福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2009年12月11日

福岡拘置所小倉拘置支所現地建替えを求める要望書

意見

                     2009年(平成21年)12月10日

内閣総理大臣  鳩山由紀夫 殿
法務大臣    千葉景子 殿
法務省矯正局長 尾﨑道明 殿

                        福岡県弁護士会
                         会 長  池 永  満
                        福岡県弁護士会北九州部会
                         部会長  服 部 弘 昭


福岡拘置所小倉拘置支所現地建替えを求める要望書


第1 要望の趣旨
   福岡拘置所小倉拘置支所(以下,「小倉拘置支所」という。)を現地にて建替えすべく,早急に予算措置を講じることを要望します。

第2 要望の理由
 1 福岡拘置所小倉支所は1960年(昭和35年)に築造された建物で,既に築後50年近く経過して老朽化が著しく,建物の各所に塀の倒壊や外壁の落下の危険がある状況です。
また,耐震基準を満たしているのか否か懸念されるところでもあります。
そのため収容者や拘置所職員,および面会に来る市民の生命・身体の安全を守るためには,この建替えは緊急の課題です。
 2 また平成21年6月に,北九州矯正センター構想(以下,「矯正センター構想」という。)に基づく小倉拘置支所の移転が中止となったことを受け,小倉拘置支所の現地での建替えの必要性は,益々高まっております。
   さらに,平成21年5月より始まった裁判員裁判においては,短期間の集中審理方式による迅速な刑事裁判が求められ,これまで以上に弁護人が被疑者・被告人と頻繁に接見を重ね,充分な打合せをする必要があり,裁判所の隣の現地にて建替えることは,被告人の防御権保障の観点からも,非常に重要であります。
 3 当会は,かねてより矯正センター構想に反対し,小倉拘置支所を現地にて立替えるよう2008年(平成20年)7月にも要望書を提出していますが,矯正センター構想に基づく小倉拘置支所の移転が中止になった今,再度,小倉拘置支所の現地建替えと,建替えのための早期の具体的な予算措置をとられることを要望申し上げる次第です。
 4 なお,貴省は福岡県内において,既に福岡拘置所久留米拘置支所を,検察庁との合同庁舎として現地建替えを完了しておられますが,小倉拘置支所においても,同様な方法で現地建替えを実現することは充分可能であると思料します。
   そして,「えん罪の温床」等と,海外からの批判も強い代用監獄を廃止する必要性は,益々高まっておりますが,代用監獄を廃止しても,被拘禁者を収容するに十分な規模の拘置所を現地にて建替えることを希望します。
 5 以上,当会としては改めて福岡拘置所小倉支所を早急に現地で建替えするよう,早急に予算措置を講じることを要望する次第です。

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