福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

月報記事

2024年4月 1日

法律相談センターだより ―「PAO~N 40周年大感謝祭」への出展―

法律相談センター運営委員会 委員 後潟 伸吾(69期)

1 PAO〜N 40周年大感謝祭

本年2月25日(日)、エルガーラホール8階大ホール(福岡市中央区天神1‒4‒2)にて開催された「PAO〜N 40周年大感謝祭」に福岡県弁護士会として出展しました。皆様ご存知のとおり、PAO〜Nは、毎週月~金に放送されているKBCラジオのラジオ番組で、メインパーソナリティーである沢田幸二さんの他、各曜日毎のパーソナリティとして、松村邦洋さん、矢野ぺぺさん、KBCアナウンサーの居内陽平さん、和田侑也さん等が出演されています。また、同番組の金曜日の「まずは、弁護士に聞いてみよう」というコーナーでは、福岡県弁護士会の会員も出演し、同番組のリスナーから寄せられたお悩みを弁護士の立場から解説しているということもあり、当会とも大変縁がある番組です。

そのような、PAO〜Nが40周年の大感謝祭を開催するとのことで、福岡県弁護士会として協賛のうえ、福岡県弁護士会ブースを設置し、日弁連及び福岡県弁護士会の広報活動並びにプチ法律相談会等を実施しました。

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2 当日の様子

(1) 広報活動

今回のイベントは、10時30分頃に開場しましたが、大人気のラジオ番組のイベントということもあり、大盛況で、入場待ちのお客さんが、エルガーラホールから中央警察署まで並び、お昼12時頃には会場への入場制限がされるほどでした。

今回のイベントでは、日弁連及び福岡県弁護士会の広報活動のために、①日弁連のトートバック(トートバッグの中には、福岡県弁護士会等のチラシ一式、福岡県弁護士会のティッシュ、日弁連のひまわり相談ネットの消毒ジェルを入れました)、②各弁護士会のイメージキャラクターの塗り絵及び風船等を用意しました。昨年の三井ショッピングパークららぽーと福岡での無料法律相談会同様、①のトートバッグは大変人気であり、かつ、上記のとおり来場者も多かったことから、準備していたトートバッグ240個は開場1時間も経たずに全て配布が完了しました。他方で、ラジオ番組のイベントということもあり、子供の来場者が少なかったことから、塗り絵や風船については渡す機会は少なかったです。

また、お昼頃には、北古賀康博会員及び池田耕一郎会員が、ステージに上がり、PAO〜Nのパーソナリティの方との掛け合いを通じて、福岡県弁護士会を同イベントの来場者にアピールいただきました。

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(2) プチ法律相談会・アンケート

今回のイベントにおいても、ブース内に法律相談ができるスペースを用意しました。しかし、今回のイベントは、多くの時間において、PAO〜Nのパーソナリティの方々がステージで様々な企画を行っており、来場者は当該企画に熱中していたということもあり、法律相談をされる方は少なかったものの、相続、労働関係、消費者問題、離婚・DV、登記等の法律相談がありました。

また、今回のイベントでも来場者向けのアンケートを用意しました。アンケートの質問項目は、①法律相談の経験の有無・内容、②その際相談した相手方、③福岡県弁護士会の法律相談センター及び同センターの予約ダイヤルの認識の有無並びに④福岡県弁護士会の広報活動の認識の有無等で、20名を超える来場者からアンケート回答を受領することができました。

また、アンケートに回答いただいた方には、福岡県弁護士会が福岡県在住のイラストレーターである山田全自動さんとのコラボレーションで製作した「弁護士あるある」のシールをプレゼントしました。

3 おわりに

今回、多数の来場者が来るイベントにて日弁連及び福岡県弁護士会の広報活動や法律相談会を実施しました。広報活動については、トートバッグや上記「弁護士あるある」のシール等、大変充実した広報グッズのお陰もあり、日弁連及び福岡県弁護士会について更に様々な方に知ってもらうことができたと思います。また、法律相談会についても、法律相談を実施し、相談者の悩みを解決・解消できた点も良かったと思います。

最後になりますが、今回のイベントを担当した法律相談センター運営委員会の先生方、差入・激励に来ていただいた先生方、弁護士会・天神弁護士センターの職員の皆様のご協力のおかげで無事今回のイベントも実行できたと思います。この場を借りてお礼申し上げます。

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セルフネグレクト〜支援を拒否する人への支援を考える〜

会員 松尾 朋(64期)

高齢者障害者委員会の松尾朋です。

みなさん、弁護士として仕事をする上で困ることは何でしょうか。

難しい争点の事件であったり、相手方の対応が大変な事件であったり、難しい事態であるからこそ弁護士への委任が必要なことがほとんどでしょう。そのような中で、弁護士がいかんともし難い事態として、本人の意思がわからない場面ということがあると思います。

さて、まずは法律と関係のない簡単な設問から考えてみましょう(なお、この例は、厚生労働省のホームページhttps://guardianship.mhlw.go.jp/guardian/awareness/#awareness_03に掲載されているものです)。

知的障害を持ち、グループホームに入所しているAさんが、突然「犬が飼いたい」と言い始めました。当該グループホームでは、管理・衛生上の問題から、犬を飼うことはできません。このような要望を聞いたあなたはどのように回答をしますか。次の3択から考えてみてください。

① グループホームでは犬が飼えないことを説明し、説得する。
② グループホームにお願いして、犬を飼えるようにしてもらう。
③ 「犬を飼いたい」というAさんの真意を探り出す。

厚生労働省のホームページには、③の対応でうまくいきました。と記載されています。

③を選ぶことで、なぜうまく対応できるのでしょうか。

仮に、Aさんが、犬が好きで「犬を飼いたい」と言う場合、犬を飼いたいという希望は真意に基づくものということができます。しかし、Aさんは、本当は「自分の部屋に他の利用者が入って来るのがいやだ」と思い、「犬を飼えば番犬に役割を担ってくれるかもしれない」と考え、「犬が飼いたい」と希望したとすればどうでしょうか。

つまり、Aさんの希望は、本来的には直面している課題との間に論理的な繋がりや合理性がそれほどないものだったということができるでしょう。認知症や障害があることによって、物事をうまく決められないとか他人との間で揉めるとかの根本的な理由は、解決をした課題(すなわち発言の真意)と希望との間に齟齬や合理的なつながりがないことが原因であることが多くあるのです。

このような場合に、「犬が飼いたい」というAさんの希望を文言通りに聞き取って、①や②の対応をしたとすれば、Aさんの課題の根本的な解決ができないどころか、コミュニケーションがうまくいかず、信頼関係が壊れてしまう事態も考えられます。

さて、先ほどの設問を少し発展させ、セルフネグレクトの話題に展開しましょう。

まずは、セルフネグレクトの定義については様々ありますが、ここでは基調講演として、「個人が、自己の健康、生命および社会生活の維持に必要な個人衛生、住環境の衛生もしくは整備、または健康行動を放任、放棄すること」と仮定します。

