文献だと思います。私は、何度もなるほど、なるほどとうなずきながら読みました。
 ここ20数年間の社会・文化変動の結果、世代間ギャップが歴史上かつてないほど深くなっている。ギャップの深さが類例をみないほど深いという点は日本社会に特徴的だ。韓国社会が日本社会に近いが、それ以外は、どこの国をみてもこれだけギャップの大きいところはない。35歳から40歳が世代間の大きな区切りとなっている。たとえば「エヴァンゲリオン」の中身が理解できるかどうかで大体区別できる。
 社会的に高い地位を占めるという望みを、70年代後半から80年代以降、日本の若者はもたなくなった。企業社会秩序、会社主義の秩序が動かしがたいものと意識され、かつその秩序のなかでの地位上昇を想像しえなくなったから。
 大学へ行く、専門学校へ行く、高校を出て就職するというのが、すべて3分の1で固定的になっている。1975年前後から変わらない。
 自分もふくめて、人間がなぜこの社会に存在していいのか、あるいは存在する権利があるのか、そもそもそういう自分という存在が自分といえるのはどうしてなのかということが感覚として分からない。これが出発点にあるので、人権が大切だと言っても、お題目、たてまえしか聞こえない。人権は人によって違いがあるという感覚が若い世代だけでなく、日本社会に広がっている。人権とは、人間に等しく与えられた、人間が等しく持っている権利だと思っている人の方が少数になってきている。
 青少年に公共社会の構成員であることを徹底的に断念させ、忌避させる点でも、日本社会はきわだった特質をそなえている。青少年の生活と意識とは、普通の状態では、公的、社会的な意味で無視されていても平気でいられるように方向づけられている。
 日本の若者を理解するのには相当の努力が必要のようです。

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