会長日記

2021年1月1日

会長 多川 一成(45期)

皆さま、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

◆いつもと違うお正月

皆様はお正月をどのように迎えられたでしょうか。今年は新型コロナウイルスの影響で、初詣や初売りの状況も例年とは違ったものになると思われます。また旅行先でお正月を迎えられた方も少ないのではないかと思います。

昨年の12月14日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、Go To トラベルが12月28日から1月11日まで全国で一時停止されることが決まりました。12月18日には、熊本県が東京や大阪などの感染急増地域を対象に、年末年始の帰省自粛を要請する方針を決めたとの報道がありました。また19日には、関西の2府4県などでつくる「関西広域連合」が対策本部を開いて、「関西・年末年始緊急宣言」を採択し、帰省はできるだけしないこと、不要不急の外出を控えること、忘年会や新年会もできるだけやめることを要請したとのことです。

こうした中、当会でも、福岡部会を始め北九州部会、筑後部会では部会忘年会を開催しませんでした。また福岡部会では新年会も開催せず、1月8日に予定していた弁護士会の新入会員歓迎会も延期となりました。

第三波が広がり不安はありますが、皆様がご自宅でゆっくりお正月を迎えられ、今年一年健康に過ごされることを心よりお祈りする次第です。

◆昨年12月に4つの会長声明を表明しました

当会では、2020年12月に4つの会長声明を表明しました。

4つ目の会長声明は、福岡県議会の主要会派が取りまとめた「福岡県ワンヘルス及び人獣共通感染症対策等の推進に関する条例」案に関するものです。

この条例案は、感染者に対して、感染の原因となった可能性がある行動その他の感染経路の特定のために必要な情報を報告することを義務付け、正当な理由なく拒否・虚偽報告した場合に過料の制裁を科す規定を定めていました。会長声明では、感染拡大防止対策の必要性は肯定しつつも、条例案のうち罰則を課す部分は、適正手続の保障(憲法31条)やプライバシーの権利(同13条)を侵害し、社会的差別を助長するおそれ等があることから、感染症法の趣旨を踏まえ、削除することを求めました。

報道によると、その後福岡県議会では、県弁護士会などから反対意見が寄せられた罰則に関する部分の条例化は見送られ、それを除いた条例案は、12月18日に可決、成立したとのことです。

この件については、常議員会を含む当会関係者の協力を得て、時機を失することなく適切な会長声明を表明することができました。弁護士会としての重要な役割を果たすことができたと思います。

福岡県弁護士会 会長日記 2021年1月1日