福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2023年5月号 月報

あさかぜ基金だより

月報記事

弁護士法人あさかぜ基金法律事務所 代表社員弁護士 石井 智裕(72期)

壱岐の引継式
あさかぜ所員も、西原弁護士・宇佐美弁護士の引継式に参加し、その後に開催されたひまわり基金法律事務所の支援委員会にオブザーバー参加し、事務所見学にも参加しました。

西原弁護士の活躍

西原弁護士は、令和3年1月より壱岐ひまわり基金法律事務所の6代目所長に就任し、2年間業務をしていました。西原弁護士は、任期中に255件の相談を受け、うち、新規案件を121件を受任したということです。 西原弁護士は、退任の挨拶の中で、任期中を振り返り、弁護士のハードルを下げたい思いだったが、多くの相談があり、ハードルは下がったのではないかと思う、後任の宇佐美弁護士にも引き続きハードルを下げていってもらいたい、と述べていました。

宇佐美弁護士の着任挨拶

続いて、宇佐美弁護士が、着任の挨拶をしました。
壱岐ひまわりの引継式は、新型コロナウイルスの流行もあり、飲食を伴わない形式で実施されたため、引継記者会見が主たる内容となっていました。この引継式に西原・宇佐美という新旧所長のほか、前田憲德九弁連理事長、柏木慎太郎九弁連事務局長、濵口純吾長崎県弁護士会会長、山下俊夫壱岐ひまわり支援委員会委員長が出席しました。また、あさかぜ所員のほかには、地元新聞社から数名、長崎県内の公設事務所の所長、公設事務所支援委員会委員が参加していました。
宇佐美弁護士は、着任にあたって、弁護士を目指した経緯や、ひまわり所長になるにあたっての意気込みを語りました。
宇佐美弁護士は、弁護士になる以前、裁判所書記官として勤務していましたが、そのとき(今から10年ほど前とのことです)大分地裁に勤務していたとき、地元の弁護士から、「弁護士の人口がふえても、過疎地には誰も来てくれないんだよ」との嘆きを聴いて、「自分が求められる場所がある」と思い、弁護士を志したとのことでした。
また、宇佐美弁護士は、裁判所書記官として勤めていたときは、市民からの相談があっても、裁判所という中立公正の立場からは、あきらめるべき事案ではないのにもかかわらず、あきらめないでくださいといえなかったことから、相談に来た人のためにできることには限界があると感じたのも、弁護士を志すきっかけとなったそうです。
さらに、宇佐美弁護士は、「壱岐の地で、最後の人生に一華咲かせたい」と、公設事務所で働くことへの強い意気込みを感じました。

支援委員会

引継式のあと、長崎県内の公設事務所(島原中央・対馬・壱岐・飛鸞)の合同支援委員会が開催されました。あさかぜ所員も、オブザーバーとしての参加が許可されたので、傍聴しました。
委員会では、各所長から、各月の新規相談・新規受任件数、現在の手持ち事件数と進捗状況、収支状況、引継状況について報告があり、あわせていくつかの事件相談がありました。どの事務所も毎月の相談件数は平均して10件程度、手持ち事件数が多い所では60~70件ほどで、ひまわり事務所が地域の人々に頼りにされて忙しいことがうかがわれました。手持ち事件については、案件管理表を用いて、全件の進捗を担当の委員と共有する形になっていて、所長が一人で司法過疎地に放り出されるわけではなく、適切に、サポートを受けられる形になっていたので、これから赴任する私にとっては安心できるものです。
弁護士がいない場所に赴任して、ともすれば孤独を感じやすい環境ではありますから、これから赴任する立場として、年に数回、弁護士がこのように集まる機会があるのはありがたいものです。

事務所見学

引継式の翌日、壱岐ひまわり基金法律事務所を訪問し、宇佐美弁護士から事務所内を案内してもらい、そのうえで、赴任時の注意事項、引継方法について話しを聴きました。
壱岐ひまわり事務所は、あさかぜ事務所の執務室くらいのスペースに、執務室と相談室があり、弁護士1名・事務局1名体制で執務しています。執務スペースとしては、ゆとりがあるような感じです。
ひまわり事務所に赴任するに当たっての準備すべきこと、事務所経営に関することなど、いろいろ役に立つ話しを聴くことができました。

誰もいなくなって......いい!

私は令和2年正月6日にあさかぜ基金法律事務所に入所しましたが、令和5年2月末に佐古井啓太弁護士が対馬ひまわり基金法律事務所に赴任しましたので、令和2年正月にあさかぜ基金法律事務所にいた人間は私だけになってしまいました。

私が過疎地に赴任するときには、宇佐美弁護士を見習い、高い志をもって、赴任したい、そんな気持ちを新たにして帰福しました。

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