厚生労働省は、平成27年7月10日付で「市町村や地域包括支援センターにおける高齢者の「セルフ・ネグレクト」及び消費者被害への対応について」と題する通知を発出しました。ここにおいて、「支援してほしくない」とか「困っていない」などとして、支援者の関与を拒絶するセルフネグレクト状態にある高齢者においては、個人の生命、健康に重大な危険を生じるおそれがあることひいては孤独死のリスクがあるため、できる限りの連携対応をすることが求められています。

一方で、各人には、自己決定権があります。自己のセルフネグレクト状態に対する支援者の関与や支援の拒否を選択する人は、自己決定権に基づいて支援拒否(セルフネグレクト状態の維持)を選択しているのであって、このような自己決定に対して支援者が介入するとすれば、本人の自己決定権と支援者の支援はどのような関係にあるのでしょうか。

この点については、次のように理解するのではないかと思われます。すなわち、支援者は、本人の自己決定権を当然の前提として、支援拒否という本人の意思選択をまずは受け入れなければならない。しかしながら、当該自己決定に対してできる限り関わることで、一旦なされた自己決定(または意思決定)が変更されるように促すことはできるのではないか。

セルフネグレクト状態に対する支援者による支援を拒否することを選択した理由にも様々あります。前段の設問のように、セルフネグレクトとは、本人が抱えていた何らかの課題解決を諦めた結果である可能性もあるのです。その課題が、解決可能なものであるとすれば、セルフネグレクト以外の選択も可能であるし、以降、より快適な生活を選択することも可能なのです。

とはいえ、支援者は、支援者が望む結論に導こうとしているのではないかという視点を常に持たなければなりません。支援者が行うべき行動は、本人の自己決定を支援者の思う方向に変えさせることではありません。本人の真意を汲み取り、本人が本来望んでいた方向に軌道修正するということなのです。非常に困難ではありますが、このような形で現実にたくさんの方々がセルフネグレクトの問題に関わっています。

さて、拡大協議会は、東邦大学看護学部長岸恵美子教授による基調講演からはじまりました。基調講演では、支援を拒否する人への介入について専門的な見地から極めて詳細に論ぜられました。上記の介入に関する一般論は、基調講演のほんのさわりの内容にすぎません。その後、当会によるアンケート結果の公表がなされました。拡大協議会にあたって、セルフネグレクトを取り巻く現状について我々も把握し直す必要があります。高齢者障害者委員会から、市内の各支援者向けにセルフネグレクトに関するアンケートが実施されていました。アンケートの結果により、32の事例について詳細な事例集が作成されました。その後のパネルディスカッションにおいては、様々な立場からのセルフネグレクトに対する深い議論が繰り広げられました。

拡大協議会には、セルフネグレクトの最前線で活動されている、福祉の現場で稼働されるたくさんの方が出席され、会場である福岡県弁護士会館の大ホールは満員となりました。参加者は壇上で交わされる言葉に耳を傾けており、セルフネグレクトが大きな社会的な課題であることが、会場の雰囲気からもありありと伝わるものでした。

では、セルフネグレクトに対して、弁護士は何ができるのでしょうか。主となって対応している支援者と共に、法律的な課題を取り除くべく活動することができます。また、相談としてセルフネグレクトの問題に当たった場合(近隣住民からの衛生上の相談などが考えられます)、行政と共になんらかの活動が可能な場合が多くあります。

最後に、シンポジウムの企画者であり最後にコーディネーターを務めた篠木潔会員の言葉をみなさんにお伝えしたいと思います。『今回のシンポジウムに大切な多くのことを盛り込み過ぎたので時間が足りません。でも私は、セルフネグレクトの支援体制が2年早くできるように進めたいのです。なのでこのシンポジウムをあと15分だけ延長させてください。お願いします』。すると会場からは拍手が起こりました。たくさんの問題が山積みとなっている現代社会ですが、篠木会員と同様、弁護士が困難な課題を解決する使命を果たすために、市民を巻き込みながら熱い気持ちをもって取り組まなければならないと思いました。

戦争を止めるのはわたしたちの強い意思 ―市民とともに考える憲法講座第11弾 「大軍拡予算で日本は本当に守れるのか」開催報告―

憲法委員会委員 池上 遊(63期)

当会では、憲法の本質や憲法をめぐって現に社会的に現れている問題点などについて、市民とともに理解を深めるため、当委員会の企画で2018年より10回にわたり「市民とともに考える憲法講座」を開催してきました。

今回は、弁護士業務の傍ら、日本の安全保障について長年研究され、数多くの講演の経験がある広島弁護士会所属・日弁連憲法問題対策本部副本部長の井上正信氏をお招きし、「大軍拡予算で日本は本当に守れるのか」と題してご講演いただきました。会場63名、オンライン20名の方が参加しました。

1 講演の概要

「大軍拡予算」、具体的には、2022年度から毎年度約1兆円ずつ防衛予算が増額され、政府が目指す2023年度から「5年間で計43兆円」を達成しようとすると、2027年度には補正予算を含め11兆円にまで増えるということです。米国の軍事予算110兆円、中国の30兆円に次ぐ第三位を目指しています。

この予算を背景に「三つの変貌」があるとのことでした。

まず、①自衛隊の変貌です。防衛予算の約半分が、スタンド・オフと呼ばれる射程1000㎞とか3000㎞の相手国の脅威圏外からの攻撃を目的とする長射程ミサイルの取得・開発と装備品の維持管理費、自衛隊基地の強靱化等の費用ということでした。自衛隊が「装備品の共食い状態」、つまり、部品不足で運用できない戦闘機に他の戦闘機から部品取りして運用しているという話には驚きました。

次に、②日米同盟の変貌とは、日米の軍事一体化の強化です。「統合防空ミサイル防衛」(IAMD、アイアムド、1兆2284億円)として、情報共有、反撃の分担等について協力を行う、ということが進むようです。また、常設統合司令部が創設され、司令部レベルで一体化するとともに、その司令官のカウンターパートは在日米軍ではなく、米太平洋軍になるということでした。

とりわけ生々しい報告として、戦傷医療の強化策である輸血用血液製剤の確保・備蓄に予算が割かれたこととともに、自衛隊が米軍との輸血用血液の相互利用を検討しているという新聞報道も紹介されました。

最後に、③国の姿の変貌、わが国が軍事国家として専守防衛を否定する国となったということです。世界第3位の軍事大国を目指し、スタンド・オフミサイルに象徴される反撃能力により他国への直接的攻撃を認め、専守防衛が否定されたこと、攻撃的兵器の輸出解禁、「政府安全保障能力強化支援」(ODAの軍事版)としてASEAN諸国等への軍事支援を進めるなど、「死の商人国家」へ、歩を進めていると指摘されました。

2 井上弁護士の講演を聴いて

「戦争は最大の人権侵害」というのは日弁連のコンセンサスです。一昨年のロシアによるウクライナ侵攻、昨年のイスラエルによるパレスチナ・ガザ攻撃など他国での戦争が止みません。実際には、基本的人権の制限、増税、社会保障費の削減など、戦争準備段階から国民の被害は始まります。

わたしたちはどうすべきか、井上弁護士からは、一昨年の「安保三文書」から始まる実態を周囲に知らせることや、日常生活に入り込んでいる「戦争の種」に惑わされないために北朝鮮や中国の脅威を喧伝する報道にも注意し、わが国が米国と一体となって周辺諸国に与えている脅威にも目を向けることを助言いただきました。

