福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2013年12月12日

特定秘密保護法成立に抗議し同法の廃止を求める会長声明

声明


2013年(平成25年)12月6日、特定秘密保護法が衆議院、参議院ともに強行採決という形で成立した。
 同法に関し、当会は、従前から(本年10月11日付、同12月3日付の会長声明)、特定秘密の対象範囲が広範かつ不明確であること、指定権者による恣意的運用のおそれがあること、国政調査権やマスコミの取材活動を制限し萎縮させるものであること、広く一般国民まで処罰される可能性があること等々のこの法律が内包する多くの問題点から、国民の知る権利を侵害し、国民主権原理に反するものであるとして、その成立に反対してきた。
同法の成立過程は、政府が唐突に法案提出を表明したことに始まり、募集期間僅か2週間のパブリックコメント、形ばかりの公聴会、国民に不透明な与野党間での修正協議、臨時国会の限られた会期での不十分な国会審議と不整合な政府答弁など、およそ適正な手続きや十分な説明と意見交換という民主主義的プロセスを踏まないものであった。これにより、今後の我が国の国民主権や民主主義などの憲法秩序の維持に関し重大なる危機感を持たざるを得ない。
 当会としては、同法が存続する限り、その廃止を求め、その実現に向けての活動を継続していくとともに、その過程においても国民生活全般の萎縮をもたらさないよう同法の濫用を厳しく監視し、同法による人権侵害が甚だしい場面である同法違反の刑事事件について基本的人権の擁護と社会正義の実現という弁護士の使命にかけて全力で取り組むことを声明するものである。

  2013年(平成25年)12月12日
                        福岡県弁護士会
                          会長  橋 本 千 尋

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