会長日記

2016年4月1日

会 長 原 田 直 子(34期)

2016年度会長の原田直子です。福岡県弁護士会のHPにお出でいただき、ありがとうございます。

これから1年間、会長日記という形で、福岡県弁護士会の様子をお知らせしていきたいと思います。よろしくお付き合いください。

はじめに、熊本地震で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになられた方には哀悼の意を、またご遺族の皆様には、お悔やみを申し上げます。福岡県に避難されてこられた方もおられると思います。当会でも、できる限り支援策を検討してまいります。会員一同、皆様のご健康と1日も早い復旧をお祈りしております。

さて、例年、4月の会長の仕事は就任の挨拶回りです。今年も128件伺います。4月13日段階で95件お訪ねしました。どちら様も、忙しい時間を割いて快く迎えてくださり、10分か15分、長いところでは30分近く、和やかに懇談させていただきました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

お話しした中で印象的なのは、やはり弁護士の敷居が高いということ。「弁護士先生」に相談となると構えてしまうというお話が多くありました。今回は、日弁連が武井咲さんをイメージキャラクターにして作成したポスター(「私に笑顔をくれたのは弁護士さんでした」の標語入り)と共に、福岡県弁護士会の無料相談メニューを並べたポスターをお持ちしたところ大変喜んでいただきました。福岡県弁護士会は、これまで、市民の皆様に親しんでいただけるよう努力してきたつもりですが、まだまだ、気軽にご相談とはいかないようです。今後とも一層努力を重ねていきたいと思います。

お近くの相談センター、無料相談メニュー、身近な問題のQ&Aなど、HPの中に紹介しております。Web予約も始めておりますので、是非お声をおかけください。

また、私が当会初めての女性会長ということもあり、男女共同参画についても話題になりました。日弁連全体では、高裁所在地の単位会が10ありますが、女性の会長が出ているのは、今年の福岡を含め6単位会です。自治体では、審議会の中に占める女性の割合を高めるよう努力していること、民間も含め、管理職の女性割合を高めることに苦労されているお話がありました。

働く女性は年々増え、勤続年数も長くなりつつありますが、まだ半分以上が年収300万以下で働いています。管理職になるには、ある程度の勤続年数と、業務経験が必要とされており、20代後半から30代(最近は40代)まで結婚や育児でキャリアを中断することが多い女性にとっては、管理職は高いハードルになっているようです。ちなみに、95人お会いした中で、女性センターの館長を除くと、女性のトップは3人でした。

当会では、1歳までの子どもをもち、働く時間が短い会員の会費免除制度を設けていますが、それのみならず、会の仕事や研修の時間を工夫して、家庭責任を負う会員が弁護士会の活動に参加しやすくする努力をしています。会員同士のカップルも増えていますが、お互いに時間の調整をしあって、家庭責任を果たしている「イクメン」も増えているようです。

さらには、男女にとらわれず、誰もが安心して自分らしく過ごせる社会が求められています。当会では、昨年LGBTといわれる性的マイノリティの方々の人権を考える小委員会を発足させました。まだまだ内部での勉強段階ですが、皆様のご意見を伺いながら、活動を発展させていきたいと考えています。

最後に、会員の対応に問題があると思われる場合は、是非、弁護士会にお知らせくださいとのお願いもして参りました。弁護士会は、弁護士の強制加入制をとる自治団体です(弁護士会に登録しなければ弁護士ではなく、どこからも監督を受けない自治権をもつ団体です)。であればこそ、外部からの批判を率直に受け止め、自らを正していかなければなりません。市民の皆様におかれましても、お気づきの点がありましたら、遠慮なくお知らせいただきますようお願いいたします。