福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2005年7月11日

「日本司法支援センターについて」

副会長日記

副会長 古 賀 和 孝

 昨年度、当会に日本司法支援センター対策本部が設置され、本年度は私が担当しております。そこで、今回はこのセンター業務に関する当会の取り組み状況についてお知らせいたします。
 司法支援センターは総合法律支援法に根拠を有し、来年四月に独立行政法人として設立され一〇月から業務開始となります。司法支援センターの業務は、司法的解決のための情報提供、扶助相談・援助などの扶助事業、国選弁護、犯罪被害者救済のための情報提供、司法過疎地域対策となっています(法第三〇条)。実際には、司法支援センターの地方事務所を中心に業務が実施されます。この地方事務所の設置については、地域の実情などを考慮し設置するものとされておりますところ、当会では福岡部会と北九州部会に地方事務所を、筑後部会、筑豊部会に支所をおくことを法務省、日弁連に申し入れています。地方事務所、支所は地域での中心的な活動をおこなう拠点となることから、今後もねばり強く働きかけを続けていく方針です。\n 対策本部では、地方事務所、支所を具体的にどのように作り上げていくのかが最大の問題であることから、今年度、対策本部を地方事務所の設置等のあり方に関する部会、刑事弁護活動に関する部会、少年付添人活動に関する部会、民事扶助に関する部会、犯罪被害者救済など自主事業に関する部会に分け、予算獲得のための具体的な申\し入れをすべく諸費用の算出を当面の課題と位置づけ協議を進めております。日本司法支援センターが法務省の所管であることから予算の措置は法務省から財務省への予\算要求という経路を辿ります。法務省から財務省への概算要求が八月におこなわれますので、法務省が予算の作成に入る六月をめどに当会より法務省に対し、福岡県で司法支援センターを立ち上げ運営を開始するには、一体いくらの費用がかかるのかの具体的な要求をすることにしております。\n 現在、当会本部委員の英知を結集して、詳細な予算要求書を作成しているところです。\n 具体的な作業を照会しますと、まず、地方事務所、支所の設置、扶助事業については、地域の実情を考慮し、業務をおこなう場所の選定、取得費用(賃貸を含む)、職員の人数、相談ブースなど内装費用、それに最も関心が集まる弁護士報酬といった費用の積算を行う作業に入っています。各部会の関係委員、法律扶助協会で活躍されている委員の全面的な協力を得て作業をおこなっているところです。
 国選弁護活動については、業務開始後、予想される国選弁護士の必要数の検討や、国選弁護報酬についての要望、国選弁護事件の運営と弁護活動の独立など実務的、理念的な問題の検討をしております。平成二一年までに実現する必要的被疑者国選弁護制度を見越し、当番弁護士活動との連携や、被疑者国選弁護制度の対象とならない被疑者弁護をいかにするかなど困難な問題が山積しております。\n会員の協力なくしてこの制度の運営は難しく、担当委員が腐心されているところです。
 少年付添事件については、重要案件につき国選付添人制度が本来業務として実現される見込みです。この問題については、扶助事業との関連で司法支援センターに移管されない空白部分が自主事業として残ります。全件付添という当会の画期的取り組みをどのようにして維持発展させるか、子どもの権利委員会の委員に検討してもらっています。
 犯罪被害者救済については、本来業務が情報の提供にとどまることから、救済のための弁護活動を如何に運営していくのか、扶助事業の一環として本来業務とすることはできないのかなど、難しい論点の検討をしていただいております。
 執行部では、今後順次、日本支援センターに関する情報提供をおこなっていく予定です。

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