福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2017年10月 2日

福岡県地域司法計画(第1次,第2次)

計画


福岡県弁護士会では,政府により司法制度改革のための法整備が進められていた2002年(平成14年),福岡県地域司法計画(第1次)(PDF)を策定しました。
この第1次計画は司法改革のスタートに際し,日本社会に法の支配を貫徹し,社会的弱者の人権を擁護するとともに,広範な市民や企業の法的ニーズを満たして,弁護士の使命である「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を具現するには,「利用しやすい司法制度の実現」が必要不可欠であることを確認し,「利用しやすい司法制度の実現」のための地域における具体的な司法の充実に向けて,当会としてどのように取り組んでいくかを提起したものです。

さらに,2009年(平成21年)に,福岡県地域司法計画(第2次)(PDF)を策定しました。第2次計画は,第1次計画当時,制度設計が議論されていた司法改革の制度がほぼ確立し,実行段階にあったなか,福岡という地域において,これらの制度を実際に担う当会に与えられた課題は何か,これらを克服する方策をどう考えるべきかを提示したものです。この第2次計画については,策定後毎年,各事項の目標達成状況の検証を行っています。

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2017年7月19日

最低賃金額の大幅な引き上げを求める会長声明

声明

 まもなく福岡地方最低賃金審議会は,福岡労働局長に対し,本年度地域別最低賃金額改定についての答申を行う予定である。
 昨年,同審議会は,福岡県最低賃金の改正決定について,前年度比22円増額の765円とする答申を行った。しかし,あまりに低い増額幅で不当と言わざるを得ないものであった。すなわち,時給765円という水準は,1日8時間,月22日間働いたとしても,月収13万4640円,年収約162万円に止まるものである。この金額では,労働者がその賃金だけで自らの生活を維持していくことは容易ではなく,ましてや家計の主たる担い手となるのは困難である。また,いわゆるワーキングプアを解消して労働者の生活を安定させ,労働力の質的向上を図るためにも,最低賃金の引き上げは重要であるところ,かかる観点からも全く不十分な水準であった。
 福岡県の最低賃金は,昨年度の全国加重平均823円を下回り,最も高額な東京都の932円を167円も下回っていることは重大である。福岡県に限らず,都心部と地方の地域間格差は拡大傾向にあるところであり,地方の活性化のためにも,地方の最低賃金の大幅な引き上げによる格差の解消は喫緊の課題と位置付けられるべきである。
 加えて,政府が,2010年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」において,2020年までに「全国平均1000円」にするという目標を明記していたことに照らせば,福岡県において,2020年までに1000円という目標を達成するためには,1年当たり少なくとも60円程度の引上げが必要であるのは明らかである。
 なお,最低賃金の引き上げに際して,地域の中小企業の経営に特別の不利益を与えないよう配慮することが必要なことは当然である。最低賃金の引き上げを誘導するための補助金制度等や中小企業の生産性向上のための施策ないし減税措置等,中小企業を対象とした制度も併せ検討されるべきである。
 また,福岡地方最低賃金審議会の審議内容は,現在,要旨の公表しかなされていないが,議事の透明性と公正の確保の点から,詳細な議事録,配布資料の公開を実現すべきことも指摘したい。例えば,鳥取地方最低賃金審議会においては,審議等の全面公開が実現しているがこれによる問題は生じておらず,その気になれば,その実現は可能なのである。
 以上,当会は,福岡地方最低賃金審議会に対し,今年度の答申に当たっては,最低賃金を大幅に引き上げるよう決定することを求めるとともに,同審議会の詳細な議事録等の公開を求めるものである。

