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2004年7月 の投稿

カラス、なぜ遊ぶ

カテゴリー:未分類

著者:杉田昭栄、出版社:集英社新書
 わが家には、幸いなことに、カラスは来ません。ときどきカサカギ(カチガラス)がやって来る程度です。
 カラスは人間の顔を覚え、カラスにいじわるすると必ず仕返しをします。著者が遊び心からエサにアルコールをまいていたら、駐車場のなかの著者の車だけがカラスの糞攻撃を受けたそうです。めったなことでカラスをいじめることはできません。
 カラスの鼻はききませんが、目と脳はすごく働くのです。遊ぶのも得意です。スキー場やすべり台ですべって遊んだりしますし、線路や道路に物を置いて車や列車に割ってもらうのもカラスの得意とするところです。
 カラスを狭いところに閉じこめておくと、ストレスから円形脱毛症にもなってしまうそうです。真っ黒な身体に似合わない、繊細な心の持ち主でもあります。

大黒屋光太夫

カテゴリー:未分類

著者:山下恒夫、出版社:岩波新書
 吉村昭の『大黒屋光太夫』(毎日新聞社)は小説として面白く読めました。さすが岩波新書です。新史料も紹介され、さらに歴史の真実に迫ることができました。
 ときは18世紀の後半。10代将軍家治。老中田沼意次によって江戸は好景気にわいていた時代です。伊勢の光太夫たちが江戸へ向かう途中に難破して、アリューシャン列島に漂着します。それから苦難の日々を過ごし、ときのロシア皇帝エカテリーナ2世に直訴することができて、ついに日本へ無事に帰国することができました。すでに田沼時代が終わり、寛政の改革で有名な松平定信の時代です。光太夫は21歳の将軍家斉に面会しています。身分を考えてみたら、とてもありえないことです。20年ぶりに故郷の伊勢にも帰国することができました。
 光太夫がロシアで厚遇されたのは、ロシアの当時の習俗に従って上流階級の船長とみなされたうえ、富裕な商人とも誤解されていたことによるというのです。もちろん、光太夫の人柄がそれだけの人物ではあったのだと思います。庶民レベルの日本人にも、なかなかの人物が昔からいたことがよく分かる本です。

北米大停電

カテゴリー:未分類

著者:山家公雄、出版:日本電気協会新聞部
 2003年8月14日、15日。ニューヨーク市は、いきなり全市停電となり、地下鉄が止まり、飛行機まで飛ばなくなりました。携帯電話もつながらないなかで、人々は2001年「9.11」テロを心配させられました。
 停電の被害は、アメリカ8州とカナダの2州、あわせると5100万人にも及びました。その6180万キロワットというのは、日本でいうと関東地域を上まわる規模です。
 コンピューターは、停電のときには、基本的に作動しなくなり、携帯電話もつかえません。むしろ、固定式電話の方が電気使用量が少ないので停電には強いのです。
 なぜ、このような大停電が発生したのかを究明しようとした本ですが、必ずしも歯切れは良くありません。コンピューターシステムがよくなかったとか、電気会社同士の連携が十分でなかったとか、いろいろな指摘がなされています。でも、電力自由化のもとで、乱立する電気会社の多くが利潤第一主義に走るあまり、保守点検とか「無効電力」の不足という問題をひきおこしたことが指摘されています。門外漢の私には、ここらあたりに重大な問題がひそんでいるように感じられました。ともかく、電気は水と並んで必要最低限のインフラなのです。それを整備し、保障するのは国の責任ではないでしょうか?。

脳は変化する

カテゴリー:未分類

著者:アイラ・B・ブラック、出版社:青土社
 バラの香りをかぐとき、神経細胞はインパルスを発生させ、この経験を貯える。電気信号は縦につながっている次の神経細胞との境目を飛びこえて、情報をリレー伝達する。神経細胞間の境目をなしているシナプスは、情報の制御で決定的に重要だ。シナプスが丈夫であれば、多くの情報がリレーされる。シナプスが弱いと、少しの情報しか送られない。システムのなかで、シナプスの能率が高ければ、それだけ情報の伝達がうまくいく。
 たとえば、短い経験が神経にインパルスを発射させ、これが伝達物質の信号を放出する。伝達物質はシナプスの隙間をとび超えて、下流につながっている次の神経細胞を電気的に刺激する。伝達物質は次の神経細胞がもっている遺伝子を活性化して栄養因子を作らせ、因子はシナプス接続を補強する。こうしたシナプスの強化は少なくとも何週間か続く。短い経験がシナプスの構造に変わり、変化は長い時間続いて記憶をつくり出す。一個の酵素分子は毎秒100万回の化学反応をおこない、神経細胞は毎秒1000回の信号を伝える。
 人間の記憶はこのようにしてつくられるものなんですね・・・。うーん、なんだか少し分かった気がしました。
 先ごろ、アメリカのレーガン大統領がアルツハイマー病にかかったあと、93歳で亡くなりました。アメリカには400万人のアルツハイマー病患者がいて、毎年22万8000人の患者がうまれています。この本はアルツハイマー病に冒されていく銀行家の様子を物語りながら、脳科学の到達点をかなり分かりやすく解説しています。
 脳も再生する。脳は常に成長し、変化する生きた構造であり、経験から学んでいる。
 脳は固定配線を施されたスイッチ盤のような構造ではない。ですから、「あの人は頭が良い」というのは、あまり意味がないのです。「頭が良い」というのは脳のシナプス接続が多くて太いということであり、それは訓練の成果が期待できるものなのです。そうです。何事もあきらめてはいけないのです。私も、このごろ、やっとフランス語がかなり聞きとれるようになりました。フランス語用のシナプス(回路)ができあがり、それなりに太くなったというわけです。やはり、持続することが大切です。

殺人の門

カテゴリー:未分類

著者:東野圭吾\n どうしてどうして、なぜなぜ、と重くはがゆい感じでしたが「糸が張りつめていく」過程の描写にうなります。

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