講演の最後の言葉が印象的でした。「戦争を防ぐことができるのは、国民の強い意思に支えられた外交だけ」。具体的に強調されたのは2点。台湾有事を引き起こさせないための対中(台湾を含む)外交と対米外交の重要性でした。

「抑止力」という言葉に思考停止に陥ってはならない、中国は核兵器保有国であることを忘れてはならない、という言葉は被爆地・広島の弁護士の言葉として重く受け止めました。対中外交は官民ともに重要な課題と感じました。

対米外交について、台湾防衛のための米国の軍事政策には日本側の全面協力が不可欠となることを利用すべきだ(日米安全保障条約第6条に規定される日米の事前協議)と指摘されていました。

わたしたち弁護士はどうするのか、戦争につながるあらゆる人権侵害に抵抗し、一般市民の平和への願いに実務法曹として連帯すること、「強い意思」を育てていくこと、が重要ではないかと考えさせられる貴重なご講演でした。

これからも市民とともに考える憲法講座を継続していきます。ぜひ会員のみなさまにも今後ともご参加いただければ幸いです。

3 次回予告!!

市民とともに考える憲法講座第12弾「戦禍のガザ地区に平和を!―日本の私たちは何ができるのか?―」

講師:酒井啓子教授
(国際政治学者、千葉大学、専門は現代中東政治)

日時:2024年4月18日(木)18時~20時

会場:福岡県弁護士会館2階大ホール
+オンライン(Zoom・要申込み)
※ 参加無料

5周年記念イベント 「六本松で弁護士を体験してみよう!」 開催のご報告

広報室長 弁護士 千綿 俊一郎(53期)

2024年(令和6年)2月10日の土曜日に、福岡県弁護士会館5周年記念イベント「六本松で弁護士を体験してみよう!」を開催しました。

イベントでは、駐車場にカフェスペースを設けて、広く市民の方に足を運んでいただいて、謎解きイベント「とある弁護士の一日~謎だらけの法律事務所~」のほか、「映画『Winny』上映会とトークセッション」を開催しました。

参加者は、謎解きイベントについては、事前予約の215名に加え、当日飛び込みでさらに約100名、映画上映会については、事前予約の176名に加え、同日飛び込みでさらに約50人でしたので、合計500名を超える一般市民の方に、ご来場いただきました。

今回は、作成したチラシを、六本松近辺の小学校、中学校、高校に配布していたこともあり、お子さんやご家族連れに多くご参加いただきました。

対外広報委員会や刑事弁護等委員会の多くの会員の皆さんにも、ご尽力いただいて、大変盛会に終わることができましたので、改めて、お礼申し上げます。

謎解きイベントについては対外広報委員会の南川克博委員長から、映画上映会については刑事弁護等委員会の田中広樹委員から、それぞれ詳細をご報告いただきますので、そちらをご参照ください。

謎解きも大盛況! ジャフバも駆けつけてくれました カフェも設営しました キッチンカーが御目見得

2024年3月31日

あさかぜ基金だより

弁護士法人あさかぜ基金法律事務所 社員弁護士 藤田 大輝(74期)

新生あさかぜ基金法律事務所

弁護士法人あさかぜ基金法律事務所が創立されて16年目の今年、渡辺通5丁目から舞鶴3丁目に移転しました。新生あさかぜ基金法律事務所をご紹介するとともに、事務所移転という貴重な経験について報告させていただきます。

さらば天神弁護士センター

あさかぜは、福岡市営地下鉄七隈線天神南駅にほど近い南天神ビル(渡辺通5丁目)の2階に事務所がありました。当会所属の弁護士であれば周知のとおり、南天神ビルの2階には、あさかぜとともに天神弁護士センターがありました。
天神弁護士センター移転にともない、あさかぜも事務所を移転することになったわけですが、同じビルに移転したのではありません。天神弁護士センターは天神法律相談センターに名前を変えて天神重松ビル(天神3丁目)に、あさかぜは福岡DKビル(舞鶴3丁目)に分かれて移転することになりました。これまで長く同じビルの同じフロアにあったセンターと別れることは、なんとなく「戦友」と離れ離れになるような気分です(とはいえ、今後も天神法律相談センターにはお世話になるのですが...)。
ちなみに、あさかぜの事務所は移転しましたが、電話番号・FAX番号に変更はありませんので、今後もお気軽にご連絡ください。

旧事務所からの什器類撤去の様子
HOW TO 事務所移転

大変ありがたいことに、私は、弁護士登録2年目にして事務所移転を経験することができました。とはいえ、基本的な業者との連絡・調整は、福岡県弁護士会の担当副会長やあさかぜ基金法律事務所運営委員会の委員に担当してもらいました。大変お世話になりました。 私はというと、移転準備として移転先ビルの内見、移転先事務所のレイアウト会議への出席や、事務所内BGM配信事業者等との契約関係調整をおこないました。事務所内の書籍・事件記録の箱詰めもかなりの重労働でしたが、所員一丸となって対応しました。とりわけ、熱心に作業してくれた事務員さんには心から感謝しています。
本年2月2日(金)の業務終了後から事務所移転の引越し作業がはじまり、5日(月)から新事務所での業務を開始しました。
新事務所での業務初日、事務所内に積まれた無数の段ボールにいささかの絶望感を味わいつつ、所員一丸となって開封作業を進めました。いまだに開封できていない段ボールが一部あることは内緒です。
あさかぜは弁護士法人ですから、移転後は直ちに事務所移転の法人登記変更申請をおこないました。この原稿が掲載されるころには、法人登記変更も完了し、弁護士会への届け出も終了しているはずです。係属事件関係での裁判所への事務所移転報告も完了していることでしょう。
あわせて、あさかぜのホームページの変更作業もすすめました。ホームページの全ページを確認し、旧事務所の住所が記載されている箇所を1つずつ新事務所の住所に変更していきました。これが意外と大変な作業なのです。複雑なホームページではありませんから、やり方が分かってしまえば何ということは無いのですが、慣れない作業は時間がかかるものですね。とくに、「アクセス」ページのアクセスマップの変更(グーグルマップの引用)や、新事務所内写真の掲載(旧事務所内写真との差替え)については、初めての作業でしたので勉強になりました。いいタイミングですから、「弁護士紹介」ページに、こっそり自分の写真だけ掲載してみようかなと画策しています(これまで弁護士の写真は掲載されていませんでした)。私の写真が事務所ホームページに掲載されていれば、郷里山口の祖母は喜んでくれそうです。

廃棄備品のみが残された旧事務所
健康の秘訣は事務所移転!?