2017年(平成29年)7月19日
福岡県弁護士会会長  作 間 功

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2017年7月13日

死刑執行に関する会長声明

声明

 本日,2017年(平成29年)7月13日,大阪拘置所と広島拘置所において各1名の死刑が執行された。


 一人は再審請求を行っている中での死刑執行であり,また,一人は裁判員裁判において被害者1名で死刑判決が下され,弁護人が控訴したにもかかわら ず自ら控訴を取り下げ死刑が確定した者に対する死刑執行である。
 前者は,現行法の再審制度の問題(死刑判決に対する再審請求に執行停止効がないこと)を提起するものであり,後者は一審のみの判断で究極の刑罰である死刑を科すことの是非や自動上訴制度の導入の是非という問題を提起する ものであり,いずれも,生命剥奪という究極の刑罰権である死刑の正当性について,手続保障の観点から大きな疑義を持たざるを得ないものである。


 我が国において,死刑事件について,すでに4件もの再審無罪判決が確定しており(免田・財田川・松山・島田各事件),えん罪によって死刑が執行される可能性が現実のものであることが明らかにされた。また,2014年(平成26年)3月27日には,死刑判決を受けた袴田巖氏の再審開始が決定され,同時に「拘置をこれ以上継続することは,耐え難いほど正義に反する」として,死刑および拘置の執行停止も決定されて,現在でもなお死刑えん罪が存在することが改めて明らかとされたところである。

 そもそも,死刑は人間の尊厳を侵害する非人道的行為であること,誤判・冤罪により死刑を執行した場合には取り返しがつかないことなどの様々な問題 を内包しており,2014年(平成26年)の内閣府世論調査では,代替刑の創設により死刑廃止を容認する国民的世論が形成されうる可能性が示唆され ている。
 また,EUを中心とする世界の約3分の2の国々が死刑を廃止又は停止し, 死刑存置国とされているアメリカ合衆国においても2017年6月の時点で 19州が死刑廃止を宣言するなど,死刑廃止は国際的な潮流となっており,未だに死刑制度を存置させ死刑を執行しているわが国は,国連人権(自由権)規約委員会から何度なく死刑廃止に向けた行動を取ることの勧告を受け続けている。

 このような中,日本弁護士連合会は,再審無罪となった事件や袴田事件再審決定に代表される誤判・冤罪の現実的危険性を踏まえ,また,いかなる者であろうとも変わり得ることを前提に社会内包摂を目指すべきことを主な理由として,2016年(平成28年)10月7日の第59回人権擁護大会において「死刑廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し,日本において国連犯罪防止刑事司法会議が開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきこと,また,代替刑として,刑の言渡し時に「仮釈放の可能性がない終身刑制度」,あるいは,現行の無期刑が仮釈放の開始時期を10年としている要件を加重し,仮釈放の開始期間を20年,25年等に延ばす「重無期刑制度」の導入の検討等を政府に求めたばかりである。
 
 当会は,本件死刑執行について強く抗議の意思を表明するとともに,死刑制度についての全社会的議論を求め,この議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止することを強く要請するものである。

2017年(平成29年)7月13日
福岡県弁護士会会長  作 間 功

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2017年6月15日

共謀罪法成立に対する抗議の会長声明

声明

1 本年3月21日に国会に提出されたテロ等準備罪,すなわち,共謀罪を含む組織犯罪処罰法の改正法(以下「共謀罪法」という。)は,6月15日,真摯な議論が全く尽くされないまま強行採決され成立するに至った。

当会では,共謀罪法に関し,2005年(平成17年)8月31日,2015年(平成27年)12月5日及び本年2月17日付会長声明を出し,直近では本年5月24日付「共謀罪法案の廃案を求める決議」において,修正前の共謀罪法における多数の重大な問題点を指摘し,共謀罪の新設に強く反対してきたところである。

2 5月12日になされた,自民,公明両党及び日本維新の合意に基づく共謀罪法の主な修正点は,捜査の適正確保の配慮を求めることを明文化したことにとどまる。適用対象主体及び適用対象犯罪が過度に広範であること,構成要件が不明確であることといった共謀罪法の根本的問題はなんら解決されていない。これら根本的問題を残したままでは捜査機関による恣意的な捜査による人権侵害や,捜査を懸念することによる表現活動等の萎縮が生じると言わざるを得ない。

