会長日記

2016年7月15日

会 長 原 田 直 子(34期)

福岡県弁護士会のHPにおいでいただき ありがとうございます。

保育園で働くあなたの相談室~保育士の皆様への無料相談を始めています。

30年以上も前の話ですが、私も、毎日3人の子どもを保育園に預けて、法律事務所に出勤していました。出張の日など7時30分の開園時間を待つようにして預けたり、帰りが遅くなって、園長室でうちの子だけが待っていたこともありましたが、いつも保育士の先生が笑顔で迎えてくださいました。

しかし、その笑顔の裏には大変なご苦労があったと思います。こんな不規則な仕事でご自分のお子さんはどうしていらっしゃるのだろう、お子さんが生まれたら辞められるのも仕方ないなと思ったことも度々でした。

「保育園落ちた!」で始まった待機児童解消の動きは、保育士確保が重要な課題となっています。安心して預けられる保育施設は、箱もさることながら、専門の保育知識をもった保育士さんの体制が欠かせないからです。安易に、有資格者の定数を減らす動きには不安を感じてしまいます。

保育士さんが働き続けられる環境整備の一環として、福岡市が保育士さん対象の無料法律相談制度を始めました。当会は、これを受けて、毎月第2,4日曜日、10時から13時まで、天神弁護士センターで、福岡市の私立保育園、地域型保育事業所で働く職員の皆様対象の無料法律相談を行っています。相談の内容は限定がありません。もちろん、ご相談内容については、秘密を守ります。福岡市はもちろん、勤務先保育園に伝わることもありませんのでご安心ください。

保育園の先生は、働く親にとっても子育ての相談ができる先生。新米ママ、パパにとっては、経験豊富な保育士さんの存在は、大変重要です。働き続ける上で何かお悩みがあれば、是非ご利用ください。

18歳選挙~あなたは投票されましたか

参議院選挙の結果、自民党を中心とする与党が衆参両院で2/3を占めるという結果となりました。弁護士会は強制加入団体として、どの政党を支持するということはなく、会員が自らの意思に基づいて、自由な投票行動を行いましたが、憲法の平和主義や立憲主義が蔑ろにされないか,不安を感じるところです。

ところで、今回の選挙は選挙権が18歳まで引き下げられた初めての国政選挙でした。18歳、19歳の皆様、投票されましたか。

このような制度改革を踏まえ、弁護士会では高校生に限らない主権者教育に力を入れています。政治制度や選挙制度の知識だけでなく、人権の尊重を基礎として、多様な価値観を受け入れ議論し判断する能力を身につけた主権者となるための教育が大切と考えています。

このためのシンポジウムを開催しますので、ぜひご参加ください。

日弁連人権大会第2分科会プレシンポジウム 【より良い主権者教育のために〜教師と弁護士の共同による授業実践を踏まえて〜】詳細はこちら

会長と呼ばれる日々

福岡県弁護士会の会長になって、3ヶ月半、もう任期の1/3近くになりました。

この間、一番変わったことは、名前で呼ばれず、「会長!」と呼ばれることです。私は所属法律事務所の所長をしていますが、所長と呼ばれることはなく、名前で呼ばれていました。特に、原田という名前は複数いる場合もあるので、「直子先生」と呼ばれることも多かったのです。ところが、他の団体の方からを含めて、いきなり「会長!」になったので、自分の中では違和感がぬぐえませんでした。

しかし、見回すと、どこの組織でも、「理事長」「社長」「部長」と役職がつくとその役職で呼ばれている事が多いようですね。逆に、弁護士会は、会長以外は、副会長も,事務局長も、委員会の委員長も、役職ではなく名前で呼ばれているので、特異な組織なのかもしれません。

その中で、皆さんから「会長!」と呼ばれることで、会長としての自分が育てられているような気がします。「地位が人をつくる」といわれますが、「会長!」と呼ばれることに恥じないように、自分を律し、あらゆる事にアンテナを張って理解する努力をしています。就任に当たって、きちんと自覚するのが筋といわれればそうですが、「会長!」と呼ばれることによって、その責任感、緊張感の糸が切れずに、続けていけている気がします。

但し、そこで考える会長像については、権威的なものはできるだけなくし、市民の皆様が話し掛けやすい(相談しやすい)弁護士像を体現できるよう努めています。勇気をふるって顔写真を公表しておりますので、機会があれば、お声かけ頂きましたら幸です。