福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2025年5月号 月報
あさかぜ基金だより
月報記事
弁護士法人あさかぜ基金法律事務所 小島 くみ(75期)
旅立ち
去る7年3月末、あさかぜ基金法律事務所の社員弁護士であった石井智裕弁護士が、同弁護士の地元である千葉県いすみ市で独立開業することを決意し、旅立ちました。
そこで、石井弁護士が語った福岡での思い出のこと、同弁護士がこれから活動を開始する千葉県いすみ市のことについて報告します。
福岡での思い出
石井弁護士は、あさかぜ基金法律事務所で4年あまり養成を受け、このたび新たなるスタートを切ることになりました。
石井弁護士によると、福岡での思い出として一番に思い浮かぶことは、「福岡は図書館が充実している」とのことです。読書家で、常に学ぶことを忘れず、事件に対して真摯に、そして丁寧に向き合う石井弁護士らしい回答です。
私は、あさかぜに入所して1年ほどになりますが、そのなかで、石井弁護士が事件に向き合う姿勢に触れることができたことは、いい経験となりました。私も、石井弁護士にならって学ぶ姿勢を持ち続けたい、そして弁護士として成長していきたいと思っています。
千葉県いすみ市とは
いすみ市は、房総半島南部に位置し、温暖な気候と肥沃な耕地に恵まれ四季折々の農作物が豊かに実る田園都市であり、また、近海では、親潮と黒潮が交わる全国有数の漁場が広がる漁師町でもあります。
そして、いすみ市は、令和7年12月に、市制施行20周年を迎える人口3万5千人、東側は太平洋に面し、北部は長生郡一宮町、睦沢町に、西部は大多喜町に、南部は勝浦市、御宿町に接している町です。また、近くの砂浜にはアカウミガメが産卵に訪れ、里山にはコウノトリ、コハクチョウも舞い降りるなど、自然が豊かな町でもあります。
このようないすみ市は、ほぼ45キロメートル圏内に千葉市、75キロメートル圏内に首都圏の主要都市があり、隣町である一宮町に千葉地方裁判所一宮支部がおかれているところですので、これまでの弁護士会の定義からは厳密には、司法過疎地にはあたらないのかもしれません。もっとも、いすみ市で稼働している弁護士は現在1人だけです。そこで、石井弁護士は、地元に貢献したいと考え、この度、自らの地元であるいすみ市において、2人目の弁護士として独立開業することにしたのです。
地域に根差した事務所を目指して
いすみ市で事務所を開設するにあたっての抱負を、福岡を旅立つ前の石井弁護士に尋ねたところ、「地域の人たちから頼りにされるよう、地道に、一件一件事件にあたりたい」とのことでした。事件に対して真摯に、そして丁寧に向き合う石井弁護士ですから、近い将来、いすみ市民から大いに頼りにされる存在となることは間違いありませんし、そうなることを私も大いに期待しています。
私も、今後、あさかぜを卒業し、司法過疎地に赴任したいと思っています。旅立ちの時を迎えた先輩弁護士をみるにつけ、地域の人たちから頼りにされる存在となれるよう研鑽を積んでいかねばならないと、決意を新たにしています。
会員の皆様には、今後とも私たちあさかぜ所員への温かいご支援とご指導をお願いいたします。

法律相談を受ける石井弁護士