3 上記修正案が提出された後,5月16日に開かれた衆院法務委員会に招致された5人の参考人のうち,法案に賛成した日本維新の会が招致した参考人も含め,3人もの参考人が法案に反対した。5月18日には,国連人権理事会からプライバシー権に関する特別報告者として任命されたジョセフ・ケナタッチ氏も,安倍首相宛ての書簡にて「プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性がある。」との懸念を示した。5月22日現在,全国57自治体の議会において,共謀罪法案について反対または慎重な審議を求める意見書が可決・採択されており,国民の多くが共謀罪法に反対またはその必要性に疑念を抱いている状況であった。

4 そうであるのに,6月15日,自民公明両党は「中間報告」によって参院法務委員会での採決を省略するという異例の手段をとり,十分な議論がなされないまま共謀罪法は同日夜に参院本会議で採決され成立するに至った。多くの国民が反対もしくは必要性に疑念を抱く中,民主主義の根幹である表現の自由の萎縮をもたらす重要法案について実質的な審議を回避し共謀罪法を成立させたことは立憲民主主義の蹂躙というほかない。当会は,今後も国民と手をたずさえ,民主主義の根幹をゆるがしかねない共謀罪法の廃止を求め続けるとともに,共謀罪法により国民の権利が不当に侵害されることのないよう全力を尽くす所存である。

2017年(平成29年)6月15日
福岡県弁護士会 会長 作間 功

        
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2017年5月26日

少年法の適用対象年齢引下げに反対する決議

決議

【決議の趣旨】

当会は,少年法の適用対象年齢を18歳未満に引き下げることに反対する。

2017年(平成29年)5月24日
福岡県弁護士会

【決議の理由】
1 はじめに

現在,法制審議会少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会において,少年法の適用対象年齢を18歳未満とすることの是非が議論されている。当会は,すでに2015年6月25日,少年法の適用対象年齢を18歳未満に引き下げることに反対する会長声明を出しているところであるが,法制審議会において審議が開始されるに当たって,改めて本決議をする。

2 現行少年法の理念と少年のおかれている状況

少年法は,非行のある少年に対し,刑罰を科すのではなく,保護処分によって少年の立ち直りや再犯の防止を期すことを目的とする。1948年に制定された現行少年法は,それまで適用対象年齢を18歳未満としていたのを,20歳未満に引き上げたが,その審議過程において説明された理由は,「20歳ぐらいまでの者は,心身の発達が十分でなく,環境その他外部的条件の影響を受けやすいため,その犯罪も深い悪性に根差したものでないので,刑罰よりは保護処分によってその教化をはかるほうが適切である」というものであった。

実際,私たち弁護士が付添人として接する少年の多くは,現在においても,家庭で十分な愛情を享受しておらず,むしろ虐待を受けて育っている少年も珍しくない。

学校や社会においても,十分な指導,教育を受けることができないまま育っている少年も多く,例えば,家庭の事情で中学校卒業後に就労したり,高等学校に進学したとしても早期に退学するなどして社会から取り残された子どもたちが多数存在する。このような子どもたちは,就労関係が不安定な場合も多く,経済的にも恵まれていない。

他方で,大学や専門学校への進学率そのものは上がっている。大学や専門学校へ進学することを選択した子どもたちについては,長期間教育を受けられるようになっているが,その結果,以前と比較して,就労して社会に出る時期が遅くなっている。そのため,子どもたちの自立は,経済的にも,あるいは社会的・精神的にも,遅れていると評価されうる状況にある。

このように,現代の子どもたちは,現行少年法制定当時の子どもたちと比較して,精神的,経済的,社会的自立が進んでいるわけではなく,大人,社会からの支援の必要性はむしろ増している。

