福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2017年11月28日

地方消費者行政に対する国の財政的支援の継続を求める会長声明

声明

1 違法に収益を得ようとする悪徳業者は,その時々の時世を見つつ,手を変え品を変え,消費者を困惑・誤信させる新たな手口を考案している。また,悪徳業者は,特定の地域で活動を行い,その地域で警戒感が高まると他の地域に移るという傾向があるため,消費者被害に対しては,地域で速やかに情報を共有し,迅速に対応するということが肝要である。

そして,このように変転していく消費者被害に迅速かつ適切に対応するためには,消費者行政,とりわけ消費生活相談センターとそこで消費生活相談業務に当たる職員の果たす役割が重要である。消費生活相談に関する情報は,職員によってPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)という全国共通のデータベースに入力・共有されているが,情報の具体性,正確性,迅速性に鑑みて,PIO-NET情報を適切に用いた消費生活相談業務の重要性は言うに及ばない。

2 この点,2017年(平成29年)7月25日,消費者庁は,地方消費者行政推進交付金等(以下,「交付金等」という。)による支援が平成29年度に1つの区切りを迎えることを受けて,今後の方向性を明らかにするべく,「地方消費者行政の充実・強化に向けた今後の支援のあり方等に関する検討会」の報告書を公表しているが,同報告書においては,高齢化,情報化,国際化の進展等による新たな消費者問題や国の重要課題について,それらの課題に取り組む地方自治体に対して国が支援を行うとしつつも,これまで交付金等により整備した体制を維持し,さらなる地方消費者行政の充実を目指すために,地方の財源の確保を促す必要があるとしている。

しかし,同報告書でも指摘されているとおり,現状として,地方交付税措置よりも地方自治体の自主財源は少なく,必ずしも地方自治体の自主性に任せるということだけでは,地方消費者行政の財源充実を実現することはできず,むしろ後退することにもなりかねない。

今後,より専門的に,多様になる相談に迅速かつ適切に対応できるように備えるためには,有資格者を相談職員として十分に配置し,相談,あっせん業務を実効的にすることが必要であり,引き続き地方消費者行政を充実していく必要がある。

そこで,交付金等によりそれまでに整備した体制の維持,地域格差の是正及び国の事務の性質を有すると考え得る事項への対応のため,国が,使途を消費者行政に限定した地方自治体に対する実効的かつ継続的な財政支援を行うべきである。

当会は,これまでも地方消費者行政の充実を求めてきたが,「地方消費者行政の充実・強化に向けた今後の支援のあり方等に関する検討会」の報告書の公表を受けて,改めて地方消費者行政に対する国の財政的支援を求める。

2017年(平成29年)11月28日
福岡県弁護士会 会長 作間 功

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