事務所が移転したことで、私の生活にも変化がありました。私は、旧事務所に比較的近い場所に自宅を借りていましたので、事務所が移転したことで通勤距離が長くなりました。はじめは残念に思った私ですが、そこは発想の転換です。自宅を出発する時間を20分早くし、自宅から新事務所までの約2.2Kmを徒歩で通勤することにしました。靴箱の奥に眠っていたスニーカーを掘り起こし、準備は万端です。これで、毎日往復1時間は歩くことになりますから、いくらお酒を飲んでも健康が維持されること間違いありません。今から舞鶴・赤坂周辺の飲食店開拓が楽しみです。

新事務所 周辺の簡易マップ
毎度恒例の近況報告

ことあるごとに月報でプライベートの報告をしている私です。今回も少しだけ、近況報告をさせてください。
昨年の月報9月号(No.620)でご報告した私の愛娘は、本年2月3日(奇しくも事務所移転と同時期)に1歳の誕生日を迎えました。9月号では、これから「ずりばい」をするかどうかだと報告しましたが、今や「ずりばい」どころの騒ぎではありません。まだ二足歩行はできないものの、高速ハイハイや掴まり立ちを披露して、両親を困らせています。私の洋酒コレクションは、いつしか戸棚の奥の方に押しやられ、数も減って絶滅が危惧されています。
遊びの楽しさも覚え、ご飯を食べさせるのも一苦労ですが、我が娘の順調な成長に喜びを感じています。事務所移転の唯一の懸念点は、娘との朝の戯れ時間が減ってしまうことです。

これからもよろしくお願いします

最後に、改めてあさかぜの新しい住所を報告します。今後とも、司法過疎地支援活動にご理解いただくとともに、あさかぜをどうぞよろしくお願いいたします。あさかぜ所員一同、今後も研鑽に励むとともに、精一杯業務に取り組んでまいります。

新事務所と移転祝いの花たち

2024年2月29日

令和5年12月8日九弁連共催「医療観察付添人実務研修」のご報告

医療観察法対策委員会 委員 吉武 みゆき(59期)

医療観察法対象事件は家族間の事件が多く、精神疾患を持つ患者と家族との関係性について知っておくことは事件を検討する基礎となります。そこで、本年度は精神疾患を持つ患者と家族との問題等をテーマに研修が行われました。

第1 研修前半は、「精神障がいのある方から家族に向かう暴力」というテーマで大阪大学高等共創研究院の蔭山正子教授からご講義頂きました。

1 ご経歴等

教授は、保健師として保健所に勤務した際に、精神障がい者の受診援助や通報対応など危機介入を経験され、主な研究テーマは精神障がい者の家族支援・育児支援、保健師の支援技術で、当事者のピア活動にも関心をお持ちです。家族会でのアンケート調査や、家族会・当事者へのインタビュー調査をもとに、精神障がい者から家族への暴力に関する研究をされています。
今回の講義は、教授の研究チームが協力団体の協力を得て作成した、「精神障がい当事者と家族の相互理解学習プログラム」(通称「そうかいプログラム」) のスライドや当事者・家族の体験談の動画を交えて、ご講義頂きました。以下が講義の概要です。

2 精神障がいのある方から家族に向かう暴力の特徴

最初に、健常者の高齢の父が精神障がいのある中高年の娘を殺害した事件の紹介がありました。娘は引きこもり状態で、両親への日常的暴力が20年続いていました。父親はあらゆる相談機関に支援を求めましたが、保健所からは本人が拒否するなら訪問できないといわれ、警察からは事件が起きないと対応でいないといわれ、病院からは連れてきて下さいと言われるものの、娘は受診を拒否しており、入院中心の支援体制の中で支援が家庭に入らず、入退院を11回繰り返していました。避難のための親の車中泊が200日を超えていたそうです。殺害にまで至るケースは稀であるとしても、このような事例は特別なものと考えるべきではなく、手前くらいの事例(例えば家を飛び出したり他人に迷惑を掛けたりするかもしれないことを心配して監禁するような事例)は、今でもちょこちょこみかけるそうです。
問題が起きる家族は孤立家族が多いとのことですが、日本は長年の入院中心の精神医療をしており、人もお金も地域に下りてこず、訪問診療等訪問によるサービスが不足していることや、偏見が強く家族が中々問題を人に言えないという背景があるからです。
埼玉県の家族会で実施された302人の統合失調症の方に関するアンケートでは家族に対する身体的暴力があった事例が6割にものぼり、知り合いや見ず知らずの人への事例はごくわずかでした。医療観察法通院処遇ケース1190件のうち被害者が家族や親族の事例が51.7%で、事件後も同居者の半数が加害者家族と同居を継続しているそうです。

では、日本では家族への暴力が多いのかという点については、物への間接的暴力も含めた身体的暴力がこれまで一度でもあるかどうかの統計(比較年時は若干異なる)で比較すると、米国47%(2015)、カナダ52.4%(2010)に対して、埼玉では75.8%だったそうです。同居率の高さが発生率を高めていると推測されるとのことでした。
なお、犯罪白書等によれば、傷害・暴行事件(0.037%/0.19%=一般/精神障がい)、犯罪全体(1.73%/0.08%(警察官通報のみも付加0.53%)=同上)の件数から見て、精神障がいがあるから暴行・障がいや犯罪が多いとはいえないそうです。
一般に暴力は、生物学的要因(遺伝子、脳の機能)と社会的要因(環境)の相互作用によって起きるとされています。その上で、精神障がい者の暴力には、男女差がないことと、病状(の悪化)と関係する点が特徴だそうです。
埼玉での調査ではむしろ女性の方が暴力が多かったそうです。男性の場合は家族が受診せざるをえないような外傷を負って家族もやむをえず行動を起こしやすいのに対して、女性の場合は軽度の暴力が多く、なんとかしなければとまではならず長期化が推測されるからではないかとのことでした。
日本の精神障がいの人の場合には、事件になるような暴力が少ないとのことでした。

医療観察付添人実務研修
3 子どもから暴力を受けた親の心理と対処

暴力を受けた親は、疲弊・抑うつ、ひいてはPTSDになり、腫れ物に触るような対応になったり、観察したり、びくびくとおびえるような精神的に不健康状態になり、冷静な対応が難しく、それがさらに精神障がいの子の興奮や怒り、暴力を誘発する悪循環につながります。
暴力出現を契機に治療につながって暴力から解放されるのではないかと予測しますが、実際には服薬していても暴力が消失しない事例は結構あるそうです。 統合失調症の子をもつ親26名のインタビュー調査では、適切な支援が得られずに家族は10年も20年も暴力のある生活に我慢し続け、それでも暴力は収束せず、結局家庭が崩壊(例えば、父は逃げて家に帰らず、母はうつ病になり、 きょうだいは引きこもりになる等)状態に至り、このままでは事件が起きるかもしれないという段階にまでなって初めて、なんとかしなければということでやっと警察にお世話になる等して暴力から解放される状況が浮かびあがりました。万が一事件が起きてしまえば、医療観察対象事件であれば、家族は、暴力被害者であり加害者家族として苦しみ、報道で知られて地域にすみづらくなったりして本当につらい状況になるそうです。
このように長く暴力を親が抱え込んでしまうのは、愛情(子を犯罪者にしたくない)からだけではありません。恐怖(止めたいけど、注意すると一層激しい暴力が来る)、恥(暴力は恥であり人に言いたくない、家族会においてさえ実際よりかなり軽く表現し「昨日やられちゃってね。」などと述べていかにも平気を装う。)、罪や責任(自分の子育てが悪かった、自分さえ我慢すればいい、近所に迷惑をかけてはいけないから家の中で治め外に持ち出さない。)の意識がからまっており、警察を呼ぶ決心するだけでも何年もかかったりすることもあるそうです。

