会長日記

2015年10月

会 長 斉 藤 芳 朗(39期)

当会の会長は、1月に立候補する際、いわゆる「所信」を表明いたします。私も、いくつかの所信を掲げて立候補いたしました。その所信がどの程度実現できているのか、心変わりしたのかを会員の皆さまにお知らせするのは会長の責務と思われますので、半年過ぎた時点の状況をご報告申し上げます。

1 会費の減額【所信】

  1. 所信として、各会費の減額について検討することを掲げました。
  2. リーガルサービス基金負担金について、500円減額することを検討しております。なお、福岡部会の会員に対しては、すでに、5月の定期総会において、登録後25ヶ月間負担しなければならない2,000円の特別負担金を廃止しておりますし、茶話会会費についても、5月の部会集会では減額に反対する意見が出ましたが、200円減額することを検討しております。
  3. 一般会費についても減額を検討しましたが、2で述べるとおり、会費減額に代わる措置を検討しております。

2 会務の有償化への舵取り【所信の変更】

  1. 所信を以下のとおり、変更することとしました。
    1. 役員に対して報酬・費用を支給する。
    2. 人権調査に手当・報酬を支給する。
  2. 会長職を半年遂行し、副会長の激務を目の当たりにしました。これから役員に就任される若手の会員に対して、いわゆるプール金を拠出させたうえで(会長100万円)、報酬も支給しない、という過酷な状態を維持することは許されないと思われます(なお、昨年度まで、福岡部会選出の3名の副会長にもプール金40万円を負担させておりました)。また、大変な労力と気苦労を要する人権調査に従事される会員に関して(しかも、多くの場合、若手の会員が担当されます)、無償を継続することも、相当ではありません。したがって、会員に著しい負担をかける会務については有償化に踏み切るべき時期となっていると考えます。関連委員会の意見を聴いたうえで、全員協議会を経て、来年度からの実行を目指します。

3 意見交換、法律相談のML(メーリングリスト)開設【所信】

  1. 所信として、自由に意見交換ができるML、気軽に法律相談できるMLの開設(加入は自由)を掲げました。
  2. HP委員会からの答申書もいただいておりますが、このうち、とりあえず、自由に意見交換ができるMLを開設することとしたいと存じます。規則等の作成、管理者を選定して、早期の開設を目指します。

4 男女共同参画の推進【所信】

  1. 所信として、男女共同参画の実現を掲げました。
  2. 現在、執行部に対して役職者の選任を求められた場合、女性会員についても平等に選任をお願いしております。しかし、不十分ですので、両性の平等委員会の意見を伺ってのことですが、同委員会を男女共同参画推進本部に改組し、執行部と委員会が協力して、もっと積極的に男女共同参画を推進する体制を整えたいと存じます。

5 選挙制度の改革【所信にはなし】

  1. 所信には掲げておりません。
  2. 一方で、立候補者の経済的負担を軽減し、他方で、会員の面前での口頭による所信表明の機会を付与する必要があると思います。前者に関して、立候補者(会長、日弁連副会長、県弁副会長、部会長、常議員)の所信を1回限り、alfbenに流すことを認めることを検討したいと思います(これまでのように、所信を印刷し、会員に郵送、レターケースに配布する必要をなくす)。後者に関して、当会の会長、日弁連副会長の候補者については、選挙がなくても、会員の前でプレゼンをし、会員からの事前書面質問に回答する機会を付与することを検討したいと存じます(この機会を利用するか否かは、候補者の自由とする)。いずれも、選挙管理委員会等の意見を伺います。

6 研修の充実【所信】

  1. 所信において、研修の充実を掲げました。
  2. 現在、五月雨式に案内が来ている研修について、HP上で一覧でき、HPからの申込みを可能とするシステムの構築をHP委員会と研修委員会にお願いしております(少なくとも、12月に登録する新人に関しての研修のスケジュールとプログラムは、11月中に確定し、公表したいと存じます)。

7 新会館の機能の検討開始【所信なし】

  1. 所信には掲げておりません。
  2. 次年度における基本設計・詳細設計のために必要な新会館の機能についての検討を始めたいと存じます。特に、天神センター職員を新会館に統合するか否かが最重要課題であり、センター運営員会、主任幹事等多くの関係者のご意見を伺って、次年度に最終決定できるような下地を作っておきたいと存じます。

8 若手の会員への配慮【所信】

  1. 委員会において若手会員の発言をしやすくし、活躍の場を付与するような環境を整備していただくことを所信として掲げております。
  2. 4月に、各委員会向けの文書において、同趣旨のお願いをしておりますが、各委員会において、格段の配慮をお願いします。また、若手に活躍の場を与えるため、日弁連・九弁連委員の定期的な交代をお願いします。

9 常議員会の機能の見直し【所信なし】

  1. 所信には掲げておりません。
  2. 仮に、次年度執行部を構成する全ての役員(会長、副会長、事務局長)が前年度の常議員会のメンバーであれば、会務の継続性も維持でき、引継も容易に可能となるでしょう。弁護士会の職域が拡大しつつ、弁護士・弁護士会の社会的責務が重視され、執行部が担う責任も重くなっている現状に鑑みれば、このような観点で常議員会の機能の見直しが要求されるのではないでしょうか(幸いにも、本年度のメンバーは、次年度執行部を構成できる方々ばかりです。)。

10 ペーパーレス化の推進【所信】

  1. 毎度の繰り返しとなりますが、来年4月以降は、基本的に、ペーパーはゼロにする予定であり、本年度はその準備期間と位置付けております。

11 まとめ

所信がどこまで実現できるか分かりませんが、可能な限り努力してみたいと存じます。会員の皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。