福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2007年12月21日

福岡県弁護士会会長日記

会長日記

                   会 長  福 島 康 夫(30期)

国選付添人シンポジウム (9月15日・11月1日)
9月15日に日弁連人権擁護大会プレシンポジウムが天神ビルで多数の市民の参加を得て開催された。テーマは「すべての非行少年に弁護士付添人を!非行少年の実態をふまえて〜国選付添人の全面的実現をめざして〜」。当日は現役の中学校の先生、児童相談所の所長、家裁の現役調査官といった多士済々の皆さんがパネリストとなっていただき新鮮な話を聞かせていただいた。
本年11月1日から死刑、無期、短期2年以上の懲役・禁錮にあたる事件等一部の重罪事件についてであるが、少年国選付添人制度が実施されることになった。
大人には国選弁護人制度があるが、子どもの場合には無資力だから国費で弁護士を付けてくれと請求できる制度が作られていなかった。しかし、大人に弁護人がついて、子どもが放置されてよいはずがない。
今回の対象事件は極めて限定的であり、福岡県でせいぜい40乃至50件ということである。しかし、何はともあれ6年余りで国選付添人制度が実施されることになったという点で、先ずは全国で初めて実施した会として喜びたい。
そして、これまでガムシャラにやってきた子どもの権利委員会の活動と委員各位の精力的な活動に最大限の敬意を表する。
今年11月1日・2日の浜松での人権シンポジウムでは当番付添人制度の全国実施と全面的な国選付添人制度の実現に向けてをテーマにしたシンポジウムが開催される。
当会は2001(平成13)年2月、全国で初めて少年に対する当番付添人制度を実施し、少年鑑別所に収容された少年事件の全件について付添人になる全件付添人制度を創設した。日弁連のシンポジウムとして全国規模で福岡の全件付添人制度が大きく飛躍しようとしている。今、スタートラインに立つことができた。当番付添人制度を実施している単位会は32会とのことである。全国展開までもうすぐである。
当会の全件付添人制度は来年高校の現代社会の教科書に掲載されることになっている。


自主事業の法テラス委託 (10月1日)
10月1日から被疑者弁護人援助制度等9つの事業が法テラスに委託されることになった。
基本的に3月まで福岡で行ってきた方式が継続されることになるので、大きな問題はないと思うが、混乱のないことを期待したい。
被疑者弁護人援助制度、少年付添人援助制度、精神保健当番制度等事件は件数の面でも福岡が全国を引張っていることが明確に見える。例えば、被疑者弁護人援助制度は全国8000件中1000件が福岡、少年付添人制度は全国3600件中800件が福岡である。
今後皆さんの協力のもとこれらの事業が更に発展することを祈っている。


法テラスとの契約
法テラスとの間の国選弁護の契約、民事扶助の契約率が相変わらず低迷している。
特に、福岡部会の国選弁護の契約率が50%を切っており、現状は憂慮すべき状況である。そのため会員一人当たりの国選弁護の受任が早く回ってきて大変だとの声を聞く。契約者が少なければ多く担当しなければならなくなり、負担感が増す。
国選弁護も、民事の扶助事件も弁護士としての義務であるという考えが当会の伝統だった。2009(平成21)年の被疑者国選弁護事件が10倍に拡大するが、これをやりとげるためには契約が増大しなければならない。執行部として後半の最大の課題の一つである。会員の協力なしでは成り立たない制度である。ご協力を是非ともお願いしたい。


日弁連副会長選挙の規定 (9月28日)
次年度の日弁連副会長選挙が9月28日に実施された。立候補者として会員の皆さんに対してお礼と共に、この選挙でお騒がせをしたことに陳謝したい。
私自身は選挙期間中のわずかな時間ではあったが、会員の皆さんと話す機会を得て本当に参考になった。今後の糧とすることをお約束したい。
この最も忙しい時期に?とか、選挙制度についてもう少し工夫というものはなかったかとか、様々な意見を聞いた。実際に選挙をして選挙の規定についての疑問もあるし、実際の運用についても問題が明らかになった。皆さんの意見を聞いて選挙制度、選挙規定の抜本的見直しを含めて検討する必要がある。年度内に何とかメドを立てたい。


秋からの日程
私の秋からの日程は1ヵ月余りで6ヵ所、目まぐるしい出張であるが、反面楽しみでもある。
10月4日乃至6日
札幌(業革シンポ・中規模サミット)
10月23・24日 東京(日弁連理事会)
10月25乃至27日 宮崎(九弁連大会)
11月2・3日 浜松(人権大会)
11月7乃至9日 徳島(四国弁連大会)
11月17日
大阪(大阪、広島弁護士会との三会交流)
ここまで書いたら忘年会の日程が手帳に見えてきた。今年は福岡部会は12月5日に稚加栄に決まった。100名以上収容の料亭は余りない。茶話会幹事がようやく捜した料亭である(灯台もと暗し!)。各部会の忘年会も盛大に行われることを期待したい。なにしろ「顔の見える弁護士会」のための最大の大事な行事である。各部会の幹事さん大変だけどよろしくお願いしたい。


後半もよろしく
ようやく暑い暑い夏が終わり、秋になった。私達執行部の任期も残すところ半年になった。後半も精一杯頑張る所存である。
会員の皆さんの弁護士会への結集をお願いしたい。
残り半年のご協力をよろしくお願いしたい。

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