4 精神障がいのある当事者が暴力をふるう背景や心理

(1)統合失調症の症状には、陽性症状(幻覚妄想、誰かに支配されている等)、陰性症状(やる気が出ない、感情が感じられない、人と関わりたくない、会話が少ない)の他に、約半数の方には認知機能障害が見られます。具体的には、覚えられない、考えがまとまらない、思ったように話せないなどという症状の他に、重要なのが認知の歪み(極端に他人のせいにする、他人が自分と違う信念を持つことを理解できない、少ない情報で確信を持つ)です。なお、特に医療観察事件では併存する知的障害や発達障害の影響も見られます。
幻覚妄想が活発な状態での暴力は全体の10%以下という報告があるそうです。服薬をしていても幻聴に苦しむ当事者もいます。
認知の歪みがひどくなり、親子関係が悪化します。調子が悪ければ悪いほど周囲が悪いと思ってしまい、暴力に至る場合があります。
今ピアスタッフとして働いている方について、例えば同じ服を何日も着てそろそろ洗濯したらと注意されただけでそんなことまで監督するのかと被害的に受け止めてしまい、次第に歪みを自覚して被害的受け止めであることはわかりはじめてもそれを止められず、また、どう対応したらよいかわかっているのにそのとおりできないという二重の辛さで、引きこもり中に爆発して物を壊したりしていたそうです。

(2)この点、制度側の問題として、日本では地域での訪問、危機介入サービスが不足しているため入院中心の精神医療となり、その際には警察介入及び強制入院や隔離拘束が行われて、それが当事者の心の傷になり、医療不信になり病院につなげた、同意したなど家族への憎しみを覚えるなど家族関係を悪化させて、再度家族への暴力に至って再び強制入院になるという悪循環が見られます。

(3)当事者は辛い思いを抱えています。人生に挫折感を抱き、他の病気と違ってわかりやすく治るわけでもなく薬の副作用に苦しむこともあり、病気を受容できない(薬を飲んでよくならない)、不安・やり場のない苦しみやもやもや感から生きづらさを感じて死にたいとも思います。ひきこもりの最中は鬱憤がたまりやすいです。外に出るのが怖い、人が怖い、外に居場所がないので家しかいる所がない、生活音や近所の目など周囲に過敏、この状態からぬけられない焦り、自分でもどうしてよいのかわからないという状況があり、ある当事者は「底なし沼」と表現しました。

(4)病状も絡みます。妄想が働いて被害的になり、うまく言葉で表現できずに言いたいことを伝えられず、爆発の瞬間は頭が働かなくなる感じで、衝動性をコントロールできないこともあります。

(5)親への反発心もあります。親は当事者から見ると干渉的(高圧的、強権、幻覚、教育ママ、支配する親)で、自分は人生に挫折していて親の偉大さがプレッシャーで、親にわかってもらえないと感じていて、世間体を気にする、「働け」といわることもあります。

(6)親も精神的に不安定です。暴力を受けて、怖くて返答できない、生きる気力がなくなる、自己表現ができなくなる、過去の体験がフラッシュバックするなど、爆発を受けた親もダメージを受けて、子と自然に会話することが難しくなり、適切な対応ができなくなります。

(7)以上のように、当事者の病状、親への反発心、親の精神的不安定さ、当事者の辛さが重なって、親子が本音で話せない関係(普通の会話が出来ない、のびのびと生活できない)になり、親子の認識のずれが拡大します。
爆発寸前に、子は、辛くて生きていけない、もやもやして自分ではどうにもできない、どうして辛さをわかってくれないのか、どうして病気のある自分を受け入れてくれないのか、期待に応えられないなという気持ちを抱え、いい子を演じているなどと我慢しています。
親の方も、言いたいことをいえず我慢し、言わない(但し、目につくので気になって偶にはつい言ってしまう)ことがストレスになります。
このように親子双方我慢してため込んでいるために爆発(大声でとなる、物を壊す、殴る、蹴る)至ります。爆発のきっかけは、例えば親から気に入らないことを言われた、相手に伝わらなかったとか、自分でもよくわからないなどささいなことであり、そのため、さっきまで普通に話していたのにいきなり怒り出したように感じます。
爆発の際には当事者はカーとなって自分でコントロールできず、頭が働かなくなる感じがあることもあることもあり、爆発の瞬間での対策は困難です。

(8)爆発の矛先が親に向かう理由は、親は頼れる存在、切れない特別な関係、親には理性が働かない、親には暴力を振るっても許されると感じているからです。ある当事者によれば、社会に対してすれば犯罪だが親にはいいとはっきりと区別しており、親への甘えがあります。母親は何をしても受け入れてくれる存在として暴力が向きやすく、父は社会とつながる怖い存在だが母を守る楯になる家庭も多いそうです。

(9)病状に支配されていなければ爆発の瞬間一時的に頂点に達して、頂点に達するとぴょんと落ちるそうで、一転後悔に至ります。辛い気持ちが霧消して、そこからうまく行った人の例であれば、親に恨みがあっても他の支援者と話す中で親も大変だったんだなとか親も完璧な人間ではないと状況の捉え直しが出来て親と関係改善に至ります。

(10)親子関係の問題は、幼少期からの親子の認識のずれが原因だと話す人が多いそうです。子は、いい子を演じていたり、親の弱さを知らないので親は特別な存在であると感じていたりして、親への不信感が生まれています。親の方は、いい親を見せよう、理想的な家族にならなければという幻想を持っていますが、実は親も未熟・孤独で、見えないプレッシャーを子に与えています。どの家庭でも多少はありそうなずれです。
親も子もこうあるべき・ありたいという理想に縛られて、自分を責めて苦しんでいます。親は、自分の育て方が悪かったのでは、自分さえ我慢すればいい、もっと早く対処していたら変わっていたかもと考え、発症前との落差を中々受け入れられません。そのような親の思いを感じて、子の方は、病気になって申し訳ない、普通じゃなくてごめん、親不孝だと思う、親の期待に応えられず後ろめたい、という気持ちなどを持っています。
親から子に対しては、親だって本当は偉大ではないし、病気のことを一から勉強しないといけないと言いたいのに対して、子からは親に対して、世間一般の価値観を捨て、病気を患う自分を受容して欲しい、後悔しないでほしい、隠さないで欲しいと思っています。

(11)このような親子の関係性悪化を強化する要因は2つあります。
一つ目は同居です。同居中は子が親の保護下(管理下)にあり、親は子の行動が目に付くために気になるが、子にいえず我慢しています。家は安全ですが、密室故の危険もあります。二つ目は、社会に居場所がないことです。核家族で密着した家族関係で、世界は家だけで、家以外に居場所がありません。
そのような中で暴力はやめられなくなる依存症の側面があります。
親は病気の子どもが心配で、子は不安や甘えから、親子密着になりやすい状況にあります。暴力は一瞬で気分を変えられる魔力があり(すかっとした、毒が出た)、母親は受け入れてくれる存在で、次第に親との依存関係の中で暴力を止められなくなることがあります。中には致命的にならない程度に計算して暴力を繰り返していた当事者もいました。
暴力がエスカレートする場合には離れて暮らす必要があります。

