会長日記

2019年11月1日

会長 山口 雅司(43期)

皆さん、こんにちは。
9月から10月にかけてはかなり忙しい時期です。弁護士会の活動報告も兼ねて、私が参加した9月から10月12日までの行事について「会長動静」風に少し紹介してみます。

◆9月の行事

▼3日、福岡専門職団体連絡協議会(いわゆる士業といわれる10業種の団体が構成員となる協議会)の第29回定期大会に出席。

▼7日、京都市において日弁連の第21回弁護士業務改革シンポジウムがあり、11の分科会で「新たな弁護士業務の展開」について報告や協議が行われました。

▼8日、京都市での中規模弁護士会サミット(中規模弁護士会と分類される17道府県の弁護士会を集めた会合)において、弁護士会の会務について協議しました。

▼14日、人権擁護大会のプレシンポとして福岡県弁護士会館にて行われた「人質司法からの脱却」に出席。冤罪を生む温床ともいわれる長期の勾留による身体拘束の問題についての報告と協議が行われました。

▼21日、死刑制度の存廃に関する3回目の企画として、弁護士会館にて“審議型意識調査”のドキュメンタリー映画「望むのは死刑ですか? 考え悩む"世論"」の上映会と存置・廃止の双方の立場でのトークセッションに出席。

▼26日、中華人民共和国成立70周年祝賀会に出席。その後、弁護士会館にて国会議員秘書と弁護士政治連盟福岡支部との懇談会に出席。弁護士会の活動についての報告と協議が行われました。

▼27日、第72期司法修習生の実務修習修了送別会に出席。弁護修習などの実務修習を終え、司法研修所で二回試験に挑みます。

▼28日、弁護士会館にて「だれも孤立させない社会をめざして」と題する生存権・自殺予防シンポジウムに出席。

福岡県弁護士会 会長日記 2019年11月1日

◆10月の行事

▼1日、福岡県弁護士会の活動に関する定例記者会見。

▼3日~4日、徳島市にて開催された日本弁護士連合会第62回人権擁護大会に参加。刑事事件の取調立会に関する分科会、人権保障制度としての個人通報制度と国内人権機関の創設に関する分科会、再審規定の改正に関する分科会が開催され、それぞれ宣言・決議がありました。

▼8日、福岡県豊前市において、司法過疎偏在地域の解消のために設立された「豊前ひまわり基金法律事務所」の所長を務めた西村幸太郎会員が、同地に定着して開業するとのことで定着式に出席。

▼11日、毎年行っている釜山地方弁護士会との交流会(第29回)が今年は福岡市で開催されました。釜山地方弁護士会からは26名、当会からは45名が参加して、司法通訳についての検討会と懇親会が行われました。

福岡県弁護士会 会長日記 2019年11月1日

◆改めて人権擁護を思う

さて、こうした様々な企画に参加して今さらながらに思うのは、弁護士会の社会的活動の多様さと、弁護士会に所属する多くの弁護士が、人権擁護と社会正義の実現(弁護士法1条)に向かって努力をしているということです。

他方で、少数者の人権や外国人の人権に対して、日本という国や社会は消極的で、独善的になっていないか、内向きになっていないかと考えさせられました。多数者のための民主主義は標榜しても、自由主義という観点を軽視している風潮がありはしないか、とても気になります。

司法は、多数決原理とは異なり、法適用を通じて少数者の権利保護を含む法の支配や法による正義を実現することに本質的な役割があります。私たちは、司法という観点から、人権や自由をもっと強く主張する必要があるとの思いを新たにしました。