したがって,国は,少年法の理念に則り,子どもの成長発達を手助けする義務と責任を負っていることを,まずもって正しく認識する必要がある。

3 少年審判の機能と適用対象年齢引下げによる影響

(1) 刑事事件においては,行った犯罪そのものに着目し,犯行の動機や犯行態様,結果の重大性などのいわゆる『犯情』をベースにして刑の重さが決められるのに対して,少年審判においては,少年法が非行(犯罪)の処罰ではなく,少年の更生や立ち直りを目的とするため,非行そのものよりも,非行の原因となる少年の資質や家族関係や友人関係等を含む環境面の問題性に着目して,保護処分の有無やその種類が決められる。

このように,少年審判における保護処分の判断のベースとなる少年の資質や環境面の問題性のことを,「要保護性」と呼んでいるが,捜査機関による非行事実そのものの捜査では,要保護性について十分な調査ができないため,現行少年法の下では,20歳未満の非行を犯した少年は,すべて家庭裁判所に送致され,少年の要保護性に応じた処分を決めるため,家庭裁判所調査官が心理学,社会学,教育学などの専門的知見を活かして少年の資質や生活環境などを調査する。また,少年鑑別所において専門的知見に基づき心身鑑別を行う場合もある。さらに,弁護士も,付添人として,少年の権利を擁護しつつ,少年が再非行を行うことがないように,少年の反省を深めたり,親や学校などとの関係を調整したり,時には就職先をあっせんするなどの環境調整活動を行う。

そのうえで,裁判官は,少年の立ち直り,再非行の防止のために必要な保護処分を決定する。少年院に送致されたり,保護観察処分を受けた少年たちは,それぞれの機関で,更生に向けて,家庭裁判所における審理段階で明らかとなった少年の要保護性に応じた教育を受けることになる。

私たち弁護士は,このように,少年審判手続の中で関係機関が少年法の理念に基づいた努力をし,個々の少年の要保護性を判断した上で少年の立ち直りのために必要な処分が決められることにより,多くの少年が立ち直ることができていることや,その結果として,犯罪の少ない安全な社会を維持することに寄与していることを,その職務において最もよく知っているものである。

(2) 仮に少年法の適用対象年齢が18歳未満に引き下げられた場合,18歳,19歳の少年に対しては要保護性に沿った適切な再非行防止のための措置がなされないこととなる。具体的には,特に非行自体が軽微なものである場合,その背景にある少年の資質や能力,家庭環境等の問題が見落とされ,何ら問題点が解消されないまま起訴猶予や罰金で事件が終了してしまいかねない。こうした事態を,私たちは強く危惧する。

さらに,軽微とは言えない非行でも,相当数の事件においては執行猶予の判決となる可能性が高いが,そうなれば,こうした少年たちは更生のための教育を受けないままとなってしまう。事案によっては,最初から実刑判決により刑務所に収容される場合も想定されるが,その場合も,少年院で行なわれているような,きめ細かい,個々の少年の問題の解消に向けた指導・教育は行われることなく,場合によっては高齢者と同じ処遇を受けることになる。

こうした処遇が,当該18歳,19歳の少年の立ち直りに有益とは到底思われない。その結果,犯罪者を増加させ,社会の安全に危険を招来させることになりかねない。

4 若年者に対する処遇充実との関係

上記法制審議会では,少年法の適用対象年齢引下げにより,現在少年の改善更生のために機能している現行法制下における少年の処遇が受けられなくなることの懸念に対応するために,18歳,19歳の者を含む若年者などを対象として,有効なアセスメントを行い,教育的な配慮を重視した処遇の充実を図ることについて議論される見込みであるという。

しかしながら,更生可能性が高い若年成人に対する処遇を充実させることと少年法の適用対象年齢を引き下げることは別の問題として議論すべきである。つまり,少年法の適用対象年齢は現行法のまま20歳未満とし,20歳以上の若年成人に対しては必要があれば法を整備し,若年成人の立ち直りと再犯防止のための処遇を実施すればよいだけのことである(ただし,それが保安処分につながるものであってはならないことは当然である)。