(12)逆に、暴力がなくなるのは、爆発に至る複合的要因が解消されるからです。治療により病状が改善し(当事者の病状)、完璧でない親を受容して感謝し(親への反発)、親は家族会につながって元気になり(親の精神的不安定)、他者と関わりが増え視野が広がり、過去の捉え直しや希望の再発見(当事者の辛さ)により、暴力の解消に至ります。

(13)そうすると、爆発とは、生き延びる行為(親に当たることでなんとか生きている、親にせいにしないと自分を保てない)という意味があり、爆発は生きる力を失った状態から生きる力を取り戻して行く過程であり、爆発により生きる衝動を確認している意味合いもあります。
 爆発には行き詰まった現状を変える力があり、爆発を契機として回復に至る場合には成長の機会にもなります。
暴力を肯定するわけではありませんが、暴力を振るってもリカバリーにつながることはあります。ある当事者は、親に当たった過去があるからこそ働いたり社会貢献したりする姿を親に示すこと、それが親孝行だと話しているそうです。

5 支援する側の問題

支援側の課題としては、家庭内暴力の解決に向けて支援の仕組みを変えていく必要があります。

(1)現在の家庭内暴力の支援の仕組みは、本人、家族にとって高ストレスの仕組みになっています。
暴力が起きて、家族が決断して相談に至っても、入院支援の行政対応には時間がかかり、何度も相談を繰り返して、場合によっては万が一のときのために警察にも相談を入れておき、自傷他害の恐れがある状態に至って初めて通報対応が可能になり、入院時にはかなり悪化した状態での入院となります。家族の前で暴れていても制服の警察官が来ると本人が落ち着くことはよくあるのに、警察官の前でも暴力を振るう程ですから、強制入院から入ることになります。そうすると、薬で沈静化され、保護室に入れられ、時には拘束を受けます。そのため、当事者の医療不信につながりやすく、治療中断も招きやすく、家族関係も悪化します。今の支援の仕組みはあえて暴力がひどくなるまで待って介入する方法であり、治療が遅れて予後は不良です。
そもそも疾患による危機であるのに、専門家ではない警察の介入が多い仕組みは不合理です。
暴力がひどくならないうちに早期に治療や支援につなげて、本人、家族にとって低ストレスの仕組みに変えていく必要があります。この仕組みであれば、当事者の医療への信頼も維持でき、治療継続も期待でき、家族関係の悪化も防止できます。欧米では、最小限の服薬と非侵襲的支援による24時間365日の危機介入(クライシス/インターベンション)が導入され、入院せずに家でクライシスを乗り切る方向へと仕組みを変化させています。
英国では、危機介入・在宅治療チーム(公的サービスとしてクライシス時に専門家チームが訪問)、クライシスハウス(入院の必要は無いが不安定な人が数日宿泊し、多くの人は安定して入院せずに済む)、クライシスカフェ(交通の便のよい中心部にある)、クライシスヘルプライン(24時間対応の電話回線)など、危機対応手段が豊富に整備されているそうです。

(2)暴力を研究してわかった最も重要なこととしては、暴力は家族の問題ではなく、支援しようとしなかった支援者の問題であるとのことです。
ルールを守って支援することをよしとするのではなく、本人や家族を支援するために既存のルールや支援のあり方に疑問を投げ続け、できることから取り組むことが必要であるとのことでした。

第2 研修後半は付添人活動の事例報告でした。
中野公義会員からは当初審判活動について、鐘ヶ江聖一会員からは当初審判・処遇中(通院・再入院)・終了後の各時点での審判を含めた活動についてご報告を頂きました。
いずれの事例も研修前半の講義内容を想起させる問題を含んでおり、強制入院以外の、危機介入の選択肢を充実させる重要性を改めて感じました。

2024年1月31日

あさかぜ基金だより 季節外れの新人所員の自己紹介

会員 滝本 祥平(75期)

自己紹介

75期の滝本祥平と申します。北海道札幌市手稲区という札幌中心部と小樽の中間ほどにある住宅地のマンションで札幌の街並みと小樽の海岸線を望みながら、司法修習に至るまで、修学旅行等を除き北海道を出ることなく育ちました。札幌・小樽観光はもちろんのこと、北海道観光をお考えのときは、ぜひご相談下さい。
司法修習で仙台に配属され、牛タンはもちろんのこと、定義三角あぶらあげ、さいちのおはぎといったグルメや有備館(大崎市)といった史跡名所を楽しむことで、宮城県を概ね満喫し、札幌での就職に拘泥する必要がなくなりました。
私は、弁護士過疎問題の解決に貢献できることから、道内の過疎地域に支部を有する東京都多摩地域の法律事務所に就職しました。残念ながら、この事務所では十分な研鑽を積むことができないまま退所することとなってしまいましたが、修習時代の民事弁護教官である林信行弁護士の紹介といった縁があり、あさかぜ基金法律事務所に入所させていただきました。
九州には、二回試験後、同期と屋久島・種子島を旅行する前後に鹿児島県内の温泉を楽しんだ経験しかなく、多くの未経験のグルメや史跡名所があるので、楽しみです。

なぜ福岡へ

所縁のない福岡へわざわざ転居する理由としては不十分でしょう。

Q 前の事務所の退職を思いとどまることは。
A 考えました。退職を検討したのは、4月頃。ボス弁との折り合いが悪くなったからです。そこで、担当している事件をやり遂げてやめようと考えていたところ、事件の進捗についても、交渉の時宜を失するような状況になってしまいました。依頼者が早期に適切な弁護士サービスを享受するには辞めるほかないと思い辞めました。

Q 東京都での再就職や独立は。
A 就職活動をする中で都内への引っ越しを勧められ、物件を探しましたが、オーナー審査が通らずほぼ諦めていました。また、東京会の刑事弁護研修は一人で当番・被疑者国選事件を受任するところ、いずれも不起訴処分を勝ち取ることができたため、八王子の住居を事務所として国選事件等で食いつなぐことも検討しましたが、弁護士過疎問題の解決への貢献を将来的にしたいという希望を捨てきれませんでした。

Q 札幌へ帰ることは。
A せっかく道外で就職したのに、就職から1年経たずに戻るのは、逃げたようで無様だなと思い、最後の手段に位置付けています。

Q 福岡へ行く決心をした理由は。
A 弁護士過疎問題の解決への貢献を将来的にしたいという希望を捨てきれない状況で、林弁護士から養成事務所に対する日弁連の研修が素晴らしいこととあさかぜ基金法律事務所の人員を探している上田英友弁護士は信頼できると熱心に説明していただいたからです。

Q なぜ弁護士過疎問題の解決への貢献に関心が。
A 社会課題があって解決策が明白なのに、何もしないというのは社会の構成員としていかがなものかと思うからです。

Q 弁護士過疎問題の解決策は明白か。
A 一定の実力を身に着けた弁護士が弁護士過疎地域にて法律事務所を営めばよいという明白なものと考えております。

最後に

一定の実力を身に着け、弁護士過疎問題の解決に貢献できる人材になるために、機会がありましたら、事件の共同受任等ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

