著者:リチャード・G・クライン、出版社:新書館
 5万年前にヒトは初めて解剖学的構造でも行動でも、現生人となった。二足歩行の類人猿のはじめのころは、うっそうとした木々に囲まれて生活していた。日陰の少ないサバンナにヒトが入りこんだのは170万年ほど前にすぎない。
 直立して威嚇することが、暴力を回避することができ、緊張状態を和らげて、死傷のリスクを減らした。
 ネアンデルタール人の脳容量は大きく、平均1520ccで現生人の平均より120ccも上まわる。ネアンデルタール人は、4万年ほど前に出現したアフリカ起源の現生人との競争に敗れて姿を消した。
 いずれにしろ、現代の人類が東アフリカ起源であることは、どの本を読んでも争いがない。白人も、もとをただせば黒人起源なのだから、威張る根拠なんて何もない。
2004年10月1日