また,若年者の処遇を充実させるといっても,現行少年法の下で有効に機能している調査官制度や鑑別制度を全面的に流用したり,類似の制度を整備することはおよそ考え難い。

したがって,若年者の処遇が充実されることを前提としても,それによって適用対象年齢を引き下げてよいことにはならない。

5 その他の適用対象年齢引下げの根拠について

(1) 世論調査などでは,少年法の適用対象年齢の引下げに賛成する回答が多い。しかし,この背景には,少年犯罪が増加・凶悪化しているという誤った認識があると考えられる。

まず,統計上,20歳未満の者の減少を考慮しても,少年が犯罪に及ぶ率は著しく減少しており,例えば,少年人口当たりの一般刑法犯の発生数は,1983年から2014年までの間に3分の1程度に減少している。また,少年人口当たりの殺人件数(未遂を含む)については,1961年から2014年までの間に約4分の1に減少している。

こうした実情に照らせば,「少年犯罪の増加や凶悪化」を理由として少年法の適用対象年齢を引き下げるべきであるとの見解は誤りであるというべきである。

(2) 「大人」として扱われることとなる年齢は各法律で一致するほうが国民にとってわかりやすいとして,適用対象年齢引下げに賛成する考えもある。

しかし,各法律において「大人」と「子ども」を区別して扱う目的は異なっているのであるから,何歳から「大人」として扱うのかは,法律ごとに,その立法趣旨や目的に照らして個別具体的に検討すべきであって,少年法の適用対象年齢を選挙権年齢や民法の成人年齢と連動させなければならないわけではない。

むしろ「分かりやすさ」のために,少年に対する立ち直りの機会を奪い,社会の安全を蔑ろにすることの方が社会にとってマイナスである。

次に,罪を犯した18歳,19歳の者につき,保護処分に付するなど他の成人と異なる取り扱いをすることについては,国民の寛容を期待できず,国民の健全な法意識に反するとの意見もある。

しかし,18歳以上の少年が重大事件を犯せば,現行制度の下でも死刑を含む重い刑に処せられる場合がある。また,前述のとおり,保護処分は少年の要保護性に基づいて決定されるため,例えば,成人であれば起訴猶予で終わったり,罰金で済むような事案であったとしても,少年の場合には,要保護性が高ければ,約1年に及ぶ身体拘束を伴う少年院送致決定がなされることも少なくはなく,少年法の適用を受けることで,むしろ身柄拘束を伴う処分を受けるという面では,少年に厳しいという側面もある。少年法が再犯予防のために有効に機能していることも合わせて考えれば,18歳,19歳の者を少年法の適用対象として維持することが国民の健全な法意識に反するとは言えない。

6 結語~理由のまとめと今後の当会の取り組み

以上のとおり,少年法の適用対象年齢を引き下げる合理的な理由はなく,むしろ,引下げにより,少年の更生の機会が奪われる結果として,非行や犯罪が増加することが懸念される。

当会は,2001年,全国に先駆け,観護措置決定を受けたすべての少年が弁護士付添人の援助を受けられる制度(全件付添人制度)を開始し,少年の更生のために力を注いできた。そして,現行の少年法の下で,18歳,19歳の少年であっても十分な可塑性を有しており,保護者を含め,関係者の働きかけにより十分更生できることを実践の中で経験している。

したがって,当会は,今後も18歳,19歳の少年を含む少年たちの立ち直りのための付添人活動に全力で取り組むとともに,18歳,19歳の少年の立ち直りの機会が奪われることがないように,シンポジウムを開催するなどして,少年犯罪の現状,少年法に基づく手続とその効果などを広く社会に知らせる活動を行い,断固として少年法適用対象年齢の引下げに反対し,これを阻止する活動に全力を尽くしていく所存である。

以上のとおり,決議する。

以 上

        
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