「来たれ、リーガル女子! in福岡2023」のご報告

男女共同参画推進本部・両性の平等に関する委員会 細永 貴子(62期)

1 はじめに

2023年10月29日(日)、福岡県弁護士会館において、「来たれ、リーガル女子!in福岡2023」が開催されました。2018年に始まった本企画も今年で6回目です。第1部パネルディスカッション、第2部法曹になるための進路説明、第3部グループセッションという構成で行いました。 コロナ禍がひと段落したことから、今年は第1部及び第2部のみオンライン(ZOOMウェビナー)での配信をし、第3部は会場でのリアル参加のみとしました。今年も鹿児島大学司法政策教育研究センターとの共催となりましたので、第3部は鹿児島大学会場でもリアルで実施しました。 第1部・第2部の参加者は福岡会場75名(中高生52、保護者22、教員1)、ウェビナー参加者17名、鹿児島会場13名(中高生12、保護者1)、第3部はグループセッションの参加者が福岡会場39名、鹿児島会場12名、質問コーナーの参加者が7名(中高生2、保護者5)と多数の方々にご参加いただきました。

リーガル女子_はじめに
2 第1部 弁護士による対談

第1部に先立ち、九州弁護士会連合会の笹川理子理事長から開会挨拶、福岡県弁護士会北九州部会長の小倉知子会員からメッセージをいただきました。笹川理事長は、鹿児島県弁護士会で初めての女性弁護士であり、九弁連初の女性理事長でもあります。また、北九州では今年、地方裁判所小倉支部、検察庁小倉支部、及び弁護士会北九州部会のすべてで女性がトップになるなど、女性法律家が活躍しています。お二人から、これから進路を決める学生さんたちを勇気づけるお言葉をいただき、会場がとても活気に満ちた雰囲気になりました。 第1部では、様々な職業を経て弁護士になった女性弁護士の対談を行いました。パネリストは、航空会社の客室乗務員を経て弁護士になった河内美香会員及び外交官を経て弁護士になった塩飽梨栄会員、インタビュアーとして井芹美暎会員が登壇されました。民間企業勤務や外交官という国の仕事を経て弁護士を志した経緯や、司法試験合格に向けてどれくらい勉強したのか、弁護士としてどのような活動をしているのかなど、三者三様のお話を聞くことができ、興味深い対談でした。客室乗務員や外交官など、それ自体とても魅力的なお仕事を辞めて弁護士をめざしたという河内会員と塩飽会員の経験談は、参加者の方々にとっても新鮮だったようです。アンケートに「法曹界に携わっている人は幼少期から法曹への志があった人ばかり、というイメージがあったのですが社会人になってから方向転換した方々の話をきき、法曹への道はいつでも開けるんだなと親近感を感じました」「違う仕事から弁護士に転職した方の話が衝撃的でとても参考になった」「法学部からストレートでなくても、なりたいという気持ちがあれば法曹になれるということが分かりました」など多数の感想が寄せられました。

リーガル女子_第1部
3 第2部 法曹になるための進路説明

第2部は、中谷正太会員を進行役として、山下昇教授(九州大学)、藤村賢訓准教授(福岡大学)、濱﨑録教授(西南学院大学)のお三方から、法曹になるための進路説明をしていただきました。大学の法学部から法曹を目指す流れ、法学部や法科大学院では何を学ぶことができるのか、法学部教育と法科大学院教育を連携する法曹コースについて、各先生方の所属する大学の特色などが紹介されました。 アンケートでは、「九州内の大学法学部の制度を知ることができ、今後の進路選択の参考になりました」「法曹になるための手段は思いの外いろいろ種類があることを知りました。また、各大学の特徴も聞けて今後の進路を考えるに当たってとても勉強になりました」などの声がありました。

4 第3部 グループセッション/質問コーナー

第3部のグループセッション(以下、「GS」といいます。)では、少人数のグループに分かれて、弁護士・裁判官・検察官が中高生の質問に答え、より法曹について具体的なイメージを持ってもらおうという企画です。福岡会場では、中学1年生から高校3年生までの39人が参加してくれました。どんな人が法曹に向いていると思うか、仕事のやりがいやワークライフバランスのとり方など様々なテーマについての質問が出ていました。アンケートには、「弁護士の皆さんの日々の働き方や休みの日の過ごし方、弁護士というものを深く教えて下さってとても参考になりました」「お話を聞いて、法曹という仕事が身近に感じられました」「具体的な仕事内容からどんな人が向いてるか、今からできることなど知らなかったことが多くあって、とても参考になったし、楽しかったです」、「とてもフラットな環境だったので、気軽に質問しやすかったです」など満足度の高い回答が多く寄せられました。少人数でのGSで裁判官・検察官・弁護士から直接話を聞ける機会は、中高生にとって貴重で有意義であると感じました。 GSと同時並行で行った質問コーナーには、第2部でご登壇いただいた大学の先生方に加え、福岡地方裁判所飯塚支部の柴田大裁判官も飛び入り参加してくださいました。弁護士も9人ほど同席しました。保護者の方からは「子どもが司法試験を頑張れるのか」「弁護士は逆恨みが心配だが実際どうですか」などの質問があり、大学の先生方や裁判官、弁護士がそれぞれの意見を述べ、充実した質疑応答になりました。子どもを応援したい半面、心配も尽きないという親御さんにとっても有意義なイベントになったのではないかと思います。

リーガル女子_第2部
5 おわりに

イベント終了後のアンケートでは、「当イベントに参加して、将来、弁護士・裁判官・検察官になりたい(または進路として勧めたい)と思うようになりましたか?」との質問に対して、48%が「強く思った」、40%が「少し思った」と回答しました。「イベント参加前は法曹関係のお仕事はすごく堅い感じがしていたけど、お話を聞いて、弁護士さんや裁判官のイメージがかなり変わりました。困っている人を法律を通して助けられることがすごく素敵だな。といいイメージに変わりました」「真面目でとても優秀な人というイメージでしたが、実際に話してみると優しく丁寧な方が多かったというイメージを受けました。またかっこいいなという印象を受けました」などの嬉しいコメントもいただきました。本イベントが法曹に興味関心を持っていただくきっかけとなっており、来年以降もイベントの継続が期待されます。 当職も今回初めてリーガル女子のイベントに関わらせていただき(当日は総合司会を担当)、改めて弁護士という仕事を選択したことに誇りを持つことができました。本イベントにご登壇・ご参加くださった先生方や実行委員の先生方に改めて感謝を申し上げます。

リーガル女子_第3部

特商法5年後見直しシンポジウム 「あなたも危ないSNS詐欺被害~特定商取引法の改正ポイントとこれからの課題」(令和5年12月9日開催)~

消費者委員会 委員 吉田 大輝(68期)

1 はじめに

去る12月9日、福岡県弁護士会2階大ホールにおいて、特商法5年後見直しシンポジウム「あなたも危ないSNS詐欺被害~特定商取引法の改正とこれからの課題~」を開催いたしました。
私達シンポジウム実施PTメンバーは、(参加自由・予約不要でしたので)当日の動員に気を揉んでいましたが、終わってみれば、会場・ZOOM参加合わせて約100名もの皆様にご参加いただくことができ、特に、会場参加のうち大学生9名、弁護士以外の市民メンバーで約26名参加いただくなど、弁護士にとどまらず大盛況のうちに終えることができました。
以下、簡単にですが、実施報告をいたします。

特商法シンポ_1
2 動画「鷹男の悲劇」

今回は、市民シンポということもあり、特定商取引法の現状と課題を明らかにすべく、PTメンバーで10分程度の動画を作成し、シンポジウムの冒頭に動画視聴を行いました。この動画は、オリジナルの事例を基に、PTメンバーで音声を入れ、動画として編集したものです。
新卒で22歳の福岡鷹男君が、ある日、SNSで「月+10万円」を謳う副業ビジネスに興味をもち、SNSを通じて業者と連絡を取り始め、あれよあれよという間に業者の口車に乗せられて遠隔操作アプリを用いて消費者金融から借財をさせられ、副業ビジネスのための研修費名目で大金を支払ってしまう、、、という内容です。
この動画は、実際に消費生活センターの現場でも同様の被害が多数寄せられており、実例を基にしたシナリオでした。アニメ仕立てになっており、声の出演は、南正覚文枝会員(ナレーター)、前田和基会員(鷹男)、当職(業者)、小野遙河会員(消費者金融)となっています。
現在の特定商取引法の規定では、鷹男の事例のようにSNSを用いた勧誘に関しては規制対象になっておらず、また、通信販売についてはクーリング・オフ制度がないために被害救済としては不十分であることをあぶり出す動画でした。

3 基調報告

動画視聴の後、千綿俊一郎会員から、「特定商取引法のキホンと抜本的改正の必要性」と題し、鷹男の動画に触れながら特定商取引法の概要、SNS関連被害の実情、法の制定からこれまでの改正の経緯、現状における問題点及び抜本的改正の必要性、諸外国の法整備の状況や今後の展望に至るまで、多岐に渡る事項を網羅的に、かつ簡潔にご報告いただきました。
千綿会員のご報告は、一般市民や特定商取引法に馴染みのない弁護士でもわかりやすい内容で、特にEUや韓国においては通信販売に撤回権が認められていることをご紹介いただくなど、今後の展望を明らかにする示唆に富んだご報告でした。限られた時間に大変密度の濃いご報告を要請するという、無茶振りとも言える達成困難なミッションを見事達成いただきました。千綿会員、ありがとうございました。

特商法シンポ_2
4 パネルディスカッション

次に、消費生活相談員の穐山美江様、桑原義浩会員、藤村元気会員にご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。
穐山様からは、SNS関連の相談件数が右肩上がりに増加していること、特商法を用いて有効な対処を検討することが困難であることなど、豊富な実例を挙げつつ相談現場のリアルを詳らかにしていただきました。特定商取引法の改正の必要性を現場から強く訴える内容であり、実務に即したご報告をいただきました。
桑原会員からは、(相談者の許諾を得て匿名化した上で)実際の相談・受任事例におけるSNSの生のやり取りをスライドに投影していただき、市民がSNS関連被害に遭う様子をご報告いただきました。実際に、一人の人が被害に遭っていく様子(SNSのやり取り)は、映画のような鮮烈なインパクトを残しました。
会場の参加者は、穐山様からのご報告や桑原会員からの事例報告など、やはりリアルな被害実態について、特に熱心に耳を傾けている様子でした。
パネルディスカッションを経て、藤村会員からは、本シンポジウムのまとめとして、①SNSを用いた勧誘類型を特定商取引法の新たな規制対象とすべき、②事業者がSNSに登録する際に、住所・名称・責任者の登録を義務付け、かつ、SNS運営業者に対しては早期の開示を可能とすべき、③事業者がWEBを通じて消費者に消費者金融等から借り入れさせることを規制すべき、という提言をご発案いただきました。

5 最後に

質疑応答では、内閣府消費者委員会委員としてSNS問題にも取り組んでおられる黒木和彰会員から、SNS関連被害をより効果的に防止するためには、特定商取引法の改正にとどまらず、SNSそのものへの規制も必要と考えられ、総務省との調整をつけることは容易でないとの指摘もあり、問題の根深さをあらためて感じました。また、参加した大学生からは、学生ならではの素朴かつ率直な質問が次々に寄せられるなどして、会場は大いに盛り上がりました。
最後に、本シンポジウムの準備・運営に多大なるご貢献をいただきました皆様に謝辞を述べ、ご報告とさせていただきます。

特商法シンポ_3

2023年12月29日

国際委員会リレーエッセイ ウクライナ全国弁護士会から絵を贈られました

会員 中村 亮介(63期)

当会会員有志で組織した「ウクライナ全国弁護士会支援会」は、2022年7月15日、会員から集めた2万ドルをウクライナ全国弁護士会(以下「UNBA」)に送金したことは、昨年の月報でも報告したので、覚えていただいている会員もいらっしゃることと思います。

当支援会は、UNBAのバレンティン副会長より寄付に対する感謝のメールをいただいていましたが、そのバレンティン副会長が、本年7月、日本を訪れ、当支援会と同じ活動をしていた東京グループの事務局長の所属法律事務所を訪問されました。私は、その訪問に、テレビ会議システムで参加し、バレンティン副会長から寄付に対する謝意を伝えられ、合わせて、御礼の印として絵が贈られました。絵はUNBA所属の弁護士のお子さんの描かれたものということでした。

この時バレンティン副会長からはウクライナでの戦争被害の実情を教えていただきました。被害の当事者から聞く生の言葉は余りにストレートすぎ、途中で聞きたくなくなるほど恐ろしく、悲惨でした。私はただ「教えてくれてありがとう」としか返事のしようがありませんでした。

絵は暫く東京で保管されていましたが、今年9月の私の東京出張のついでに受け取ってきました。

子どもが描いた絵のため何を伝えたいのか、どんなメッセージをもっているのか必ずしもよく分からないところもあります。美しい紅葉を描いているようにも見えますし、爆撃を受けて空が赤く燃えているようにも見えます。

ukraine tree(中村亮介先生の原稿に添付(記事中の絵))

絵の裏には、手書きのウクライナ語でメッセージが書かれていました。
Googleの翻訳アプリを使ってみると、はっきりとは分からないものの、ウクライナの兵士が疲弊していること、彼らが堅固で不屈であること、彼らが自分たちを守ってくれていること、ウクライナの勝利を信じていることなどが書かれているようです。このメッセージをみると、この戦争がウクライナの子供たちの心に確実に影響を与えていることがわかります。子供たちの心のなかで憎しみの連鎖が起こらないことを願うばかりです。

絵は引渡しを受けてすぐに弁護士会に寄贈させていただきました。弁護士会館のどこに飾られているのか分かりませんが(笑)、会館にお立ち寄りの際には、ぜひ足を止めてご覧いただけたら幸甚です。

ukraine letter(中村亮介先生の原稿に添付(記事中の絵の裏のメッセージ))
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